地方共同法人日本下水道事業団Japan Sewage Works Agency

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技術開発

JS技術開発情報メールNo.240

 

■◇■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JS技術戦略部 ━━━━
              【JS技術開発情報メール】 
                 No.240 2021.10.26
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 いつも「JS技術開発情報メール」をお読みいただきありがとうございます。
 紅葉の季節となりましたね。あまりの気温の低さに冬の気配さえ感じます。
 寒さに負けぬよう、たくさん食べて滋養をつける、体を温めるなどして、体調管理に
 お気をつけいただければと思います。
 それでは、今月号もよろしくお願いいたします。
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【 もくじ 】
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『1』 はじめに
◆ 「JS-TECHの水先案内人(第8回)」
〜有機酸・炭酸劣化対策による施設長寿命化〜   (技術戦略部長 橋本 敏一)

『2』 トピックス
◆  「JS新技術セミナー」を開催します             (技術開発企画課)

『3』 技術情報 
◆ よく見かける下水道用語 「カーボンニュートラル・脱炭素」          
(資源エネルギー技術課)

『4』下水道よもやま話          
◆「今日は何の日?」       (技術戦略部 調査役(土木・建築) 黒田 充)

『5』 国際戦略室からのお知らせ
◆ Water and Environment Solution Hub                (国際戦略室)

『6』 編集後記

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【1】はじめに
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「JS-TECHの水先案内人(第8回)」
〜有機酸・炭酸劣化対策による施設長寿命化〜

いつもJS技術開発情報メールをご愛読頂きましてありがとうございます。本年度最初の本
コーナーで予告させて頂いておりましたオンラインでの新技術セミナーにつきまして、先の
臨時号でお知らせいたしましたとおり、12月1日(水)13時から15時の開催が決定いたし
ました。只今、絶賛参加申し込み受付中です。まだ申し込みがお済でない皆さまは、下記より
是非お申し込みください。

▼ JS新技術セミナーのご案内はこちらをご覧ください。
https://www.jswa.go.jp/whatsnew/2021pdf/20211004.pdf
▼ JS新技術セミナーの参加申し込みはこちらからお願いいたします。
https://jswa-go-jp.zoom.us/webinar/register/WN_H2tHzAKHS6eDJz1PrOKD_A

さて、今回は「有機酸・炭酸劣化対策による施設長寿命化」に関する調査研究をご紹介しま
す。これはJS自らがテーマを設定し、自らの財源で行う基礎・固有調査研究のうち、JSがこ
れまでに開発・導入してきた技術について、人口減少や更なる省エネ化・低炭素化への要請な
ど、社会情勢の変化に対応して進化させていくことにより、受託事業を通じて地方公共団体へ
の技術還元を目的とする「固有調査研究(コア技術)」の一つとして実施しているものです。

 本調査研究では、防食被覆層の有機酸による劣化(以下、「有機酸劣化」という。)、および
炭酸によるコンクリートの劣化について、その発生状況や環境条件などの実態を把握すること
により、「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」(以下、「防食
マニュアル」という。)の改訂に向けて知見・データを集約・整理することを目的としています。
このうち、以下では、紙面の都合上、有機酸劣化に関する調査研究についてご紹介します。

 硫酸によるコンクリート腐食対策としては、コンクリート表面に耐硫酸性の高い防食被覆層
を形成させる防食被覆工法が一般的に採用されています。その中でも、防食被覆材料(樹脂)
をコンクリート表面に塗布することにより防食被覆層を形成し被覆する塗布型ライニング工法
が広く使用されています。

 近年、防食被覆材料にエポキシ樹脂を用いた塗布型ライニング工法について、ビルピットで
の有機酸劣化の発生が報告されています。下水道施設においても、汚水や汚泥の腐敗などで有
機酸が高濃度となる施設では、有機酸劣化の発生が想定されます。JSでは、平成29年12月に
防食マニュアルを改訂し、防食被覆層に耐有機酸性を求める場合の品質規格を定めています
(別紙表1)。しかし、有機酸による防食被覆層の劣化状況や物性変化、下水道施設における有
機酸の発生箇所や濃度などについては、十分な知見を有していないのが実情です。

 そこで、本調査研究では、耐有機酸性を有する防食被覆材料(耐有機酸型樹脂)とこれを有
さない従来の防食被覆材料(一般型樹脂)を用いた酢酸浸漬試験や、下水処理場の処理工程各
所における有機酸濃度およびその組成に関する実態調査などを行っています。

 前者については、昨年度までの試験結果から、耐有機酸型樹脂は、JS防食マニュアルで定め
る外観変化が生じないだけではなく、一般型樹脂と比較して、重量や形状、物性(硬度、曲げ
強さ)の変化や防食被覆層への有機酸の浸透深さが小さいことが確認されています(別紙図1)。
また、酢酸浸漬試験の試験条件について、防食マニュアルで規定する酢酸水溶液濃度5%よりも、
酢酸水溶液濃度10%の方が物性などの変化の違いを明確にできる可能性が見いだされてきてい
ます。今年度も更に知見を蓄積し、その知見を防食マニュアルに反映していきたいと考えてい
ます。

 また、後者については、4箇所の下水処理場における実態調査を実施した結果、生汚泥や濃
縮汚泥、最初沈殿池や重力濃縮槽のスカムなどの有機酸濃度が高く(別紙図2)、また、各所
での汚泥の滞留時間が長いほど、有機酸濃度が高くなる傾向が明らかとなりました(別紙図3)。
このことから、汚泥やスカムが長時間滞留する可能性がある施設や部位(重力濃縮槽、汚泥貯
留槽、スカムピットなど)については、防食被覆層の有機酸劣化への対応(耐有機酸型樹脂の
採用、汚泥腐敗防止など)を検討する必要性が示唆されます。これらの知見についても、今後、
防食マニュアルへ反映していきたいと思います。

 本稿でご紹介した有機酸劣化および炭酸によるコンクリートの劣化に関するこれまでの調査
研究成果は、以下の扉からご覧頂けますので、是非ご一読ください。

▼ 酢酸浸漬試験結果への扉
https://www.jswa.go.jp/g/g01/g4seika/pdf/r02_02boushoku.pdf
▼ 有機酸濃度等の実態調査結果への扉
https://www.jswa.go.jp/g/g01/g4seika/pdf/r03_04fushoku.pdf
▼ 有機酸劣化の実施設調査結果への扉
https://www.jswa.go.jp/g/g01/g4seika/pdf/3_yuukisan.pdf
▼ コンクリート炭酸劣化の現地調査結果への扉
https://www.jswa.go.jp/g/g01/g4seika/pdf/R02_05konkurito.pdf

▼ 別紙図・表 参照
https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/240-3.pdf

                             (技術戦略部長 橋本 敏一)
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【2】トピックス
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・「JS新技術セミナー」を開催します

たびたびのご案内になりますが、技術戦略部主催の「JS新技術セミナー」を開催します。
地方公共団体の皆様がお持ちの「ニーズや課題」に対しまして導入事例も含め、分かりやすく
ご紹介します。ぜひご参加いただければと思います!

【開催概要】
・日時:令和3年12月1日(水)13:30〜15:30
・開催方法:Zoomウェビナー
・定員:500名
・参加費:無料

【お申込み方法等の詳細】
▼ 申込方法:以下URLからご登録をお願いいたします。
https://jswa-go-jp.zoom.us/webinar/register/WN_H2tHzAKHS6eDJz1PrOKD_A
※ご登録されましたメールアドレスへZoomの接続先が送信されます。

▼ JS新技術セミナーパンフレット
https://www.jswa.go.jp/whatsnew/2021pdf/20211004.pdf
 
▼ ご紹介する技術は、ニーズに応える新技術(パンフレット)に掲載しております。
https://www.jswa.go.jp/g/g04/pdf/2021shingijutu.pdf

  ▼ お問合せ
ご不明な点等ございましたら、技術戦略部までメールでお問合せください。
gikai@jswa.go.jp

                                 (技術開発企画課)
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【3】下水道情報
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よく見かける下水道用語
「カーボンニュートラル・脱炭素」 

 2050年カーボンニュートラル宣言から早1年、今回は『カーボンニュートラル・脱炭素』
を取り上げます。“下水道用語”に限って使用されるものではありませんが、“今さら聞けない
時事ワード”として、ここ1年ほどの動きを振り返りたいと思います。下水道の貢献による
脱炭素社会の実現に向けて、カーボンニュートラル熱を高めていきましょう。
2020年10月26日、菅義偉前内閣総理大臣が、第203回臨時国会の所信表明演説において、
「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボン
ニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。この2050年カーボンニュー
トラル宣言を前提に・・・

▼ 続きはHPで↓
https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/240-1.pdf

(資源エネルギー技術課)
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【4】下水道よもやま話
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「今日は何の日?」

今号のメルマガ(技術開発情報メール)は、10月26日に配信予定と聞いています。配信日
が変更となった場合はご容赦いただきたいのですが、同日は「原子力の日」、「柿の日」、「青汁
の日」・・だそうです。これらの日の由来を調べてみますと、以下のとおりとのことです。
【原子力の日】
1956年10月26日に日本が国際原子力機関 (IAEA) に加盟したこと・・・

▼ 続きはHPで↓
https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/y/pdf2/y219.pdf

                   (技術戦略部 調査役(土木・建築) 黒田 充)
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【5】国際戦略室からのお知らせ
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「Water and Environment Solution Hub」

 Water and Environment Solution Hub(水・環境ソリューションハブ/以下「WES Hub」)
という言葉をご存じでしょうか?
このWES Hubの成り立ちは、2008年まで遡ります。
2008年6月のシンガポール国際水週間にて、アジア・太平洋地域のサニテーション問題に
取組むナレッジハブが立ち上げられました。このナレッジハブは、サニテーションの知識を
取りまとめる機関を指しており、一国一機関となっています・・・

▼ 続きはHPで↓
https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/240-2.pdf

                                   (国際戦略室)
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【6】編集後記
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皆さん、胃カメラは「口派」ですか?「鼻派」ですか?何を言っているかというと、胃カメラ
(上部消化管内視鏡)で胃の検査をする際、カメラの管を口から入れるか、鼻から入れるかと
いうことです。私は元々胃の調子が悪いほうで、年に1回か2回は胃カメラで検査をしている
のですが、断然「鼻派」でした。もともと口から入れるのもあまり苦にしていなかったのです
が、鼻からだとスムーズに入るし、ゆっくり口呼吸ができ、口で検査中の医師と喋れます。
そして、いわゆる口から入れるときの「オエッーー!!」の心配がないからです。しかし最近
受けた検査で、これも一長一短だなーと。先日の人間ドックでは「鼻」で検査を受けたのです
が、検査は案の定スムーズに終わりました。っで、丁度お昼だったので、「おしゃれにランチ
でも!」と気取って、ちょっと素敵なお店に行きました。おいしそうなパスタを頼み、運ばれ
てきていざ食べようとすると、あれ?鼻元が変だな?と触ってみるとちょっぴり鼻血が!つい
でに鼻水もズルズル出てきだしました。「えっ!?」とちょっとパニック。とめどなく流れ落
ちる鼻水を拭き拭きしながら、必死に食べ、味わう暇もなくこそこそと店を出ました…こんな
ことは初めて。今回は鼻腔に傷がついたのかな?「口派」だったらこんなことないのに…と。
先に苦しむか、後に苦しむか。どっちもどっちですね…。
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【読者の皆様にお願い】
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JS技術開発情報メール
発 行:JS技術戦略部 
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