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技術開発

JS技術開発情報メールNo.226

 

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          JS技術開発情報メール       

           2020.9.2 No.226

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆JS技術戦略部◇◆◇◆

 

いつも「JS技術開発情報メール」をお読み頂き、ありがとうございます。

暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、熱中症は外出時だけではなく、家の中でもり患するそうですね。

最近は在宅勤務をされている方が多いと思いますので、室内でもこまめに水分を補給する、

冷房の温度調整を行う等の熱中症対策をし、この残暑を乗り切って参りましょう。

では、今月号もよろしくお願いいたします。

 

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≪ もくじ ≫

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『1』 はじめに

◆「JS-TECHの水先案内人(第2回)」

  〜硫酸腐食対策の充実による施設長寿命化〜    (技術戦略長 橋本 敏一)

 

『2』 技術情報 

◇よく見かける下水道用語 「再生水」    (技術開発企画課)

 

『3』 下水道よもやま話          

◆熟練者(自分)の悩みはこれで解決! (調査役 松山 幹夫)

 

『4』 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(7月分)  (国際戦略室)

 

『5』 国際戦略室からのお知らせ

◇いざカンボジア王国へ! 2020年8月   (国際戦略室)

 

『6』 研修センターからのお知らせ   (研修センター)

 

『7』 編集後記

 

 

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≪ 1 はじめに ≫

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◆◇「JS-TECHの水先案内人(第2回)」◇◆

   〜硫酸腐食対策の充実による施設長寿命化〜

 

 令和2年7月豪雨では、気象庁の発表によれば、7月3日から31日までの長期間にわたり、全国各地で浸水などの被害が発生いたしました。被害に見舞われた皆さまに心よりお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復旧をお祈り申し上げます。

 前回(6月号)より始めました本コーナーですが、2回目となる今回は「硫酸腐食対策の充実による施設長寿化」に関する調査研究をご紹介します。本調査研究は、JS自らがテーマを設定し、自らの財源で行う基礎・固有調査研究のうち、導入された新技術などについて、事後調査などのフォローアップを行い、その成果を技術基準類に反映することなどを目的とする「固有調査研究(標準化技術)」の一つとして、平成29年度から令和3年度までの予定で実施しているものです。

 下水道施設に特有かつ顕著なコンクリートの劣化現象として、硫酸によるコンクリート腐食があります。これは、汚水中や汚泥中で発生し気相に放散された硫化水素から硫酸が生成され、コンクリート中の成分と反応して生じるものです(別添図1参照)。下水道施設では、これを防止するため、耐硫酸性の高い樹脂やモルタルなどを用いて、コンクリート表面に被覆層を形成させる「防食被覆工法」が広く採用されています。

 JSでは、わが国でコンクリート腐食が顕在化した昭和60年代より今日に至るまで、コンクリート防食技術の開発・基準化に継続して取り組んでおり(別添図2参照)、JSが発刊する「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」(以下、「JSマニュアル」とします。)は、我が国の下水道施設におけるコンクリート防食技術に関するデファクトスタンダードとなっています。

 防食被覆工法は、コンクリート表面を被覆し、保護することにより、健全な状態に維持することを目的とします。JSマニュアルでは、JIS規格で定める防食被覆工法に求められる個別の性能に対する品質規格を定め、これを満足することに加えて、総合的な性能として耐久性、すなわち、設計耐用年数の間(標準10年)、防食被覆層としての性能が維持されることを求めています(別添図3参照)。しかし、実際に施工された防食被覆層が、設計耐用年数の間、実環境で性能を維持しているかについては、十分な知見がないのが実情です。

 そこで、本調査研究では、防食被覆工法が施工された下水道施設において、硫化水素濃度などの腐食環境と防食被覆層の劣化状況を調査し、これらの関係を把握することなどにより、技術の改良・向上に資するとともに、JSマニュアルに反映するための基礎的な知見を整理することを目的としています。

これまでに、防食被覆層の供用開始から10年以上経過した5施設を対象として、現地調査を行っています(別添表1参照)。その結果、いずれの調査箇所についても、硫酸の侵入(硫黄侵入深さ)は防食被覆層内に止まっており、防食被覆層の基本的な性能の一つである遮断性は、標準的な設計耐用年数である10年を超過しても機能していることが確認されました。一方、2箇所では、防食被覆層の浮きや剥がれなどの外見上の劣化が認められ、また、3箇所では、接着強さが品質規格で定める初期性能値(湿潤状態で1.2 kN/mm2)を下回っていることが確認されました。

 現在のJSマニュアルが発刊されて19年が経過し、今後、標準的な設計耐用年数を超過する施工箇所が増大することが予想されます。これまでの調査結果から、設計耐用年数を超過しても、防食被覆層の遮断性自体には問題がないものと推定されます。一方、コンクリート躯体との一体性を確保する接着性の低下が、防食被覆層としての性能を維持するうえで問題となる可能性が示唆されます。現時点では、調査箇所数も少ないため、今年度以降も継続して現地調査を行い、知見を蓄積することにより、実環境における防食被覆層の耐久性や技術上の課題などを明らかにしていきたいと考えています。

 現地調査の実施にあたっては、対象とする施設内部に入り、防食被覆層の試料採取などを行うため、工事や維持管理で運転休止するタイミングを狙って行う必要があります(写真1参照)。そのため、毎年、調査箇所を探し出すのに苦慮しているのが実情です。本調査にご興味を持って頂き、「調査できるよ。調査してもいいよ。」と言う自治体様がいらっしゃいましたら、ぜひ本メールマガジンのメールアドレス(gikai@jswa.go.jp)までご一報頂けますと幸いです。

 今回ご紹介した調査研究の平成30年度成果は、次の『扉』よりご覧頂けます。なお、令和元年度の調査研究成果の詳細は、近日中に掲載する予定です。

 https://www.jswa.go.jp/g/g01/g4seika/pdf/5_tairyusan.pdf

 次回は「改築・更新等を契機とした水処理の効率化、省エネ・維持管理性向上」をご紹介する予定です。

 

(技術戦略部長 橋本 敏一)

 

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≪ 2 技術情報  ≫

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◆◇よく見かける下水道用語◇◆ 

 

「再生水」

 

 日本の年間下水処理水量は約154億m3。そのうち「再生水(下水再生水)」として再利用されている水量はどれくらいかご存知でしょうか。再生水とは、放流されるのではなく、”再利用される下水処理水(ろ過やオゾンなどのさらなる処理を行う場合もあります)”のことで、処理場外の環境用水や融雪用水などに年間約2.0億m3使用されています。

「下水道施設計画・設計指針と解説」の中で、再生水の用途は、下水処理場内での「施設運転利用」と下水処理場外での「多目的利用」に大別されています。日本における下水処理水の再利用は、下水処理場内における機械設備の洗浄水等の「施設運転利用」から始まり、・・・

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/226-2.pdf

 

(技術開発企画課)

 

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≪ 3 下水道よもやま話  ≫

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◆◇熟練者(自分)の悩みはこれで解決!◇◆ 

 

 お読みいただいて、ほんとうにありがとうございます。リモートワーク対応お疲れ様です。

 シニア及びナイスミドルの方、デジタル対応どうですか。波に乗っていますか。通勤という非生産的なものから一部開放されるというメリットはありますが、学ぶことが多すぎて私は苦労しました。

 さて、下水一筋30数年、自称、熟練者?がみなさんに悩みをうちあけます。私は、若手にパソコン、インターネット関係のことを教えてもらうのは、とっても苦手です。抵抗があります。「前に教えましたよね。」、「こんなことも知らないのですか。」、「今までよくやってこられましたよね。」こんなことを言われたら、いや、思われるだけで寝込みます。

 在宅勤務で、・・・

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/y/pdf2/y205.pdf

                 

(技術戦略部 調査役(基準) 松山 幹夫)

 

 

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≪ 4 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(7月分) ≫

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日付 キーワード URL
7月1日 環境省 タイ ラオス 水環境改善事業支援
  https://portal-worlds.com/news/asean/21314
7月5日 新型コロナウィルス ブラジル 下水
  https://www.afpbb.com/articles/-/3292085 

7月15日

川崎市入江崎水処理センター カンボジア上級大臣視察
  http://www.city.kawasaki.jp/800/page/0000118611.html
7月20日 横浜市 潟rィ・フォアード マラウイ給水車輸送
  https://www.jiji.com/jc/article?k=000000115.000009457&g=prt
7月20日 南アジア 大雨 200人死亡
  https://www.jiji.com/jc/article?k=2020072000016&g=intu 

                                 

(国際戦略室)

  

                             

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≪ 5 国際戦略室からのお知らせ ≫

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◆◇いざカンボジア王国へ! 2020年8月◇◆ 

 

 猛暑、豪雨災害に加え、新型コロナウイルスに対処しなければいけない大変な夏となっています。皆様はお変わりありませんでしょうか。日本の豪雨災害などはカンボジアでも報道されており、カウンターパートから心配のご連絡をいただくこともあります。

 ビジネス渡航再開や外務大臣のカンボジア含めたASEAN歴訪が報道されていますが、私たちJICA専門家もカンボジアへの8、9月中再渡航の調整中です。

 4月に避難一時帰国してからは遠隔で専門家の仕事を行っています。カウンターパートとはWEB会議やカンボジアでメジャーなSNSのTelegramを用いて連絡を取り合い、プロジェクトを進めていこうとしています。

 さて、皆様はウェビナーというものを・・・

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/226-3.pdf

 

(国際戦略室)

 

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≪ 6 研修センターからのお知らせ  ≫

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◆◇令和2年度下水道維持管理セミナー(地方研修)参加募集について◇◆

 

 日本下水道事業団研修センターでは、「第一線で活躍できる人材の育成」を目標に、下水道のライフサイクルを網羅する、計画設計、経営、実施設計、工事監督管理、維持管理、官民連携・国際展開の6コースについて、専門的知識が習得できる各種専攻を設定しております。

 研修効果をあげるためには戸田の研修施設に来ていただき、数日間泊まりこみで実習・演習・ディスカッション等を含めて受講していただくことが望ましいのですが、市町村合併等に伴う下水道担当職員の減少、厳しい財政事情等の理由により、戸田の研修センターへの派遣が難しくなってきているとお聞きしています。このため、研修センター教官が出張し各地方の会場で開催する「地方研修」を、主に経営コースについて、平成15年度から行っておりますが、今回は、昨年度より実施しております「下水道維持管理セミナー(地方研修)」の令和2年9月以降開催予定分の参加募集についてご案内をいたします。

 詳細につきましては、下記URLをご覧ください。

 https://www.jswa.go.jp/kensyu/goannai/iciran/iciran.html#chihou

 当研修へのご参加のご検討を何卒、よろしくお願いいたします。

 

※新型コロナウイルス感染拡大防止等により、日程の変更や研修の中止などをおこなうことがございますので、当事業団のホームページにて最新の情報をご確認ください。

 https://www.jswa.go.jp/kensyu/goannai/iciran/iciran.html

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/226-4.pdf

 

(研修センター)

 

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≪ 7 編集後記  ≫

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今年の夏は、山に!海に!そしてオリンピック・パラリンピックで大いに盛り上がる!「熱い夏」を過ごすはずだった私なのですが・・・「GO TOキャンペーン」除外の東京から出られず、ただただダラダラと家か近所で「暑い夏」を悶々と過ごしておりました。早く以前のようにウキウキ・どきどき・ワクワクと心踊る陽気な夏を満喫したいなぁと思うですが、来年はどうなるのでしょうね・・・と長くなりそうな残暑を憂えております。

※8月号の配信が遅れ、申し訳ありませんでした。

 

 

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