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技術開発

JS技術開発情報メールNo.74

 

日本下水道事業団(JS)

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      2008・1・9

    JS技術開発情報メール No.74

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<新年のご挨拶>

<第55回技術評価委員会開催>

<第3回下水汚泥固形燃料化技術専門委員会開催>

<ハイデラバード通信>

◇幹部ログ

<温故知新>

◆いまさら訊けない下水道講座 31

<管きょ>

◇下水道よもやま話

<加齢>

◆読み飛ばし/聞き流し(部長コーナー)

<− 七福神 −>

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

       

☆ 新年のご挨拶★

 

        技術開発部長 河井竹彦

 

新年おめでとうございます。皆様には良いお年をお迎えのこととお慶び申し上げます。毎月ご愛読頂き、ありがとうございます。

 

今年は、JS新中期経営改善計画の3年目、JS技術開発基本計画の中間年に当たります。現在、7つの重点開発技術を中心に技術開発業務を進めていますが、この一年の達成目標を簡潔に整理させていただいて、新年のご挨拶とします。

 

まず、2件の技術評価が3月に答申すべく最終段階になっています。それは、「耐硫酸モルタル防食技術」と「下水汚泥固形燃料化技術」です。答申後は、設計基準等のマニュアルへ反映され、広く活用されることが期待されます。

 

合流改善の一手法である「雨天時活性汚泥法」は、平成19年度までに実施した地方受託の調査結果を集大成し、次の適用拡大技術の開発へのステップとし、さらに導入マニュアルの整備を予定しています。合流改善事業促進の一助になればと考えています。

 

膜分離活性汚泥法は、未普及地域解消のための「プレハブ式膜分離活性汚泥法」の実用化、「大規模処理場への適用技術」の確立を目指しており、極小規模から大規模処理場まで適用範囲が拡大することが期待されています。並行して、「活性汚泥モデルの実務利用マニュアル」などを作成し、モデルの普及拡大を図る計画としています。

 

エネルギー自立型の処理場を究極の目的に「汚泥エネルギーの有効利用調査」を行っていますが、要素技術として、汚泥の嫌気性消化の効率化、消化ガス利用技術の開発などを行っています。4月以降は、最適化システムの検討も始める予定です。

 

今年も昨年同様引続き技術開発部をよろしくお願いいたします。

 

 

     ――――――――――

     

 

☆ 第55回技術評価委員会開催 ★

 

12月27日(木)、第55回技術評価委員会(会長:松尾友矩東洋大学学長)が本社6階大会議室で開催されました。

 

今回の委員会では、平成20年度開始の公募型共同研究のテーマ選定(3テーマが了承)、実施中の開発技術の中間評価(2課題)などを審議いただき、各議題に対し、有意義な助言、提言を多数いただきました。共同研究のテーマについては、近日中に記者発表を行う予定となっています。

 

 

     ――――――――――

     

 

☆ 第3回下水汚泥固形燃料化技術専門委員会開催 ★

 

12月4日(火)、第3回下水汚泥固形燃料化技術専門委員会(委員長:大迫健一千葉工業大学教授)が開催されました。

 

委員会報告書は既成し、さらに精度の高いものにすべく改善や修正箇所等について審議されました。

 

なお、今回が最終委員会の予定でしたが、発熱特性に関する試験マニュアルの作成のため発熱特性試験等を実施中であり、その試験結果を盛り込んだ委員会報告書について、3月初旬に予定されてる第4回委員会(最終回)で審議されることとなりました。

 

 

     ――――――――――

     

     

☆ ハイデラバード通信 ★

 

           JICA専門家 荒井俊博

 

今回、JICAの専門家として、南インドのハイデラバードに来ています。南インドというと、赤道直下とか、南半球かと思われる方も多いようですが、ここハイデラバードは、北緯17度付近、バンコクより北、香港より南に位置しています。

 

真夏(5-7月)には、太陽が頭を超えて北側に移るわけですが、現在は日本と同じ南側、やや天頂から離れたところを通過していきます。ただ、太陽が地平線にほぼ垂直に沈んでいくため、日本では日没後1時間くらいはまだ明るいのですが、30分もすれば真っ暗になります。

 

人口10億を抱えるインド、そのなかでハイデラバード大都市圏は人口約700万人をかかえるインド第5の都市です。近年のインド経済の好調さをけん引するIT都市として発展を遂げており、New RichがSubway, MacDonaldなど日本並みの物価のカフェ、レストランで余暇を楽しんでいます。市の中心部では、16世紀に灌漑用貯水池として建設された、直径約2kmの人造湖フセインサガール湖があり、ウォーターフロントには公園、モダンなカフェが点在し、市民憩いの場として使われています。

 

このフセインサガール湖ですが、近代化、人口の急増に伴い、流入河川(NARAと呼んでいる)の汚濁が進行、同湖の汚濁、富栄養化が進行しています。特に、雨季、乾季が明確な同市では、乾季に河川を流れる水は汚水のみ。時として、真っ黒な汚水が同湖に流入します(写真)。同湖を管轄する州の機関HUDA(ハイデラバード都市開発公社)では、流入河川の下水処理場への導水、高度処理化、ムシ川へのバイパス放流などに取り組んでおり、日本もインドでの湖沼環境改善のシンボル的存在とすべく、JICA(国際協力機構)がHUDA職員への技術支援、JBIC(国際投資銀行)が、下水処理場の建設や既存処理場の高度処理化への融資を行い、ソフト、ハードの両面から、このフセインサガール湖の水環境回復の協力を行っています。

 

日本ではすべての家が下水道に接続するか、浄化槽で処理後に川等に放流する皆下水道が基本ですが、現在のハイデラバード大都市圏の下水道計画は、日本の観点とは少し異なっています。各家庭からの下水の放流先となっている河川を、湖沼・貯水池に流入する直前でせき止め、晴天時汚水量だけを処理場へ導水して処理し湖沼等へ還流、他は下流域へバイパス放流するものです。フセインサガール湖も同様、まずは市民の憩いの場であるフセインサガール湖の水環境改善に主眼が置かれています。流入4河川の晴天時流量(乾季はほとんどが汚水)を、同湖流入直前でせき止め、汚水相当水量を下水処理場へ導水し処理、その後、高度処理水を同湖へ還流する計画です。フセインサガール湖に必要な維持用水は50,000m3/日と計画され、30,000m3/日の高度処理対応処理場の新設と、既存の20,000m3/日処理場の高度処理化を行い、50,000m3/日を同湖へ還流し、その他は同市を横断するムシ川にバイパス放流する計画です(ムシ川は、クリシュナ川を経て、約300km西のベンガル湾へつながっています)。50,000m3/日を超える河川水はというと、雨天時の雨水分も含めて、そのまま下流河川のムシ川へバイパス放流します。

 

日本の感覚で言うと、「本当に良いの?」と聞きたくなりますが、事業費を考えると、河川環境の改善はさせおき、当面は現実的な選択となっています。

 

新規30,000m3/日平均能力の処理場の建設は、年度内にも着工の予定です。

 

※写真はPDFファイルで添付されています。

 

 

 

━━☆★ 幹部ログ 14 ★☆━━

 

<温故知新>

 

F:新春恒例の幹部ログです。お題は「温故知新」ということで、経験豊富な技術開発部幹部の皆様にお集まりいただきました。よろしくお願いします。

 

Y:古くて新しいテーマに、下水道施設のPRがありますね。特に住民の皆様に下水道を理解していただくための工夫です。例えば、清掃工場の例ですが、見学者通路を設けて、ガラス越しに焼却炉が見えるようにするなど、PRに力を入れているものがあります。

 

S:アメリカの公共施設でもビジターセンターを設けて、PRしているものがありますね。

 

M:池袋に清掃工場がありますが、温水プールを併設したりして、結構地元の人には人気があるようです。下水道処理場も、ぜひ近くに来て欲しい、と言われるようになりたいものです。

 

F:下水処理場でも、様々な工夫をしていますね。水処理施設上部に運動施設を作ったり、お茶会を開いている処理場、地元の人がジョギングをしに来る処理場もあります。

 

M:場内が通勤路になっている処理場もありますよ。

 

H:においはどうなんでしょう。処理場によっては時折においを感じますが。

 

S:においはあります。

 

T:今は覆蓋をする処理場が多くなって、臭気対策はされていますね。ただ、水面が見えなくなって、維持管理は大変になりましたが。

 

M:水処理系のにおいよりは、汚泥処理系のにおいが問題と思います。ただ、臭気対策は費用がかかるので、なかなか大変です。

 

K:費用の話は重要だね。あのローマ街道も、維持管理に莫大な費用がかかったけれど、金持ちがすべて負担したと聞いています。現代は、金持ち負担という訳には行かないので、皆でお金を出し合っているから、説明が重要だね。

 

S:施設が立派でも草ぼうぼうでは見栄えが悪いし、メンテが重要ですね。

 

M:処理場にビオトープを作るところもありますね。かわせみが来たという話を聞いたことがあります。様々な鳥が来るそうですよ。

 

F:鴨も来るんでしょうか。

 

M:葱を植えておく手もありますね。本来ビオトープは自然にしておくものなので、蚊も飛び交うし、蛇も出るし・・・。

 

H:私は自然は好きですが、虫は嫌いです。

 

M:人工的な自然も、不自然ですね。

 

Y:突然ですが、話題を変えます。今リサイクルがブームですが、汚泥のリサイクルをもっと進める必要を感じています。国内での再利用も必要ですが、下水汚泥は有機物が豊富なので、何とか輸出する方法はないでしょうか。炭化物を作って輸出するとか。

 

S:廃棄物の輸出とみなされる可能性がありますね。バーゼル条約があるし・・・。

 

Y:砂漠の緑化に肥料として使えないでしょうか。

 

M:砂漠に緑が無いのは、栄養がないからではなくて、塩害のせいです。これは常識。

 

Y:失礼しました。

 

M:それにしても省エネは進めないとね。テレビも1日中放送しているけど、私が子供のころは昼間は番組がなかったけどね。水処理もかつては連続曝気が当たり前だったけど、今では間歇曝気や嫌気・好気法など、曝気しないのが当たり前になってきたしね。

 

S:計画的な停電はどうでしょうか。床屋が月曜日に休みなのは、かつて月曜日が停電の日だったからと聞いています。

 

Y:地球温暖化と少子化を一挙に解決する方策として、月に2回の計画停電を提案します。

 

F:話がまとまらなくなったところで、お開きとさせていただきます。今年も技術開発部をよろしくお願いします。

 

 

         (編集:技術開発課長 藤本裕之)

 

 

 

 

━━☆★ いまさら訊けない下水道講座 31 ★☆━━

 

<管きょ>

 

※ PDFファイルで全文が添付されています。

 

下水道の管きょには様々な材料が用いられています。これまでに布設された管きょの総延長は平成16年度までに38万4千kmに達しており、主には塩化ビニル管、鉄筋コンクリート管(ヒューム管、推進管)が使われています。

 

平成2年度における管きょの布設延長は全体で12,766.5km、そのうち塩化ビニル管は6,823.6km、鉄筋コンクリート管はヒューム管で3,032.4km、推進管で988.7kmでした。

 

これが平成16年度になると、布設延長11,668.8kmで塩化ビニル管は9,776.1km、ヒューム管で207km、推進管で759.8kmとなっています。特徴としては、塩化ビニル管の比率が50%強から80%強に増加し、逆に鉄筋コンクリート管は31%から8%にまで減少しています。特に開削工法におけるヒューム管の使用が激減しています。これは下水道の普及が小規模施設にシフトしてきたために、口径が200mm以下の管布設工事が87%を占め、塩化ビニル管の使用が増加したためです。

 

一方で、過去に布設された管きょにおいて様々な問題が発生しています。特に管路の老朽化、鉄筋コンクリート管の硫酸腐食による管の破損によって、道路が陥没するという事例が報告されています。平成18年度には4,400箇所で陥没事故が発生しており、これをうけ国土交通省では、「下水管路の損傷状況に関する点検等調査」を実施、重要かつ緊急性のある箇所については早期の対応が求められています。

 

なお技術開発部では管きょの診断技術として、コンクリート管の劣化予測モデルを開発しており、今後の展開について検討を行っているところです。

 

【引用文献】平成18年度 日本の下水道 など

 

          (技術開発課 持田雅司)

 

 

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

<加齢>

 

毎年人間ドックを受けています。3年前の人間ドックの際に、医者から「これはカレーによるものですから、気にしなくていいですよ」と言われました。カレー???その当時は単身赴任中だったので、確かにカレーを作ることは多かったのですが、なぜカレーが問題なのか?しばしの葛藤の後、思い当たったのが「加齢」でした。

 

若いつもりでも、年々年をとり、体も老朽化していきます。私たちの「下水道施設」についても同じことで、建設当初はきちんと機能していた施設も、加齢により機能劣化が見られるようになります。

 

私達が人間ドックを受診するように、下水道施設も定期検査が必要です。定期的に点検を行い、健全度を判断し、健全度予測に基づき補修を計画し、さらには実施予算を検討する、状況によっては再構築を検討する・・・、これが「アセットマネジメント」です。人間ドックを受診し、悪いところがあれば治療方針を決め、手術も検討し、その際は入院費を見積もる、場合によっては人生設計も再検討・・・、アセットマネジメントとよく似ていますね。

 

アセットメネジメントとともに、下水道経営を支えるツールとして企業会計があります。人間ドックでは、検査結果が出てきますが、これは貸借対照表にたとえられます。資産はどうなっているか、負債はどうか、などですね。ドックの結果では、体重(資産?)は何キロ、体脂肪(これは負債)はどうか、というところです。まずは、資産台帳の整備を始めましょう。

 

また、1年間の変化を示すものが、損益計算書になります。体重、血圧などの経年変化を知ることは大切ですよね。

 

このような基本的な数字を押さえた上でアセットマネジメントを導入し、いつまでも若々しい下水道施設を維持していきましょう。

 

           (技術開発課長 藤本裕之)

 

 

 

 

 

━━☆★ 読み飛ばし/聞き流し(部長コーナー) 9 ★☆━━

 

― 七福神 ―

 

新年おめでとうございます。今年もJS技術開発部メルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。新たな気持ちで取り組んで行きたいと思います。

 

七福神との出合いは、平成14年のお正月に初めて与野七福神めぐりをしたのが始まりです。たまたま何かのチラシを見て、正月2日に家族五人昼前に出かけ、途中軽い昼食をとりながらの3時間ほどのウォーキングでした。七福神の絵柄の色紙を買って、尋ねる寺社ごとに御朱印を頂く、一種のスタンプリレーのような趣でした。これ以来、七福神めぐりは、我家の恒例行事となっています。

 

七福神めぐりのガイドブックも多く、それを参考に都内の日本橋七福神、谷中七福神、亀戸七福神や川越七福神めぐりもしました。色紙の図案もそれぞれ個性があり、天候もいろいろで、年初めのいい思い出となっています。

 

七福神は、いろいろな福を表す神々を信仰の対象とするものですが、恵比寿さん以外は、インドや中国などから渡来した神様のようです。海外の文物を取り入れて生活を豊かにしてきた日本人の知恵かもしれません。

 

下水処理技術の主流である活性汚泥法が英国で発明されて一世紀近くなります。発明直後にわが国へも紹介され、実用化され、その後独自の改良も加えられ新しい技術が育っています。今年も実り多い新技術をJS技術開発部から送り出せたらいいなと思いながら、恒例の七福神めぐりをしてきました。

 

                     (河井竹彦)

 

 

 

 

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