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技術開発

JS技術開発情報メールNo.230

 

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          JS技術開発情報メール       

           2020.12.22 No.230

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆JS技術戦略部◇◆◇◆

 

いつも「JS技術開発情報メール」をお読み頂き、ありがとうございます。

今年もあともう少しですね。この一年は何とも形容しがたい一年でした。

皆様にとっても例年にない一年だったのではとお察しいたします。

来年は皆様にとってより良い年になることを切に願って、今年最後のJS技術開発情報メールをお送りいたします。

 

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≪ もくじ ≫

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『1』 はじめに

◆「JS-TECHの水先案内人(第4回)」

  〜紫外線消毒の再評価     (技術戦略部長 橋本 敏一)

                

『2』 技術情報 

◇よく見かける下水道用語 「大気汚染防止法」        (技術基準課)

 

『3』 下水道よもやま話

◆「広報、情報発信、PR・・・」  (技術戦略部 調査役(土木・建築) 黒田 充)

 

『4』 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(11月分) (国際戦略室)

 

『5』 国際戦略室からのお知らせ

◇「コロナ禍におけるJS国際業務 〜ICTの活用を考える〜」    (国際戦略室)

 

『6』 編集後記

 

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≪ 1 はじめに ≫

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◆◇「JS-TECHの水先案内人(第4回)」◇◆

   〜紫外線消毒の再評価〜

 

 新型コロナウイルスに翻弄された本年も残すところ数日となりました。しかし、師走に入っても、新規感染者数が連日千人を超え、第三波が急拡大しています。このような状況の下、読者の皆さまにおかれても、この年末年始は帰省を控え、ご自宅で新年を迎える予定の方も少なくないかと思います。かく言う私も、JS入社以来31回目の正月で初めて帰省せず、自宅で新年を迎える予定です。

 

 読者の皆さまも、新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(別添図1)をご覧になったことがあるかと思いますが、表面に特徴的な突起があり、この見た目が王冠に似ていることから、ギリシャ語で王冠を意味する「コロナ」という名前が付けられています。この突起は、ウイルス粒子の最も外側にあるエンベロープと呼ばれる膜から突き出しています。下水道に関係深いウイルスとして、胃腸炎の病因である腸管系ウイルス、特にノロウイルスがあります。ノロウイルス等の腸管系ウイルスは、コロナウイルスのようなエンベロープを持っていません(別添図2)。エンベロープを持つ他のウイルスを用いた実験等から、エンベロープを持つウイルスは、エンベロープを持たない腸管系ウイルスよりも、塩素や紫外線、オゾンといった消毒剤に対する感受性が高く、不活化(感染力を失うこと)され易いと考えられています。したがって、現時点においては、良好に下水処理が行われ、適正に消毒がなされていれば、問題はないものと推定されますが(あくまでも筆者の私見です)、下水中の新型コロナウイルスの検出方法が早急に確立され、その濃度レベルや下水処理過程での挙動が明らかにされることが望まれるところです。

 

 さて、今回も前置きが長くなりましたが、消毒つながりと言うことで、今回は「紫外線消毒の再評価」に関する調査研究をご紹介します。本調査研究は、JS自らがテーマを設定し、自らの財源で行う基礎・固有調査研究のうち、導入された新技術などについて、事後調査などのフォローアップを行い、その成果を技術基準類に反映することなどを目的とする「固有調査研究(標準化技術)」の一つとして、平成29年度から令和3年度までの予定で実施しているものです。

 

 紫外線(UV)消毒は、波長260nm付近のUVを照射することにより、微生物の細胞内の遺伝物質(DNAやRNA)が損傷し、増殖できなくなることで消毒効果を生じます。UV消毒の特徴の一つとして、塩素などの薬品を添加しないため、消毒後の放流水に塩素などの残留がなく、有害な消毒副生成物も生成されないことが挙げられます。そこで、UV消毒は、主には放流先の水産資源や水生生物への残留塩素などの影響を考慮しなければならない下水処理場において、一般的な塩素消毒に替えて採用されています。

 

 わが国では、平成29年度末現在、全国の下水処理場の約6%に当たる156箇所でUV消毒施設が稼働しています。UV消毒は、一般的な塩素消毒と比較して、設備費やUVランプの交換費、電力費などのコストが高いことなどから、当初は処理能力1万m3/日程度以下の小規模下水処理場での採用が中心でした。しかし、別添図3に示しますとおり、より規模の大きい下水処理場での採用事例も少なくありません。

 

 JSでは、UV消毒についても、多数の下水処理場で設計・建設を行ってきていますが、平成9年3月に答申された「最近の消毒技術の評価」以降、その運転管理やコストなどの実態に関する体系的な調査は行っていませんでした。そこで、本調査研究では、特に大規模下水処理場にフォーカスして、UV消毒施設の運転管理やコストなどの実態を把握し、体系的に整理することにより、UV消毒の今後の適用拡大、稼働施設の効率化や省エネ・省コスト化などに資することを目的として実施しています。

 

 調査初年度の平成29年度には、UV消毒施設を有する全ての下水処理場を対象にアンケート調査を実施し、UV消毒施設の仕様や諸元、運転・維持管理状況などについて把握、整理を行いました。このアンケート調査の結果の詳細については、次の『扉』を開くとご覧いただけます。

https://www.jswa.go.jp/g/g01/g4seika/pdf/shoudoku.pdf

 

 平成30年度以降は、大規模なUV消毒施設における運用実態や、維持管理コストや消費電力量などの経年変化などを把握するため、毎年3〜5箇所の下水処理場を対象として、より詳細な維持管理データなどの収集・解析、現地での維持管理者へのヒアリングなどを実施しています。令和元年度の調査では、調査を行った3箇所のいずれにおいても、UV消毒施設の稼働ユニット数を調整することにより省エネ化を図っていることが分かりました(別添図4参照)。今後も引き続き、同様なデータの収集・解析を進め、大規模なUV消毒施設の運転管理実態を明らかにするとともに、消毒効果への影響についても把握していきたいと考えています。

 

 最後になりましたが、本年も1年間、JS技術開発情報メールをご愛読くださいましてありがとうございました。来年も引き続き、よろしくご愛読くださいますよう、お願い申し上げます。いまだ衰えぬコロナ禍の下ではありますが、皆さま、よいお年をお迎えください。

 

                          (技術戦略部長 橋本 敏一)

                          

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≪ 2 技術情報  ≫

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◆◇よく見かける下水道用語◇◆ 

 

「大気汚染防止法」

 

 「大気汚染防止法」は、大気汚染に関して、国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的として制定され、工場や事業場の固定発生源から排出又は飛散する大気汚染物質について、物質の種類ごと、施設の種類・規模ごとに排出基準が定められており、大気汚染物質の排出者はこの基準を守らなければならないとされています。

 令和2年6月5日に、建築物の解体工事における石綿(アスベスト)の飛散の抑制を図ることを目的として、「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が公布されましたので、その概要をご紹介します。・・・

 

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/230-2.pdf

 

(技術基準課)

 

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≪ 3 下水道よもやま話  ≫

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◆◇広報、情報発信、PR・・・◇◆ 

 

 令和2年も残りわずかとなりました。この1年を振り返ってみると、私事にはなりますが、4月に日本下水道事業団に出向となり、未知の世界であった“下水道(事業)”に携わる機会をいただいたことが、貴重であり、大きな出来事であったように思います。ただ、本年は現在に至るまで、我が国(というより世界)で話題を独占しているのは新型コロナウイルス感染症(の拡大)であり、折角出向させていただいたにもかかわらず、現場に行くことや直接対話すること等が厳しい状況で、霧の中を彷徨うというか、もやもやとした感じの中、日々を過ごしていたようにも思います。それはやや残念な状況ともいえますが・・・

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/y/pdf2/y209.pdf

                 

(技術戦略部 調査役(土木・建築) 黒田 充)

 

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≪ 4 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(11月分) ≫

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日付 キーワード URL
11月6日 JFEエンジ ベトナム浄水場運営会社に出資 
  http://www.jpubb.com/press/2560868/
11月11日 ノー・モア・ミナマタ 水銀汚染対策けん引 
  https://globe.asahi.com/article/13917219
11月13日 天皇陛下ライフワーク 水問題
  https://www.news24.jp/articles/2020/11/13/07761286.html
11月18日 JICA ビンズオン省の浄水場拡張 融資
  https://www.nna.jp/news/show/2119376
11月24日 オーストラリア初 バイオガス計画 下水処理場で実施へ 
  https://www.nna.jp/news/show/2121426
11月25日 JICA ベトナム向け円借款貸付契約の調印 ハロン市
  https://www.jica.go.jp/press/2020/20201125_10.html

 

 (国際戦略室)

 

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≪ 5 国際戦略室からのお知らせ ≫

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◆◇コロナ禍におけるJS国際業務 〜ICTの活用を考える〜◇◆ 

 

 新型コロナウイルスの影響で、今までのように現地渡航して対面打合せや調査をすることができない状況です。このような中でICTの活用が有意義であることを実感しています。

 もちろん、ICTの活用は必要条件であって十分条件ではありません。特に、案件形成調査については、現地の状況等を調査する必要があります。そのため、JICA長期専門家や現地に拠点や協力企業を有するコンサルタント等のお力添えをいただきながら業務を進めています。

 また、現地政府との打合にあたっては、相手方が初めて接する方ですと、初回のミーティング開催日時の調整だけでも非常に苦労します。現地大使館や・・・

 

▼続きはHPで↓

 https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/230-3.pdf

 

(国際戦略室)

 

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≪ 6 編集後記  ≫

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先日、野口聡一さんが「クルードラゴン」で再び宇宙に飛び立ち、そして「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」のサンプルをリターンさせました。約30年程続いているハリウッドの宇宙もの映画にワリカシはまっている私は、歓喜に震え、少し涙してしまいました。宇宙って本当に「…far,far away …」。考えるだけで、思うだけでなぜか夢や希望が膨らみワクワクします。

特に今回印象深かったのは、成功に歓喜する「はやぶさ2」管制室の面々。お互いにヤッター!と喜び合う笑顔は眩しいほどにキラキラとしてまるで少年・少女のよう。オジサン達の目にうっすら涙が浮かんでいる映像を見て、あーどれだけたくさんの困難と喜びを分かち合ってきたのだろう。と、ミッションへの強い気持ちや絆、愛を勝手に想像し、もらい泣きしたのは私だけでしょうか。「はやぶさ2」の次のミッションは「総飛行距離100億キロ、11年間宇宙の旅」。

わぁー…本当に「…over a long time, go far,far away …」…。

 

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