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技術開発

JS技術開発情報メールNo.76

 

日本下水道事業団(JS)

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      2008・3・5

    JS技術開発情報メール No.76

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<サウジアラビア研修生真岡実験センター見学>

◇部ログ

<N2Oと温室効果ガス排出量>

◆いまさら訊けない下水道講座 33

<ひび割れ誘発目地って?>

◇下水道よもやま話

<官と民との温度差>

◆読み飛ばし/聞き流し(部長コーナー)

<− クローン −>

 

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

       

☆ サウジアラビア研修生真岡実験センター見学★

 

※ PDFファイルで見学風景が添付されています。

 

1月29日(火)午後、JICAのサウジアラビア研修生12名が、栃木県真岡市のJS技術開発実験センターを見学しました。到着後、村上先端研究役による概要説明の後で、実験施設を見学しました。

 

見学したのは、膜分離活性汚泥法、アナモックス法、物理化学的リン除去回収法、OD法自動制御技術、低曝気型余剰汚泥抑制型活性汚泥法の実験プラントです。

 

当日は、小雨も降る寒い日で、見学にはあいにくの天気でしたが、一行は予定時間を越えて、大変熱心に見学していました。また、休憩時間中には、会議室で、西の方角(メッカの方向)を向き、持参の敷物を敷いて皆でお祈りをする光景が見られ、イスラム教の戒律の厳しさを改めて感じました。

 

サウジアラビアには、以前、欧米の大手コンサルタントによって設計・建設された処理施設(カローセルタイプの活性汚泥法+汚泥天日乾燥)が多いようですが、近年の人口増加に伴う流入負荷増大に対応できず、処理に苦労している施設も多いようです。また、汚泥処理や臭気対策、流入水の油分対策等が課題のようです。

 

また、処理水は全量を灌漑に再利用するとの方針だそうで、膜分離活性汚泥法にも関心が高いようでした。

 

 

 

━━☆★ 部ログ 16 ★☆━━

 

< N2Oと温室効果ガス排出量 >

 

編集委員:今日はN2O(亜酸化窒素)と温室効果ガス排出量の関係について茨木誠研究員に教えていただきます。

 

一同:よろしくお願いします。

 

茨木:現在地球温暖化対策として温室効果ガス排出量の削減が求められております。N2Oは温室効果が高く、CO2の約310倍の温室効果があると言われております。みなさん、ご存知でしたか?

 

編集委員:(何勝ち誇ってんのこの人・・・。)

 

茨木:これが下水処理の過程で多量に排出されるというのが今問題になっています。下水中には多くの窒素分が含まれており、例えば下水汚泥を燃焼させることによって酸化が起こり、N2Oが発生します。このほか、大気汚染防止法で規制されているNOやNO2などを含めて窒素酸化物といいます。NO、NO2とN2Oの発生メカニズムの違いは分かりますか。

 

編集委員:えっ、どう違うの?

 

茨木:端的に言うと燃焼温度による違いです。燃焼温度が低ければN2Oが、燃焼温度が高ければ、NO、NO2の発生量が増加します。

 

編集委員:焼却炉の燃焼温度が850℃程度で運転されているのも、ダイオキシン類、N2O発生量の抑制を図るためですよね。

 

茨木:その通りです。

 

編集委員:(やっぱり勝ち誇ってるわ、この人・・・。)

 

茨木:今後焼却施設からのN2O発生量抑制対策を図るためには、大気汚染防止法で規制されているNO、NO2濃度規制値を遵守でき、且つN2Oの発生量が抑制される焼却温度が望まれるかもしれません。N2O抑制対策としては燃焼温度を上げる以外に、酸素濃度を下げる、触媒によりN2に分解する等の方法があります。

 

編集委員:雷による放電により空気中の窒素が酸化され、N2Oが発生することもありますね。

 

一同:お〜!

 

編集委員:麻酔に使われる笑気ガスもN2Oだよね。

 

一同:お〜!!

 

編集委員:炭化の場合は焼却と比べてN2O発生量はどうなの?

 

編集委員:焼却の場合、汚泥中の窒素はすべて燃焼しNOxやN2Oなどになりますが、炭化の場合、汚泥中の大部分の窒素を炭化物に残しますので、酸化される窒素は少ないです。そのため、焼却と比べてN2O発生量は抑制されます。

 

編集委員:炭化物生成過程で発生するタール分を回収することはできるの?

 

茨木:タールは冷えると凝固するので回収しようと思えばできます。ただこの凝固したタールがシステムの閉塞の原因となることが炭化物製造における問題点の一つです。

 

編集委員:タール分は毛生え薬の成分にもなっていますよね。

 

編集委員:茨木さん、水田さん、そろそろご使用になられたほうが・・・。

 

(一同注目)

 

茨木、水田:是非今度試してみます!!

 

(注:危険ですので絶対にやめてください)

 

 

(編集:水田 健太郎)

 

 

 

 

━━☆★ いまさら訊けない下水道講座 33 ★☆━━

 

<ひび割れ誘発目地って?>

 

※ PDFファイルで図と全文が添付されています。

 

古くから、下水道事業の土木業界においては、「コンクリートはひび割れを起こさない」という考えの下、構造物の設計を行ってきましたが、近年「コンクリートはひび割れる」という考えに変わってきています。これは施工不良ではなく、あくまで、水和熱による温度収縮や乾燥収縮などにより、コンクリートが縮む事による引っ張り力に起因するものとして考えるものです。

 

では、その対処法は?となると大きく分けて、鉄筋量(特に配力筋方向)を増やし、鉄筋とコンクリートの付着強度を上げることで、収縮ひび割れを起こし難くする方法、コンクリートに混和材を混ぜた、低発熱コンクリートや膨張コンクリートなどを用いコンクリート自体にひび割れ耐性を持たすことで収縮ひび割れを起こし難くする方法、ひび割れ誘発目地という目地を設置し、誘発目地を設置した場所に集中的にひび割れを発生させる方法などがあります。

 

今回は、この内、ひび割れ誘発目地について、触りだけご紹介したいと思います。

 

ひび割れ誘発目地とは、簡単に言うと、「断面を一部欠損させ、その部分にひび割れを集中して発生させるための手法」です。(図参照)ようは、かぶり部分を一部削ったり、鉄筋コンクリート中に誘発用の材料を設置し、見かけ的な断面欠損を発生させます。もちろん止水対策等をした上で、構造的な弱点とならない様な配慮が必要となりますが・・・。

 

一般的に収縮作用は、版に対し四方から発生しますが、主筋方向は鉄筋量が多い分、鉄筋コンクリート断面の付着強度による収縮抵抗が大きくなります。したがって、誘発目地は配力筋に対して縮む方向(主筋と平行)に配置をすることとなります。

 

ここで最も注意しないといけないことは、かぶりや断面の一部を削るといっても、主筋直上部など、構造計算上、所定かぶりやコンクリート断面を欠いてしまうと構造条件を満たさなくなる場所には誘発目地を設置しないことです。そのため、二方向版の構造計画で造られた版には基本的に配置し難い物となります。(二方向版においては、配力筋方向の鉄筋も主筋としての構造計算をされており、その部分での所定構造を満たせなくなるため)

 

現在は、二方向版の構造物にも対応出来る誘発目地材料の検討を行っている企業もあるようですので、こういった材料や技術がより一層確立され、漏水の少ないより良い施設造りが可能となるといいですね。

 

(技術開発課 堀 泰匡)

 

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

< 官と民の温度差 >

 

固形燃料化グループでは、調査の一環として電力会社や燃料会社など民間企業の方と意見交換する機会が非常に多くなっています。

 

内容は固形燃料の受入れ意向や、受入れ条件などですが、ほとんどの企業訪問時に痛感することは事業に対する時間的温度差です。

 

事業実施を積極的に考えている企業の場合、最初に質問される内容は、「いつ事業が開始できるの?」「どれくらいの量を持ってきてくれるの?」という事です。

 

官側からの回答は概ね、「今から意向調査を実施し、認可変更をして、基本設計、詳細設計を行い、公募を行い、建設工事が完了するまで、おおよそ5年は掛かりますね…。」となります。

 

この時点で、「そんな先のことですか…」と、がっかりされるケースが多々あります。

 

固形燃料の受入れを検討している企業は、化石燃料の大量使用や、燃料高騰における事業性悪化、温室効果ガス発生の問題を抱えています。

 

事業における投資、投資回収期間は、官側がよく事業性検討に使う15年、20年といった時間とはかけ離れているようです。

 

こうした両者の温度差を縮めるためには、官側も新しい事業の発注形態など、既存のやり方にとらわれない新しい発想と努力が必要です。

 

さまざまな、実施体制の模索が始まっています。

 

 (総括主任研究員 山本 博英)

 

 

 

 

 

━━☆★ 読み飛ばし/聞き流し(部長コーナー)11 ★☆━━

 

― クローン ―

 

JS技術開発部メルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。三月、年度末の多忙な時期ですが、花粉症にも悩まされる季節です。皆様の職場はいかがでしょうか?

 

桜の季節はまだ少し先ですが、日本の桜の主流は、ソメイヨシノという品種だと言われています。江戸時代末に板橋は染井町で見出されたエドヒガンザクラとオオシマザクラの交配種とされています。このソメイヨシノを増やす方法は、接木もしくは挿木だそうで、一本の親木から生まれたクローン栽培の品種です。だから、日本全国同じ気候条件になれば、一斉に咲き出し、満開となり、散っていくそうです。

 

下水処理は、生物処理が主流ですが、わが国では、標準活性汚泥法、オキシデーションディッチ法が多く採用されています。百年ほど前に、汚泥を返送するというアイデアから生まれた処理法がベースになっています。街ごとの流入下水の質や量に適した運転方法が行われているようで、ソメイヨシノのようなクローンではないようです。街ごとに微妙に異なる生下水が発生し、処理され、新たな水循環へと返されています。

 

新技術の開発、実用化においても、適用される地域ごとのニーズの把握と具体化が重要です。ある地域に適合して実用化された技術は次に一般化という段階になりますが、現場を見て、話を聞いて、感じとることが非常に大切と感じています。

 

                 (河井竹彦)

 

 

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