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技術開発

JS技術開発情報メールNo.81

 

日本下水道事業団(JS)

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      2008・8・6

    JS技術開発情報メール No.81

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<インド便りV>

<サウジアラビアJICA調査団参加報告>

<下水道展JSブース報告>

<日本下水道協会誌論文審査委員会より奨励賞を受賞>

<JS技術開発成果 特別講演会のおしらせ>

◇いまさら訊けない下水道講座 38

<オゾンの利用>

◆下水道よもやま話

<匂い ?いや 臭い?>

◇部長コーナー

<ビールの季節となりました>

 

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

 

☆ インド便りV ★

 

※写真はPDFファイルで添付されています。

 

ナマステ−(こんにちは)。JICA専門家(下水道運営維持管理)として、インドに派遣されている若林です。

 

早いもので、私がインドに赴任して1年が経ちました。そこで今回は、私がインドで実施しているプロジェクト(プロジェクト名:The Project for Capacity Building of Sewerage Works in India)の2007年度における活動状況とデリー市内にある世界遺産(クトゥブミナール)について述べたいと思います。

 

1. プロジェクトの2007年度活動状況

 

本プロジェクトは、インドの国家河川保全計画(以下、NRCP)の財政支援の下に建設された下水道施設の運営維持管理能力(中央政府及び州政府等)を強化することを目的としています。

 

プロジェクト開始時にはインド側と協議を重ね、1.人材育成計画の作成、2.パイロットトレーニングにおける知見を活かした人材育成計画の最終案の提案、3.人材育成計画以外に運営維持管理能力を強化するために必要な施策の提言を成果(Output)とすることで合意しました。

 

プロジェクトの1年目となる2007年度の活動は、(1)人材育成計画の作成、(2)ワークショップの開催、(3)研修の実施(日本及びインド国内)を計画していました。各活動の結果について以下に示します。

 

 

(1) 人材育成計画の作成

 

人材育成計画を作成するに当たり、現状調査を実施しました。これは、NRCPの下で建設された下水処理場の維持管理状況をアンケート調査や現地調査等により把握するものです。当初は、2007年度中に人材育成計画をまとめる予定でしたが、アンケート調査の回答が思うように集まっていないため、まだこの活動は継続中です。

 

 

(2) ワークショップの開催

 

プロジェクトの概要説明や下水処理場の維持管理方法の情報交換等を目的として、NRCPの対象州から代表を集め、ワークショップを2008年2月に開催しました。NRCP対象州17州より、約40名の参加者が集まりました。

 

 

(3) 研修の実施(日本及びインド国内)

 

NRCP傘下の州を対象として、下水道の担当者をシニア(場長等)、ミドル(中堅)、ジュニア(運転員等)の3クラスにわけ、運営維持管理に関するトレーニングを実施しました(写真1)。

 

シニアクラスは、人材育成の必要性の喚起、ミドルクラスは維持管理計画の重要性の認識強化、ジュニアクラスは基本的な下水処理技術の習得を主な目的とし、シニアクラスは日本、ミドル及びジュニアクラスはインド国内(チェンナイ)で実施しました。

 

2008年度は、2007年度の活動と重なる活動もありますが、前年度の経験を踏まえ、より内容を充実させていきたいと考えています。

 

 

2.デリー市内の世界遺産(クトゥブ・ミナール)

 

家族が遊びに来た折に、デリー市内の世界遺産であるクトゥブ・ミナールを訪ねたので紹介します。クトゥブ・ミナールは、1993年に文化遺産として世界遺産に登録された、インドで最も背の高い石塔(写真2)がある場所です。この場所には、石塔の他、モスクや廟などが点在しています。

 

これらは、1206年から始まった奴隷王朝の創始者であるクトゥブ・アッディーン・アイバク(イスラム教徒)が、ヒンドゥー教徒に対する勝利を記念して建てたもので、ヒンドゥー寺院等を破壊した後に建設されたようです。

 

石塔の高さは72.5mで、以前は100mありましたが、飛行機事故で現在の高さになったようです。

 

また、以前は塔の上に登ることが出来たようですが、落下事故が発生したため、現在は中止されています。日本だと鎌倉時代の頃に建てられた塔を見上げながら、800年前に暮らしていた人々の生活に思いを馳せたひと時でした。

 

        (JICA専門家 若林淳司)

        

 

 

 

 

☆ サウジアラビアJICA調査団参加報告 ★

 

6月19日より9日間JICA調査団としてサウジアラビア王国に派遣されました。現地では、ワークショップへの参加、地方の処理場視察・運営管理に関するアドバイスなどを行ってきました。

 

ワークショップでは、1月に来日し処理場管理に関する研修を受けた研修生が、その成果を元に取り組んでいるアクションプランの実施状況について報告がありました。帰国後、あまり時間が経過していないのに様々な取り組みを既に実行しており、今回の研修に対する熱意を実感しました。ワークショップでは、日本側からも技術等の紹介を行いましたが、日本の最新技術、特に膜分離活性汚泥法には非常に興味があるようでした。

 

また、サウジ南部にあるハミースマシート市の処理場を視察する機会も得ました。処理システムは日本でも広く採用されているOD法のようでしたが、ただ、大量にセプティックタンクからの引抜汚水が投入されており、日本に比べかなり負荷が高いといった印象がありました。また、乾燥地帯で放流先となる河川等が無いことから、枯れ川に処理水を放流するものの、途中で処理水が滞るなどして臭気の発生など新たな環境問題も報告されました。

 

期間中、サウジアラビア水電力省のYarub下水道局長に面会することが出来、今回のプロジェクトに対する期待と大臣から高い評価を受けているとのコメントも頂きました。

 

             (技術開発部 猪木博雅)

 

 

 

 

☆ 下水道展JSブース報告 ★

 

− 江戸家小猫師匠 JSブースに現れる!−

 

7月25日(金)2008下水道展の最終日、どこかでお見かけしたことのある芸能人がふらりと、JSブースに現れました。一般人と同じ出で立ちだったため、最初、かの有名な江戸家小猫師匠とは知らず、技術開発課担当職員が、展示内容やら説明させていただきました。

 

「この人、結構下水道のこと知っているなー?」などと思いながらも、膜分離活性汚泥法の特徴や、再生利用水の説明、石炭代替技術としての固形燃料化、放流水からのリン回収など、今年のJS営業ラインナップを一通り、概ね30分かけて説明しました。

 

JRの車両基地において、列車の洗浄用に再生利用水が使用されていることは、既にご存知で、「膜分離活性汚泥法を既設の標準法に導入することは可能ですか?」などと言った、専門家顔負けの質問を受けました。現在、JSの研究員によってハイブリッド型膜分離活性汚泥法検討が行われているなど最先端の研究課題を紹介しました。

 

「下水道に流された化学物質は、最終的にどうなるの?」と言った、非常に水環境に関心を寄せる質問を受け、PRTR法によるモニタリングの実施や、環境ホルモン等に対する下水処理場での除去特性などについて概略を説明しました。現在、医薬品の下水、放流河川への流出など社会的に関心事と成っている話題なども触れられました。

 

石炭代替技術や、放流水からのリン回収技術は、天然資源が高騰を続けるなど昨今の社会情勢を背景に、高い関心が寄せられていることや、下水処理に多くの電力が消費され、省エネや、エネルギー自立型下水道システムの必要性などについても説明しました。来年の下水道クイズに出題してくれると嬉しいですね。

 

小猫師匠は、最も下水道をよく知る芸能人でおられることは、間違いないでしょう。これからもマスメディア、マスコミュニケーションの時代はつづきます。下水道に関心を寄せる有名人・一般人を、一人でも多く大切にしたいものです。2008下水道展お疲れ様でした。また来年も、JSモンタのブースでお会いしましょう。

 

             (技術開発課 田中松生)

 

 

 

 

 

☆ 日本下水道協会誌論文審査委員会より奨励賞を受賞 ★

 

〔奨励賞論文〕

「中空糸気液接触方式を用いた消化ガスからの二酸化炭素除去技術」

(平成19年9月号掲載)

 

著者:澤原大道 月島機械

   島田正夫 日本下水道事業団技術開発部

   山本博英 (現:富山県下水道公社)

   猪木博雅 日本下水道事業団技術開発部

 

 

 

 

 

☆JS技術開発成果 特別講演会のおしらせ ★

 

日本下水道事業団技術開発部の最新の研究成果について特別講演会が(財)下水道業務管理センター主催により開催されます。

 

講演内容は平成20年4月に研究開発成果としてJS技術評価委員会から答申のありました「耐酸性モルタル」及び「下水汚泥固形燃料化システム」の2テーマが中心で、9月25(木)、26(金)の2日間にわたって開催されます。

 

詳細は添付ファイルをご覧ください。

 

 

 

━━☆★ いまさら訊けない下水道講座  38 ★☆━━

 

<オゾンの利用>

 

※ PDFファイルで全文が添付されています。

 

オゾン(ozone)は、その独特な青臭い臭気から、ギリシア語で「臭う」を意味する”ozein”から命名されました。

 

オゾンは、酸素原子3つが結合したもので(O3)、下水処理水の消毒で一般的に用いられる塩素の約6倍の強い酸化力を有しています。下水処理では、この強い酸化力を利用して、消毒や脱色、脱臭、有機物(COD)除去のほか、発生汚泥の減量化やスカムの発生抑制などに活用されています。

 

オゾンは、非常に不安定な物質で自然に分解して酸素となるため、処理後の残留性はほとんど問題になりません。また、強力な酸化力で有機物等は酸化分解され、微生物は細胞等が直接破壊又は分解されるため、汚泥等の二次廃棄物の生成や耐性菌の出現などの問題も生じません。さらに、使用するその場所で電気を用いて空気中の酸素から製造するため、薬剤の補給などの必要性がありません。

 

このようにオゾンは非常に優れた特徴を持ちますが、デメリットもあります。オゾンは自然界(0.005〜0.05ppm程度)にも存在しますが、高濃度(0.1ppm程度以上)では健康被害を及ぼすため、排ガス処理や漏洩対策等が必要です。また、微量ですが発がん性のある臭素酸などが副生成されます。さらに、建設や維持管理のコストが比較的高いという問題もあります。

 

現在JSでは、オゾン処理技術の更なる有効活用を進めるため、平成21年3月の答申を目途にオゾン処理技術の技術評価を行っています。

 

          (技術開発部 橋本敏一)

 

 

 

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

<匂い ?いや 臭い?>

 

最近、市街化が進み、30〜40年くらい前は、田畑・草原であった地域がマンション、一戸建て住宅等が建設され、たくさんの人が住むようになりました。そのような近隣状態において、時として下水処理場が公害発生源となることがあります。

 

くさい、やかましい、ゆれる、そして蚊を始めとする害虫の飛来。もちろん、法的にも大気汚染防止法、水質汚濁防止法、騒音規制法、振動規制法等などが整備されています。

 

ただ、法で規制されているから公害対策をするのではなく、私たち下水道事業に携わるものとしては、水処理、汚泥処理と並ぶ重要な事項として、これら公害を発生させない責務があると思います。

 

また、これらくさい、やかましい等は個人差がかなりあります。とりわけ臭気については、ある人にとっては良い匂いかもしれませんが、他の人にとっては不快な臭いにもなります。臭いに対応するものとして脱臭装置があります。技術開発部では、一昨年前から臭い対策としての土壌脱臭装置の実態調査を行いました。

 

調査を行った箇所について判ったことは、原臭が強い汚泥系臭気にも条件によっては対応可能であること、極寒地でも土壌層温度はマイナスにならずある程度の処理は可能であることでした。

 

イニシャル・ランニングコストが他の脱臭装置より安価であり、維持管理も容易な土壌脱臭装置が更に普及することを期待します。

 

        (総括主任研究員 遠山 晃二)

 

 

 

 

 

━━☆★ 部長コーナー ★☆━━

 

< ビールの季節となりました >

 

関東地方は、梅雨明けから猛暑が続いています。今年の夏も暑そうです。

 

夏といえば、ビール。大のビール党の私にはたまらない季節です。尿路結石と痛風という人類三大激痛の二つまでも経験済みの私にとっては、ビールに含まれるプリン体は良くないのですが、「プリン体が怖くてビールが飲めるか!」などと嘯いて、ビールを飲んでは尿酸値抑制薬を飲み、薬を飲んではビールを飲むという愚かしいことを繰り返しています。

 

たまに屋外のビアガーデンでビールを飲むのも美味しいものです。我国では、ビアガーデンというと都会のビルの屋上と決まっていますが、ビールの本場ドイツのバイエルン地方では、広い庭園の中でビールを楽しむ本当のビアガーデンも多くあります。

 

昔々、冷蔵庫がなかった時代は、醸造したビールを冷やしておくため地面に穴を掘り、山から運んで来た雪や氷を入れて覆いをし、その中でビールを冷蔵しておいたそうです。日本でいう「氷室」というやつですね。あまり、深い穴を掘ると地下水が出るので、比較的浅い穴だったそうですが、日光があたると雪や氷が早く溶けてしまうので、これを防ぐ為、穴の周りにたくさん木を植えたそうです。木が成長して林ができると、出来たてのビールをひんやりと涼しい林の中で飲むのは最高だということになり、人々が集まってビールを楽しむようになった。これがビアガーデンの始まりだそうです。

 

それにしても、冷蔵庫の無い時代にビールを冷やしておくのは、並大抵の苦労ではなかったことでしょう。先人の苦労を偲び、冷蔵庫の存在に感謝しながら、今夜もビール(と薬)を飲んでおります。

 

          (技術開発部部長 村上孝雄)

 

 

 

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