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技術開発

JS技術開発情報メールNo.228

 

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          JS技術開発情報メール       

           2020.10.29 No.228

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆JS技術戦略部◇◆◇◆

 

いつも「JS技術開発情報メール」をお読み頂き、ありがとうございます。

だいぶん秋も深まってきました。食欲の秋、芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋、

行楽の秋・・・皆さんはどのような秋を過ごされていますでしょうか。

それでは、今月号もよろしくお願いいたします。

 

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≪ もくじ ≫

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『1』 はじめに

◆「JS-TECHの水先案内人(第3回)」

  〜脱水汚泥の低含水率化による維持管理の効率化〜 (技術戦略部長 橋本敏一)

 

『2』 トピックス

◇技術評価委員会を開催しました               (技術開発企画課)

 

『3』 技術情報 

◇よく見かける下水道用語 「下水汚泥エネルギー化率」 (資源エネルギー技術課)

 

『4』 下水道よもやま話          

◆処理場・ポンプ場等の耐水化対策について     (技術基準課長 若尾 正光)

 

『5』 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(9月分)   (国際戦略室)

 

『6』 国際戦略室からのお知らせ

◇AWaP総会とAWaP運営委員会開催の予定について         (国際戦略室)

 

『7』 編集後記

 

 

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≪ 1 はじめに ≫

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◆◇「JS-TECHの水先案内人(第3回)」◇◆

  〜脱水汚泥の低含水率化による維持管理の効率化〜

 

 週末(10月10〜11日)に本土に上陸・接近が予測されていました台風14号は進路を大きく変え、本原稿の執筆時点(10月13日)では、台風の本土上陸ゼロが続いています。気象庁の統計データによれば、直近で本土上陸ゼロの年は12年前(2008年)のことで、過去69年間でも4回しかありません。1年間に本土上陸する台風の数は平均では3個とのことですが、近年、毎年浸水被害が頻発しており、台風の上陸・接近が少ないことに越したことはありません。因みに1年間に本土に接近(気象庁の定義では、台風の中心が北海道、本州、四国、九州のいずれかの気象官署等から300 km以内に入った場合だそうです)する台風は平均6個で、今年はすでに5個の台風が接近していますので、こちらは平年並みのようです。

 

 ところで、読者の皆さまは「台風って休みの日によく来るよなぁ」と思ったことはありませんでしょうか。ちょっと気になったので統計データを調べてみました。台風が本土に上陸した曜日は、まさか台風が曜日を気にしている訳はありませんが、別添図1に示すとおり、過去30年間の平均および年代別ともに、火曜日が他の曜日より明らかに多いようです。一方、土曜日や日曜日は、年代によりバラつきがありますが、過去30年間の平均でみると特別多いという訳ではありません。しかし、過去10年間(2010年代)で見た場合、週末から週明け(日〜火)が多く、週の中盤から後半(木〜土)が少ない傾向にあります。このようなことから、ハッピーマンデーで月曜日のお休みが増えたことも相まって、私のように感じる方も少なくないのかも知れません。

 

 閑話休題。今回は「脱水汚泥の低含水率化による維持管理の効率化」に関する調査研究をご紹介します。本調査研究は、JS自らがテーマを設定し、自らの財源で行う基礎・固有調査研究のうち、導入された新技術などについて、事後調査などのフォローアップを行い、その成果を技術基準類に反映することなどを目的とする「固有調査研究(標準化技術)」の一つとして、平成29年度から令和3年度までの予定で実施しているものです。

 

 脱水汚泥の含水率低減は、焼却や燃料化などの後段プロセスの処理費用や場外搬出などの最終処分費用の低減、温室効果ガス排出量の低減などの観点から、汚泥処理における重要な課題の一つです。例えば、別添図2に示すとおり、脱水汚泥の含水率が80%から5ポイント上昇すると湿重量は約1.3倍となり、脱水汚泥より後段の汚泥処理・処分費用の増加につながります。

 

 一方、近年、食生活の変化などによる汚泥性状の変化(有機分比の増加)や下水エネルギー利活用手段としての嫌気性消化工程の導入、広域化・共同化によるし尿などの受入れなどに起因して、汚泥の難脱水化が顕著となっています。

 

 このような背景の下、JS技術戦略部では、近年、複数の民間企業との共同研究によって、難脱水汚泥にも対応可能な低含水率型の脱水機の開発を行っており、これまでに8技術(濃縮・脱水一体技術を含む)をJS新技術T類に選定しています(別添参考表1参照)。

 

 本調査研究では、新規の低含水率型脱水機のうち、平成25年のJS新技術T類選定以降、多数の導入実績を有する「圧入式スクリュープレス脱水機(V型)」(以下、「SPV型脱水機」とします。)について、導入施設における脱水性能や不具合事項・改善要望事項などに関する事後調査を行いました。なお、SPV型脱水機は、別添図3に示すとおり、脱水機内に別途スクリュー濃縮部を設けることにより、従来の同形式の脱水機に対して濃縮機能を高め、脱水性能の向上を図ったものです。また、令和2年10月現在、JS受託建設事業におけるSPV型脱水機の導入決定件数は50件となっています。

 

 事後調査の結果(別添図4参照)、導入施設における脱水性能は、試運転時のデータでは、汚泥種別に関わらず、概ね発注仕様の性能を満足していました。一方、供用後の維持管理者による日常運転のデータでは、特にオキシデーションディッチ(OD)法の余剰汚泥において、処理量の低下が顕著であり、発注仕様の性能に達していないケースが多い傾向にありました。本脱水機の改善要望事項の一つに脱水条件調整の困難さが挙げられており、OD法を採用する小規模下水処理場では、汚泥性状の変動などに応じた脱水条件の調整ができていないことが要因として推察されます。このほか、不具合事項・改善要望事項として、大型化した外筒カバ−の維持管理性向上や、洗浄ノズルやストレーナの閉塞などが明らかとなりました。今後、本調査の結果を踏まえ、SPV型脱水機の標準仕様化に向けた検討を進める予定です。

 

 このほか本調査研究では、すでに標準化され各所で導入されている遠心脱水機(機内二液調質型)や圧入式スクリュープレス脱水機(U型)、回転加圧脱水機(U型)についても、導入施設における事後調査を行っています。これらの成果についても、現在の標準仕様の見直しなどに反映していく予定です。

 

 JSでは、低含水率型脱水機の開発・標準化を進め、汚泥処理・処分費の縮減などを図ることにより、地方公共団体の皆さまのニーズに応えて参りたいと考えています。

 

 今回ご紹介したSPV型脱水機の事後調査成果の詳細は、次の『扉』でご覧頂けます。

  https://www.jswa.go.jp/g/g01/g4seika/pdf/r02_07atunyushiki.pdf

 

 また、JS新技術T類に選定された低含水率型脱水機の概要は、次の『扉』でご覧頂けます。

  https://www.jswa.go.jp/g/g04/pdf/2020shingijutu.pdf

  「ニーズに応える新技術」(令和2年度版)

 

 (技術戦略部長 橋本 敏一)

 

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≪ 2 トピックス ≫

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◆◇技術評価委員会を開催しました◇◆

 

 10月7日(水)に第82回技術評価委員会を日本下水道事業団本社及びWEB会議にて開催しました。

 委員会では、令和元年度試験研究の実施状況および令和2年度試験研究計画並びに、基礎固有調査研究の実施状況について審議を行いました。技術評価委員会としては初のWEB会議併用となりましたが、滞りなく活発な議論が行われました。

                           

(技術開発企画課)

 

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≪ 3 技術情報  ≫

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◆◇よく見かける下水道用語◇◆ 

 

「下水汚泥エネルギー化率」

 

 国土交通省では、社会資本整備審議会の計画部会において、来春の閣議決定を目指して「第5次社会資本整備重点計画」の策定作業が進められており、社会経済やライフスタイルの多様化に対応したインフラの経営的管理などの重点目標が示されているところです。

 現行の計画は、平成27年に閣議決定された第4次社会資本整備重点計画であり、まもなく計画の最終年度末を迎えようとしています。第4次社会資本整備重点計画の中には、下水道分野の具体的な目標値のひとつとして、「下水汚泥エネルギー化率」が設定されています。今回は、下水汚泥エネルギー化率についてご紹介いたします。・・・

 

▼続きはHPで↓

https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/228-2.pdf

 

(資源エネルギー技術課)

 

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≪ 4 下水道よもやま話  ≫

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◆◇処理場・ポンプ場等の耐水化対策について◇◆ 

 

 皆さまは、ハザードマップ、過去の浸水実績等から処理場・ポンプ場等の浸水レベルを確認したことはありますか。近年、処理場・ポンプ場等は、想定を上回る降雨による浸水のため機能が停止する被害が発生しています。下水道は、災害時においてもその必要な機能を確保することが求められています。令和2年5月21日付け下水道事業課長通知「下水道の施設浸水対策の推進について」は、耐水化計画を令和3年度までに策定し、その内容に沿った耐水化を進めることがお願いされています。

 今回の「下水道よもやま話」は、処理場・ポンプ場等における耐水化の検討業務を実施するために必要と思われる現状把握について整理してみました。・・・

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/y/pdf2/y207.pdf

 

(技術基準課長 若尾 正光)

 

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≪ 5 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(9月分) ≫

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日付 キーワード URL
9月7日 ヤンゴン新都市開発 独コンサルと契約
  https://www.nna.jp/news/show/2090492
9月7日 中国 スマート・ウォーター・ビジネス産業
  https://news.nifty.com/article/world/china/12181-681220/
9月7日  スエズCEO ヴェオリアの買収提案拒否
  https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-09-06/QG95MIDWX2PX01
9月29日 インドネシア 河川汚染
  https://news.biglobe.ne.jp/international/0929/jbp_200929_3549101806.html

 

(国際戦略室)

 

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≪ 6 国際戦略室からのお知らせ ≫

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◆◇AWaP総会とAWaP運営委員会開催の予定について◇◆ 

 

 AWaP(Asia Wastewater Management Partnership:アジア汚水管理パートナーシップ)は、国連サミットで採択されたSDGsのTarget6.3(2030年までに未処理汚水を半減)の達成を目指して、アジア6か国(カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、ベトナム、日本)をパートナー国として、2018年7月に国土交通省と環境省の連携により設立されました。

 JSは今年度、AWaP事務局支援として、・・・

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/228-3.pdf

 

(国際戦略室)

 

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≪ 7 編集後記  ≫

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この度の自粛生活からひとつ、習慣というか続けていることがあります。それは「ストレッチ」です。ずーっと座り続けていたら坐骨神経痛のような症状が出てきたので、「これはいかん!」と色々な動画を見ながらストレッチを始めました。一日10分程度ですが、毎日続けていると、直立で床まで手が届かなかった固い体が、いつの間にか、てのひらがべっとりと床につくまで柔らかくなっていました。座っての開脚も横に160度くらいまでは開くようになり、前方にぱたんと体がつくまでになりました。継続は力なり!を、社会人〇十年目にしてはじめて(?)実感しています。次は完璧なY字バランスを目指します(何のためかわかりませんが・・・)

皆さんは何か継続されていることはありますか・・・

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