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日本下水道事業団(JS)
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JS技術開発情報メール
2014.11.14 No.156
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆JS技術戦略部◇◆◇◆
いつも「JS技術開発情報メール」をお読み頂き、ありがとうございます。
寒くなってきました。朝、晩と昼間の寒暖の差が大きい季節です。服装も何を
着てよいのか毎朝考えてしまいます。くれぐれも体調を崩さないようお気を付けください。
それでは、今月号も最後までおつきあいくださいませ。
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≪ もくじ ≫
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『1』 はじめに
◆途上国の下水道と人材育成 (技術戦略部長 藤本 裕之)
『2』 トピックス
◇JS新技術として1技術を選定 (新技術推進課)
◆シートライニング工法(光硬化型)防食技術専門委員会 (資源技術開発課)
『3』 技術情報
◇共同研究 (水処理技術開発課)
◆よく見かける下水道用語 (水処理技術開発課)
◇長寿命化に関する情報 (東日本設計センター調査役 川上 高男)
『4』 ソリューション推進室からのお知らせ
◆長寿命化・アセットマネジメント関連ソリューション (ソリューション推進室推進役 森山 正美)
『5』 下水道よもやま話
◇収穫の秋 (技術基準課長 中村 芳男)
『6』 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(10月分) (国際室)
『7』 編集後記
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≪ 1 はじめに ≫
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◆◇途上国の下水道と人材育成◇◆
下水道界の人材育成が急務となっています。団塊の世代の退職と、若い世代の採用抑制により、次の世代を担うべき技術者の育成を早急に行う必要がある・・・と言うのは日本のことですが、途上国にとっても人材の育成は、下水道という技術を現地に根付かせるために、なくてはならない大切な要素です。
国際協力機構(JICA)では、様々な研修を国内で実施しています。下水道に特化した研修も毎年実施されています。特に、東京で実施される「下水道技術・都市排水コース」とは、私もずいぶんと長いお付き合いになります。このコースは、毎年9月下旬に始まり、12月上旬までの2ヶ月間半、下水道の計画、設計、維持管理の技術・知識を途上国の研修生(主に、政府、自治体関係職員)に習得してもらうための研修です。世界中から、毎年15名前後の研修生が集まってきます。今年は、アジア、アフリカ、南アメリカから12カ国の17名が参加しています。このコースは、「課題解決型研修」を標榜しており、各国の研修生が持つ課題について、研修で習得した知識・知見を用いることにより解決策を導く、というプログラムを持っています。この作業を行うのが「ケース・スタディ」です。「ケース・スタディ」では、研修生は日本人チューターからアドバイスを受け、課題解決策を検討し、レポートを作成します。さらに、研修生は、レポートの内容をパワーポイントにまとめ、プレゼンを行います。卒業論文のようなものです。研修生にとっては、労力と知恵が必要な、結構タフな仕事です。
このチューターを、ここ10年近く担当しています。チューターは、研修生を4名程度担当します。私の場合は、アジア2名、アフリカ2名の計4名を担当することを通例にしています。これまでに、モンゴル、ミャンマー、フィジー、パプア・ニューギニア、ケニア、スーダン、南スーダン、モロッコ、スワジランド、南アフリカなどの研修生を担当させていただきました。今年は、ミャンマー2名、アルジェリア、南アフリカの計4名を担当しています。ミャンマーからは、このところ継続して研修生を送ってくるため、何年も連続して担当しています。ミャンマーで下水道があるのは、前の首都ヤンゴンだけです。しばらくは、ヤンゴン市の職員が来ていたのですが、昨年は第二の都市であるマンダレー市の職員が参加しました。(今年は両方の市から参加しています。)マンダレーには汚水処理としての下水道は無いので、雨水対策のための技術習得が主目的でしたが、下水道(汚水処理)の必要性についても感じるところはあったと思います。7〜8年程前にミャンマーから初めて来た研修生からは、情報を海外に持ち出すことは難しいという話を聞いていたのですが、今ではインターネットで情報の入手も可能になっています。政策や状況が変わったことを、実感します。南スーダンからの最初の研修生を迎えた時もそうでした。南スーダンが暫定的に独立し、正式独立のための国民投票を目前にした時期に研修に来た、ということで、自分たちの新しい国を今後どのように運営するかを、熱く語っていました。南スーダンには下水道はありませんが、衛生環境の改善など、日本の研修で得た知識を十分に生かしていると想像しています。
第二次世界大戦前に占領下にあったケニアなどの国は、その頃に整備された首都の下水道施設が老朽化して、改築・更新が急務となっていると同時に、地方都市での下水道の新規建設が必要になる、という二つの課題を持っています。また、モンゴルではかつてロシア時代に下水道の建設が進められ、普及率も高いのですが、やはり老朽化が進行しており、再構築が必要などの問題を抱えています。様々な国の、それぞれの事情を聞くことが出来、非常に勉強になります。
今年の研修生の皆さんも、知識の習得に忙しい毎日を過ごされていますが、季節は秋。美しい日本の秋を満喫して、是非日本のファンになってもらいたい、と思っています。長いおつきあいの始まりにしたいものです。
(技術戦略部長 藤本 裕之)
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≪ 2 トピックス ≫
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◆◇JS新技術として1技術を選定◆◇
『新技術導入制度』により、水処理に係る技術を新技術として新たに選定しましたことをお知らせします。
今後、日本下水道事業団(JS)の受託建設事業において、従来選定した新技術に加え、今回選定した新技術の積極的な導入を図って参ります。
なお、この制度で選定された技術は、JSの受託建設事業における適用性を有していることを確認したもので、JSの受託建設事業以外の場合における性能等を評価するものではありません。
<今回選定した新技術>
新技術T類(JSが関与して開発した技術)
・担体投入活性汚泥法(リンポープロセス)
(日本下水道事業団、株式会社西原環境)
▼詳細は下記をご参照下さい。↓
(新技術推進課)
◆◇シートライニング工法(光硬化型)防食技術専門委員会◆◇
去る10月20日(月)、「第1回 シートライニング工法(光硬化型)防食技術専門委員会」(委員長:久保内昌敏 東京工業大学教授)が開催されました。
本専門委員会は、10月17日にJS理事長から技術評価委員会に諮問された「シートライニング工法(光硬化型)による防食技術」に関する技術評価について付託を受け、詳細な技術的検討を行なうものです。
本技術評価では、本年度末の答申を目標に、光硬化型工法の技術的特徴を整理し、設計手法と施工管理方法について取りまとめる予定です。
第1回専門委員会では、技術評価の経緯・目的、評価の対象・範囲、評価の基本的な方針に関する事項について、議論が行なわれました。次回専門委員会は、12月下旬に開催される予定です。
(資源技術開発課)
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≪ 3 技術情報 ≫
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◆◇共同研究◇◆
【研究名称】 「膜分離活性汚泥法の導入促進に向けた技術開発」
−新規細径PVDF膜による中空糸膜分離活性汚泥法の省エネルギー・合流対応の研究−
【研究相手】 三菱レイヨン株式会社、水ing株式会社、三菱化工機株式会社、日本錬水株式会社
【実施期間】 平成24〜26年度(予定)
【研究内容】
本研究は、平成24年度に開始した膜分離活性汚泥法(MBR)に関する第4期公募型共同研究5件の一つです。消費電力量原単位として0.4 kWh/m3以下を達成可能な省エネ型のMBRの開発、ならびに合流式下水処理場におけるピーク対応技術の開発が目標です。
現在は、新規に開発した中空糸PVDF膜を用いた浸漬型MBRについて、JS技術開発実験センターにおいて省エネ化目標達成及び合流対応に向けたパイロット試験を実施しています。
↓詳しくは、リーフレットをご参照下さい。
(水処理技術開発課)
◆◇よく見かける下水道用語◇◆
「除害施設」
今回は、下水道の入口側に視点を置いて、「除害施設」について紹介します。事業場の排水規制に携わる方々には馴染み深い用語ですが、それ以外の方々の中には、下水道関係者でもほとんど使用したことがない方もおられるかと思います。ワープロの変換ミスなどで「除外施設」としてしまった経験のある方も少なくないでしょう。
下水道に、人の健康に係る被害又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあり、下水処理場で処理できないものや、下水道施設の機能を妨げ、又は施設を損傷するおそれのある下水を流されては、・・・・・
▼続きはHPで↓
(水処理技術開発課)
◆◇長寿命化に関する情報◇◆
下水道施設のアセットマネジメントとは?
【1】『アセットマネジメント』とは・・・?
下水道の業界で、『アセットマネジメント』という用語が使われだしてから、もう月日が過ぎています。似たような意味で『ストックマネジメント』という言葉も出てきています。しかし、これらは横文字と言うこともあり、抵抗感もあるし、しっくり理解できない方も多いように見受けられます。
今回は、なるべく難しい用語を使わずに、一般的な説明と違う実務ベースの切り口で(下水道施設での)『アセットマネジメント』とは何か?
というものを、説明してみようと思います。・・・・・
▼続きはHPで↓
(東日本設計センター調査役 川上 高男)
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≪ 5 ソリューション推進室からのお知らせ ≫
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◆◇長寿命化・アセットマネジメント関連ソリューション◇◆
(ソリューション推進室推進役 森山 正美)
クールビズも終わり、既に北は初雪が降り、紅葉前線が南下中です。寒暖の差が大きく体調管理の難しい季節ですが、時には自然の中でリフレッシュしたいものです。
さて、今月はJSのAMDBについてご紹介いたします。
事故の未然防止とライフサイクルコストの最小化を図ることを目的に平成20年度に設立された「下水道長寿命化支援制度」に対し、JSではいち早く同年度末には長寿命化計画策定のための業務マニュアルを作成し、平成21年度には一部改訂を行い、積極的に長寿命化計画策定の支援業務を実施してきました。・・・・・
▼続きはHPで↓
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≪ 6 下水道よもやま話 ≫
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◆◇収穫の秋◇◆
(技術基準課長 中村 芳男)
秋も深まり、紅葉が次第に山から降りてきました。収穫の秋です。本稿では、お芋、特にさつま芋についてお伝えします。さつま芋は、5〜6月頃苗を挿したものが、根を張り蔓が成長し葉が夏の日差しを浴びて根に養分を蓄え、10〜11月に収穫となります。さつま芋の育て方は、芋から芽を生やし育て、概ね20cmくらいの長さに切って用意した芋床に挿していきます。ジャガイモの場合は芽のある部分を切って土中に植えたものが成長し、・・・・・
▼続きはHPで↓
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≪ 7 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(10月分) ≫
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日付 キーワード URL
10/2 北九州市 ベトナム国ハイフォン 下水道 覚書
http://www.suidou.city.kitakyushu.lg.jp/suidou/menu02/c2_14.html
10/11 東京都 マレーシア 下水道システム一括受注
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20141011/CK2014101102000106.html
10/15 台湾 下水油 行政院長陳謝
http://www.xinhuaxia.jp/social/49277
10/20 東京水道 ミャンマー・ヤンゴン 無収水対策
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/10/20oal100.htm
10/21 ヴェオリア アジア排水処理プロジェクト
https://www.jetro.go.jp/biznews/543f7468bbfd0
10/22 ボーイング 下水油 バイオ燃料
http://www.aviationwire.jp/archives/48110
10/27 日立製作所 イラク大型淡水化プラント 前処理設備受注http://business.nikkeibp.co.jp/article/emf/20141027/273059/
10/28 大建 ラオス 水事情改善
http://www.data-max.co.jp/company_and_economy/2014/10/20991/1028_dm1345/
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≪ 8 編集後記 ≫
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今月号も最後までお読み頂き、ありがとうございます。
紅葉が山から下りてきて、平地でも木々がだいぶ色づいてきました。
今月末頃には、都心でも神宮外苑のいちょう並木や、六義園・小石川後楽園など見頃となるでしょう。のんびり散策に出掛けてみるのもよいと思います。
ところで、私の家の庭には柿、みかん、キウィの木があります。
先日、柿とキウィを一気に収穫しました。今年は柿も豊作でご近所に配ってもまだまだたくさんありました。
柿もキウィもたくさん葉が落ちて掃除が大変ですが、収穫して食べることができるのですから、その辺は仕方がないですよね。
そんなわけで、今、家の物置は柿とキウィが占領してます。
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