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技術開発

JS技術開発情報メールNo.80

 

日本下水道事業団(JS)

◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      2008・7・4

    JS技術開発情報メール No.80

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<第45回下水道研究発表会発表内容概要>

<下水道展JSブースでお待ちしています>

<洞爺湖サミット記念 環境総合展2008>

<技術評価書発行>

<研修センターより>

◇部ログ

<なにが10倍?耐硫酸モルタル>

◆いまさら訊けない下水道講座 37

<メタン発酵と消化日数>

◇下水道よもやま話

<水処理技術“温故知新”>

◆部長コーナー

<「私も愛用、S社の水着」>

 

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

 

☆ 第45回下水道研究発表会発表内容概要 ★

 

関連サイト

http://gesuikyou.jp/kenpatu/

 

 

本年度も(社)日本下水道協会の主催で第45回下水道研究発表会が、7月22日(火)〜24日(木)にわたって横浜市の「パシフィコ横浜会議センター」で開催されます。

 

試験研究成果の普及の一環として、技術開発部からは8名が発表を行います。加えて、共同研究者との連名などの発表が14件あります。

 

発表の概要は以下のとおりです(共同研究者との連名発表はタイトルと発表者名のみ掲載)。

 

 

■7月22日(火)

 

〔T-4-5 耐硫酸モルタル防食工法の確立にむけて(U)   持田雅司〕

 

今回発表いたします内容は、平成17年12月から20年3月まで実施していた技術評価『耐硫酸モルタル防食技術』に関する内容です。前年の下水道研究発表会では、技術評価の途中経過を報告しました。平成20年4月に答申した内容を報告します。

 

発表では、耐硫酸モルタル材について、室内実験、実施設での試験施工から性能を確認したこと、及び耐硫酸モルタルを用いた基本的な設計の考え方や問題点を紹介します。

 

 

〔U-8-1-4 高負荷時OD法のエアレーション制御 湛 記先〕

 

〔U-8-1-5 OD法処理場における自動運転の実例 池畑将樹〕

 

 

■7月23日(水)

 

〔U-3-3‐9 処理水中に残留する難分解性有機物につい  葛西孝司〕

 

下水処理水に残留する有機物は、ほとんどが難分解性のため除去することが難しい物質です。放流水の汚濁負荷量の削減策として、オゾン処理および凝集剤添加の効果を検証しました。オゾンでは、全有機炭素(TOC)に変化が認められませんでしたが、CODでは低下しました。

 

一方、りん除去に使用される凝集剤では、有機物の除去効果がある程度認められました。その効果は、PAC(ポリ塩化アルミニウム)に比べて、ポリ鉄(ポリ硫酸第二鉄)の方が大きく、適正に使用することで一定の効果が見込めることがわかりました。

 

 

〔T-8-1 オゾンマイクロバブルを用いた下水再生装置実証機の運転性能評価     日高政隆〕

 

〔T-8- -2 オゾンマイクロバブルを用いた下水再生装置実証機の水処理性能評価   隅倉みさき〕

 

〔T-8-6 活性汚泥中無機物堆積に着目した減量化システム運転方法に関する考察     猪木博雅〕

 

オゾン減量化システムは、余剰汚泥が発生しないシステムとして全国10箇所程度で稼動しています。その稼動状況について実態調査を行い、減量効果、処理水、運転方法への影響等について取りまとめました。

 

特に、オゾン減量化システムの稼動により活性汚泥中に無機物が蓄積することを確認し、無機物の堆積速度、無機物の堆積を前提とした効果的なオゾン減量化システムの運用方法について取りまとめました。

 

 

〔T-8-7 オゾン添加による活性汚泥法の機能向上に関する検討(生下水を用いた実証試験)     湯浅 憲〕

 

 

〔U-5-5‐2 土壌脱臭法の実態調査における施工および維持管理の課題事例     遠山晃二〕

 

建設・維持管理費が安価である土壌脱臭装置について、稼動施設における実態調査を通して、土壌脱臭装置の特性、性能、不具合事例を検証した結果を報告します。

 

また、土壌脱臭法での適応が難しいと言われている、汚泥系臭気や寒冷地での運転状況や脱臭性能、さらには、運転・維持管理による、より安定した土壌脱臭法の運転の提案を行います。

 

 

〔T-5-1-6 石炭との混燃焼試験による下水汚泥低温炭化製品の燃料特性評価   秋田浩幸〕

 

〔U-6-5-3 下水道事業におけるノロウィルスの実態と対策技術(現 西日本設計センター)  岩崎 旬〕

 

強い感染力によって多くの食中毒患者を発生させるノロウイルスに関して、下水処理場での実態を調査し、除去技術について検討したので報告します。

 

冬季の流入下水及び放流水中のノロウイルスを測定した結果、測定した15処理場全ての流入下水からノロウイルスが検出され、活性汚泥法によって99.9%以上除去されていました。

 

また、流入下水中のノロウイルス濃度は24時間で大きく変動していました。放流水中のノロウイルスの除去には、オゾン消毒が効果的であることを確認しました。

 

 

〔U-6-5-4 広島市返流水処理技術調査について    賀藤寛文〕

〔U-6-5-5 高速りん吸着剤による下水二次処理水からの高純度りん回収      青木久尚〕

 

〔T-12-1 数値シミュレーションによる各種膜分離活性汚泥法フローの比較解析  糸川浩紀〕

 

我が国では、小規模下水処理場を対象とした膜分離活性汚泥法(MBR)の標準的な設計手法がJSにより整備されています。

 

今後、同技術を大規模処理場の再構築などへ適用するためには、既設の制約条件に柔軟に対応するための広範なシステム構成を検討しておく必要があります。

 

本発表では、生物学的窒素・りん除去方式とMBRとを組合わせた様々な処理フローについて活性汚泥モデルを用いた数値シミュレーションを実施し、流入水質や各種循環方式・流量などが処理機能へ与える影響を比較・解析した結果を報告します。

 

 

〔T-12-2 膜分離活性汚泥法の空気量削減システムに関する検討   関根康記〕

    

〔T-12-7 セラミック膜を用いた槽外型膜分離活性汚泥法の開発    甘道公一郎〕

 

 

■7月24日(木)

 

〔U-7-3-5 汚泥の熱可溶化技術を組み込んだ嫌気性消化におけるバイオガス増収と汚泥減量化   中沢俊明〕

 

〔U-6-1-4 汚泥の凝集性とフラクタル次元に関する一考察   竹内照晶〕

     

〔U-6-1-8 メンブレン式超微細気泡散気装置の開発   平川圭一郎〕

                    

〔U-6-6-2 アナモックス法による汚泥処理返流水からの窒素低減に関する検討     高木啓太〕

       

〔U-6-6-3 アナモックス反応を用いた汚泥消化脱窒素除去システムの実証    井坂和一〕

 

〔U-2-1-4 雨天時活性汚泥法のおけるステップ流入個所に関する検討   (現 東京都)岡本 順〕

 

雨天時活性汚泥法は、簡易処理放流を行っている流入水を、反応タンクにステップ流入させ、活性汚泥の初期吸着作用によって汚濁物を除去する合流改善技術です。

 

本報では、活性汚泥が流入汚濁物を吸着するために必要とする滞留時間の把握を目的として、活性汚泥混合液と最初沈殿池流出水を対象に、混合後の粒度分布の変化を観察しました。

 

その結果、最初沈殿池流出水に含まれる1〜3μm程度の比較的小さな粒子は、混合後速やかに吸着され、最大26分のばっ気時間で粒度分布の変化がなくなることが確認できました。

 

 

〔T-2-1 電力自給率概ね50%を達成した処理場の要因解析   水田健太郎〕

 

本研究では全国の下水処理場における単位処理水量当りの外部電力使用量の実態を調査し、中でも電力自給率約50%を達成している熊本北部浄化センターを対象にその維持管理方法及び下水汚泥エネルギーの有効利用の実態について検証しました。

 

その結果、電力使用量が最も多い送風機設備において曝気量を適正に管理することで電力使用量が削減され、更に消化ガス発電により受電電力量が削減されていることが確認されました。

 

 

〔T-2-2 下水道施設における省エネ診断解析の取組みについて (東日本設計センター)久保田仁〕

 

省エネ診断解析システムは、ポンプ場・下水道施設(標準法・0D法・その他水処理施設・汚泥処理専用工場)において使用される電力・燃料を、原油換算量、CO2排出量ベースでのエネルギー消費原単位を求め、全国平均値と比較し乖離度を求め、当該施設における省エネの取り組みの必要性を評価するものです。

 

更にガイドラインメニューによって省エネ手法を整理し、これを表示する機能を有します。発表会ではこれらの開発背景を紹介いたします。

 

 

 

 

 

☆ 下水道展JSブースでお待ちしています ★

 

7月22日〜25日の4日間にわたりパシフィコ横浜で開催される恒例の「下水道展」にJSブースが設置されます。

 

展示パネルは、アセットマネジメント、膜分離活性汚泥法、バイオマス固形燃料化、バイオガス発電、といずれも今後の導入が期待されるものです。展示物としては「膜分離活性汚泥法」の動く模型、下水汚泥炭化燃料、下水から回収した「りん」などがあります。技術開発職員も常駐しています。是非、JSブースにお越し下さい。

 

 

 

 

 

☆ 爺湖サミット記念 環境総合展2008 ★

 

6月19日(木)から21日(土)の3日間、7月開催されるG8洞爺湖サミットを記念した「環境総合展2008」が札幌ドームで行われました。

 

オープニングでは、高橋はるみ北海道知事の挨拶を始め、地元選出の国会議員などの挨拶があり、華々しくも、エコに十分配慮した展示会が開催されました。

 

出展会場は、大きくA:バイオマス&新エネルギー・省エネルギー・ゾーン、B:廃棄物処理・リサイクル、C:環境技術・コンサルティング、D:環境啓発・エコライフ・ゾーン、E:エントランスエリアに別れ、展示のほか、屋外では、ヴェロタクシー、セグウェ−、エコカーの試乗会が行なわれました。ホームベース付近には、北極圏の象徴である流氷が展示されるなど、北海道らしさが演出され、野球場の1塁、3塁スタンドをステージと化した特設ステージでは、大学や企業が主催者となり、さまざまな講演や、トークショーが常時行われました。パイロットが上空から見た地球温暖化の講義では、北方圏に現れ始めた地球環境の異常は、切実なものがあり、目視できる範囲で、すぐそばまで迫っている状況が伝えられました。

 

これまでの環境展と異なり、セヴン&アイ、イオン、コカコーラ、航空会社などの一般企業の環境啓蒙活動への取り組みを紹介した展示・アトラクションが多く目立ち、地元企業、市民グループなど出展も多く、地元酪農大学・高専等による非常に幅の広い分野の団体が参加した展示会が行われました。

 

下水道、水環境を全面に出した展示は、国土交通省下水道部、JS、散気装置メーカー等意外に少なく、多額の宣伝費、コンパニオンを投入した一般企業と対照的に、展示スペースは小さいものの、ひときわ存在感があったように思われます。中でも、「固形燃料化事業」「最新のリン回収技術」「再生水利用技術」などの一般市民への紹介では、「こんなことが行われているのですね〜!!」などど、驚きの声が寄せられ、昔の水洗化される前の時代を知る年配者からは、「下水道は、本当にありがたいね」と声をかけられました。業界の展示会も大切ですが、一般市民を対象としたPRの大切さを感じました。

 

日本の下水道は、まだまだエネルギーを消費しており、エネルギー自立化の視点から真剣に施策を講じる必要のある時代にあるようです。

 

             (技術開発課 田中松生)

 

 

 

 

☆ 技術評価書発行 ★

 

JS技術開発部では以下の技術評価書とマニュアルを発行いたしました。

 

・ 耐硫酸モルタル防食技術の技術評価に関する報告書

 

・ 下水汚泥固形燃料化システムの技術評価に関する報告書

 

・ 下水汚泥固形燃料発熱特性評価試験マニュアル

 

関連サイト

 

 技術評価:

  http://www.jswa.go.jp/gikai5/gihyou_.htm

 

 刊行物:

  http://www.jswa.go.jp/gikai5/kankoubutu.htm

 

 

日本下水道事業団への補助金交付団体の皆様へは、7月中旬に、無償配布いたします。

 

購入ご希望の方は、下記、販売元へお問合せください。

 

(財)下水道業務管理センター 東京本部

TEL:03-5842-3313

http://www.sbmc.or.jp/

 

 

 

 

☆ 研修センターより ★

 

「都市における水辺環境の形成」研修のおしらせ

 

全国的に、都市化によって失われた「水辺」の復元・創出への期待が高まっています。国の社会資本整備審議会答申「新しい時代における下水道のあり方について(平成19年6月)」においても「水辺再生を重点的に推進する」ことがあげられています。また、下水道政策研究委員会の提言などを受け、国土交通省下水道部、河川局の共同で「都市水路整備ガイドブック」の公表が予定されています。

 

日本下水道事業団研修センタ−では、平成20年9月16日から9月19日の4日間、「都市における水辺環境の形成」と題した研修を行います。講師は、国土交通省下水道部流域下水道計画調整官、国土技術政策総合研究所、多自然川づくりの専門家、公共団体の水辺再生事例担当者ほかを予定しております。ぜひ、ご参加ください。

 

詳細は↓

http://www.jswa.go.jp/summary/08kenshu/tsuikaboshu/200916mizube.pdf

 

 

 

 

 

━━☆★ 部ログ  18 ★☆━━

 

<なにが10倍?耐硫酸モルタル>

 

編集委員:今月の部ログでは、再構築・マネジメントグループの主要な研究テーマの一つである10倍の耐硫酸モルタルについて取上げます。はじめに講師の持田雅司研究員から耐硫酸モルタルの開発の目的についてお願いします。

 

持田:これまで下水道施設に特有な硫酸によるコンクリート腐食の対策としては、コンクリート表面に有機系樹脂を塗布することなどにより硫酸の侵入を遮断する防食被覆工法が主に採用されています。

しかし、防食被覆工法は、施工環境や施工日数等に制約を受ける既存施設の改築更新では適用が困難な場合もあります。そこで、改築更新に適した防食技術として耐硫酸モルタルの開発を行っています。

 

編集委員:耐硫酸モルタルのどういうところが改築更新に適しているのですか?

 

持田:改築更新工事では湿潤環境での施工となる場合も想定されますが、そのような場合でも比較的施工性がよいことや、劣化したコンクリートを除去した後の断面修復工事と防食工事を一度に行うことができるため、工事期間を短縮することができることなどです。

 

編集委員:ところで一体なにが10倍なのですか?

 

持田:モルタルは硫酸と反応して消失してしまうわけですが、この消失するスピードが通常のモルタルと比較して10分の1以下、すなわち、10倍以上長く持たせることができるということです。

 

編集委員:10倍以上持つことはどうしてわかるのですか?

 

持田:耐硫酸モルタルと通常のモルタルで作製した試験体を硫酸溶液に浸漬して、試験体の表面から劣化・消失した深さを測定します。

 

編集委員: 10倍以上持つモルタルはどうやって作るの?

 

持田:コンクリートの硫酸腐食は、セメント中に含まれる水酸化カルシウムが硫酸と反応して、二水石こうという物質に変わってしまうためです。

そこで、耐硫酸モルタルでは、高炉スラグ等の他の成分を添加したり、従来のセメントとは全く異なる材料を用いたりして、水酸化カルシウムの量を減らす等により、その耐硫酸性を高めています。

 

編集委員:ところで3月に耐硫酸モルタル防食技術の技術評価が答申されましたね。これとは違うのですか?

 

持田:技術評価は10倍の前に開発した5倍の耐硫酸モルタルに関する知見に基づいています。

 

編集委員:つまり今回持田さんが開発されたモルタルはさらに長もちだということですね。

 

一同:・・・

 

編集委員:20倍、30倍は当たり前!!ということになれば良いですね。

 

一同:(安売りショップじゃないんだから・・・)

 

編集委員:話は尽きませんが、今月はこのあたりでお開きにしたいと思います。いつもより、10倍面白い話をどうも有難うございました。

 

(編集:橋本敏一)

 

     

     

     

 

━━☆★ いまさら訊けない下水道講座  37 ★☆━━

 

<メタン発酵と消化日数>

 

※ PDFファイルで全文が添付されています。

 

メタン醗酵(嫌気性消化)により得られるバイオガスは、地球温暖化対策の面からバイオエタノール、バイオディーゼル燃料と並んで化石燃料代替となるバイオ燃料の一つとして注目されています。とくに、メタン醗酵バイオガスは下水汚泥、生ごみ、家畜排泄物といった廃棄物系バイオマスを原料として利用でき、食糧原料と競合することがないため、最も優れたバイオ燃料と考えられています。

 

下水道の分野においてメタン醗酵は古くから用いられている技術ですが、その技術課題の一つに処理時間が長い(30日程度)ことが指摘されています。しかし、反応が遅いのではなく反応に携わるメタン生成菌の増殖が遅いため、通常の完全混合浮遊型消化槽ではその増殖速度に合わせた長い消化日数が必要になっています。何らかの方法でメタン生成菌を消化槽内に固定維持できれば、消化日数は大幅に短縮できます。その手段の一つに、担体充填法や消化汚泥返送法が考えられています。

 

また、生物学的分解作用の受けにくい余剰汚泥を処理の対象としていることも消化日数を長くしている原因の一つとなっています。余剰汚泥は主として微生物細胞からなっていますが、この細胞構造の25〜50%は生物学的に極めて分解の困難なたんぱく質、繊維質の高分子有機物から成っています。また、この余剰汚泥は分解が進めば進むほど消化汚泥中のアンモニアやりん、難分解性有機分(COD)が増加し、返流水負荷増、メタン発酵阻害、MAPトラブルといった問題の発生につながります。問題の多い余剰汚泥を処理対象から除き初沈汚泥のみをメタン発酵する場合でも、メタンガスは従来の7〜8割を回収することができます。

 

技術開発部では担体充填式高速メタン発酵法の実用化に向けて民間企業との共同研究を進めていますが、初沈汚泥のみを対象としたパイロット試験の結果では、消化日数わずか5日程度で良好なバイオガスの回収が可能という結果が得られています。

 

より多くの処理場でメタン発酵システムの導入が行われ、下水汚泥がバイオガス燃料資源として有効利用されることを期待しています。

            (技術開発部 島田正夫)

 

 

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

< 水処理技術“温故知新”>

 

建設省総合技術開発プロジェクト「バイオフォーカスWT」(昭和60年から平成元年まで)と聞いて、「何、それ?」と思う下水道関係者も多いと思います。

 

そのプロジェクトでは、従来の延長線上にある技術開発のみでは抜本的解決を図ることが困難な「下水処理施設の省資源・省エネルギー化」、「汚泥や下水処理水の有効利用」等の社会的要請に対処するため、建設省土木研究所と日本下水道事業団が民間企業との共同研究により、新技術の研究・開発に取り組みました。幅広く普及した技術として包括固定化担体を添加した硝化促進型循環変法「ペガサス」がありますが、下水の嫌気性処理など多くの開発技術は、普及には至っていません。

 

バイオフォーカスWTとは関係ありませんが、正当な検証を経ずに、“表舞台から去った”水処理技術に、 酸素活性汚泥法、回転生物接触法、接触酸化法などがあります。

 

地球温暖化問題、原油価格の高騰、リンを含む資源の枯渇など、下水道を取り巻く状況は、大きく変化しています。また、活性汚泥モデルや分子生物学的手法であるFISH法など、下水の生物処理を細菌レベルで評価できる手段も実用化され、新たな体系化のもとでの技術の検証や開発が可能です。

 

“温故知新”(過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見識をひらくこと。大辞泉)の精神で、過去に開発・実用化した技術を以下の視点で、コスト(LCC)も含めて再検証することも重要な技術開発です。

 

@ 適正な設計基準だったか

 

A 適正な運転管理だったか

 

B 適切なシステム構成だったか

 

C 地域性に十分配慮した計画、設計、運転管理だったか

 

D 省エネ、資源回収を目指して新たな改良が可能か

 

技術開発部では、既存技術の検証を踏まえて、アナモックス菌(嫌気性アンモニア酸化)を用いた窒素除去システム、嫌気性の自己造粒微生物を利用した下水処理技術、吸着材を用いた処理水からのリン除去・回収技術など、地球温暖化対策(省エネ)、資源回収という新たな社会的要請への解決策となる最先端の水処理技術の開発に取り組んでいます。

 

(先端研究役 中沢均)

 

 

 

 

━━☆★ 部長コーナー ★☆━━

 

< 「私も愛用、S社の水着」 >

 

北京五輪が近づいてきましたが、五輪関係の最大の話題は何と言っても競泳用水着でしょう。英国S社が新開発した水着を着用した選手が次々と記録を塗り替え、平泳ぎの北島選手に至っては、世界新記録を1秒近くも更新したというのは驚きです。

 

私も月2回程度、近くの温水プールで泳いでいますが、先日、何気なく自分の水着を見てみると、何と、話題のS社のロゴマークが付いているではありませんか。

 

この水着は、1年前にシンガポールに出張した際、ホテル近くのスポーツ用品店で安売りをしていたのをシンガポール土産にと買って来たもので、せいぜい千円程度だったと記憶しています。(なお、後で見るとマレーシア製でした。)

 

もちろん、競泳選手が着るような全身を覆うタイプではなく、ごく普通のいわゆる「水泳パンツ」型です。これまでは、どのメーカー製なのかも全く気にしていませんでしたが、しばらくは「実は、私もS社の水着を愛用しているんですよ。」と自慢できそうです。

 

これまでも、サメ肌水着等、表面抵抗の少ない素材を使った水着はありましたが、水着によってここまで記録に差が出るとは誰も予想しなかったと思います。S社の新型水着は体を締め付けるのがポイントということで、多分、浮力や表面抵抗にも色々な工夫はされているのでしょうが、基本的には「水の抵抗を減らすには、水の流れに対して出来るだけ断面積を小さくする。」という小学生でもわかる原理に基づいているわけです。

 

水着に限らず、水関連技術でも欧米の新技術は、基本原理を展開拡張していった結果、生まれたものが多いような気がします。時々、基本原理・基本式に立ちかえって、始めから考えてみるということも技術開発では大事だなと思いながら、水着騒動のニュースを見ています。

 

          (技術開発部部長 村上孝雄)

 

 

 

 

 

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