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技術開発

JS技術開発情報メールNo.84

 

日本下水道事業団(JS)

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       2008・11・6

    JS技術開発情報メール No.84

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<WEFTEC’08参加及びイリノイ大学訪問報告>

<第45回下水道研究発表会で優秀賞を受賞>

<第34回業務研究発表会で特別賞を受賞>

<第2回オゾン処理技術専門委員会開催>

<第11回RECWETシンポジウムについて>

<記者発表10.17 新規研究課題の募集について>

◇いまさら訊けない下水道講座 41

<エネルギー消費原単位>

◆下水道よもやま話

<海外で学ぶ>

◇部長コーナー

<他人の痛みがわかる人間>

 

 

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

 

☆ WEFTEC’08参加及びイリノイ大学訪問報告 ★

 

10月20日より22日にかけて、シカゴで開催されたWEF主催のWEFTEC ‘08に参加してきました。WEFとは米国水環境連盟のことで、日本でいえば日本下水道協会に近い組織です。

 

WEFTEC ‘08では115のセッションに分けられた700以上の口頭発表とポスター発表、31のワークショップが開かれており、私たちもそれぞれ「オゾン減量化施設の実態調査」(水田)、「下水汚泥固形燃料の利用による温室効果ガス削減」(茨木)について口頭発表を行いました。

 

米国では下水汚泥のほとんどが肥料代替として有効利用されていますが、近年では新しい汚泥処理方法が求められており、両発表とも発表終了後に大勢の人に囲まれて多くの質問を受け、汚泥処理に関する関心の高さが覗えました。

 

上述のとおり、115ものセッションが開催されていたので、汚泥処理プロセスに関するセッションを中心に参加したのですが、中でも興味深かったのは消化槽自体をビニールハウスで囲むことで槽内温度保持のために必要な熱量の一部を太陽エネルギーで賄うといった研究内容でした。2,000m3程度の消化槽であれば、コストメリットがあるということでしたので、日本でも中規模処理場の消化槽に対して適用できるかもしれません。

 

WEFTEC ‘08では同時に下水道展のような展示会も開催されていました。ただし、出展数が1,000以上と日本の下水道展の約3倍と非常に大きな規模ということもあり、全てを見ることはできませんでした。日系企業もいくつかブースを出していましたが、特に中国、韓国の公的機関、企業の出展ブースが多かったことには驚きました。また、日本の下水道展のように子供向けのイベントは一切なく、どちらかといえば業界を対象とした展示会であるように感じました。

 

各ブースを見た感想としては、膜処理に関する展示が数多くあり、中でもRO膜に関する展示が目立ちました。これは米国の土地柄もあり、処理水の再利用水としての有効利用が進んでいることが背景にあるものと思われます。

 

23日にはシカゴから約200km離れた位置にあるイリノイ大学を訪問し、研究テーマの情報交換を行いました。イリノイ大学は環境部門において全米でも有名な大学であり、最先端の研究を行っているところです。各研究プロジェクトは企業との連携で行われているものがほとんどで、ここでも膜処理に関する研究が数多く行われておりました。特に各水処理技術のモデル化については最先端の研究を行っているようで、教授、学生を交えて活発なディスカッションをしており、研究に対する意識の高さを感じました。

 

今回の米国出張を通じて、総じて感じたことは、水処理・汚泥処理分野における日本の技術力は非常にレベルが高く、世界に誇れるものではないかと思います。日本の技術力をもっと世界に向けてアピールすることで、この分野でのリーダーシップを発揮することも可能ではないかと思います。

 

         (技術開発課 水田 健太郎、茨木 誠)

 

 

 

 

 

☆ 第45回下水道研究発表会で優秀賞を受賞 ★

 

去る7月22日〜24日に開催された第45回下水道研究発表会(主催:(社)日本下水道協会)で技術開発課持田雅司研究員が優秀発表賞を受賞しました。

 

タイトルは「耐硫酸モルタル防食工法の確立にむけて(U)」。

 

 

 

 

 

☆ 第34回業務研究発表会で特別賞を受賞 ★

 

10月24日(金)第34回業務研究発表会が、四谷区民ホールで行われました。

 

澤井理事長、来賓の国土交通省松井下水道部長のご挨拶の後、東京都下水道サービス前田社長による特別講演が行われました。昼食を挟んで、JSの若き精鋭がさまざまな業務への取り組みについて、特定課題「これからの下水道に求められる戦略的な新展開」7名、自由課題について7名が発表しました。

 

技術開発部からは、「下水道施設のエネルギー消費原単位曲線に関する考察」と題して田中課長代理が発表を行いました。また、再構築、長寿命化、震災対応、運営管理支援、行財政支援に関する取組等について、数多くの優れた発表がありました。

 

また、発表会の終盤、技術開発部照沼総括主任研究員により固形燃料化システムの技術評価に関する報告が行われました。技術評価に辿り着くまでの苦労話として、電力事業者に下水汚泥を受け入れてもらうまでの過程や、概念図で示した事業形態が社会に認知され、事業化を前提とし始動するまでに、血と涙と汗の結晶にも等しいJSの苦労があったことが報告されました。

 

報告では共同研究者との研究活動や、技術評価の枠組みについて報告が行われ、固形燃料化物の製造実験から、安全性評価ならびに、実際の炭化物を用いて石炭ボイラーにおいて大掛かりな燃焼実験が行なわれた背景や経緯が報告されました。

 

続いて、遠山総括主任研究員により、耐硫酸モルタル防食技術の技術評価について報告が行われました。これらの耐硫酸性モルタルは、下水道施設の腐食環境(T類またはU類)内において、普通モルタルの5倍以上の耐硫酸性を有す特色があり、ポルトランドセメント系とアルミナセメント系の耐硫酸モルタルに大別され、断面修復材料として使用することにより、防食工法として完了するため工期短縮が図れることや、湿気の高い環境でも施工が出来るなどの特徴を有していることが報告されました。

 

両総括主任研究員により技術評価の報告が行われている間に、優秀発表者の選考が行われ、四国での行財政支援を紹介した金田氏、新しい運営管理指標を基に九州での支援業務を紹介した上田氏の2名が、優秀賞を受賞したほか、田中課長代理が、特別賞を授与されました。おめでとうございました。どの発表に対しても、今後の展開が期待されます。

 

 

 

 

☆ 第2回オゾン処理技術専門委員会開催 ★

 

10月14日(火)午後、第2回オゾン処理技術専門委員会(委員長:津野洋京都大学大学院教授)が本社6階大会議室で開催されました。

 

今回の専門委員会では、技術評価の経緯や目的、評価対象とする技術や評価の範囲などについて審議が行われ、特にオゾン処理法やオゾンを用いた促進酸化処理法の特徴などについて、3時間にわたる熱心な討議が行われました。

 

平成21年3月の答申に向けて、次回の専門委員会は、12月25日(木)に開催される予定です。

 

 

 

 

 

 

☆ 第11回RECWETシンポジウムについて ★

 

東京大学水環境制御研究センター

第11回シンポジウム

「下廃水処理における膜の利用技術」

 

膜分離技術は様々な分野での適用例が増えてきています。その中でも特に下廃水の処理にかかわる膜分離技術の適用に焦点を当て、最新の研究・開発動向、あらたな技術、今後の課題などを紹介していただき、今後の膜分離技術利用のあり方を探ります。韓国からはMyongji大学Eun Namkung教授をお招きし、韓国における膜分離プロジェクトの紹介をいただきます。幅広く、大学、研究所、企業、水事業の現場の方々からの参加をお待ちしています。

 

主催:東京大学大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター

 

期日:2008年12月2日(火) 13:30-17:30

 

会場:東京大学山上会館(文京区本郷7-3-1 本郷キャンパ ス内)

 

定員: 100人(定員になり次第締め切らせていただきます)

 

参加費:無料

 

内容及び参加申込等 詳細はWebサイト

http://www.recwet.t.u-tokyo.ac.jp/index-j.html

をご覧下さい。

 

問い合わせ先:東京大学大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター事務局

 

E-mail:sec-recwet@env.t.u-tokyo.ac.jp

Tel 03-5841-7445 (栗栖)

 

 

 

 

☆ 記者発表10.17 ★

 

<新規研究課題の募集について>

 

詳細は↓

日本下水道事業団HP/記者発表資料

http://www.jswa.go.jp/

 

 

 

━━☆★ いまさら訊けない下水道講座 41 ★☆━━

 

<エネルギー消費原単位>

 

※ PDFファイルで全文が添付されています。

 

近年CO2削減対策や、エネルギー管理の目的で、エネルギー消費原単位が下水道の分野においても使用されています。

 

下水道施設を対象とした場合、処理対象となる物理量に応じ、ポンプ施設では揚水量(千m3)、水処理施設においては二次処理水量+高度処理水量(千m3)、汚泥処理施設では固形物処理量(t−DS)の処理に要するエネルギーと定義されています(H18年8月2日事務連絡、H18日本の下水道)。

 

一方、消費されるエネルギーは、原油換算量(リットル)電力使用量(kWh)熱量(ジュール)で表記されます。一般的に改正省エネ法において提出する定期報告書では、原油換算量が用いられていることから、原油換算原単位が、エネルギー消費原単位と呼ばれています。

 

では、電力量はどのように、原油換算されるのでしょうか?答えは、電力量を投入熱量換算係数で熱量として求め、これを原油相当量として求めます。換算式は次のとおりとなります。

 

電力の原油換算量(kL)

  =電力量(千kWh)×熱量換算係数(9.0GJ/千kWh)

           ×原油熱量の逆数(0.0258kL/GJ)

  =電力量(千kWh)×0.2322kL/千kWh

 

この熱量換算係数は、昼間・夜間で異なる他、厳密には各電力会社によっても異なります。

 

先に開発された「下水道施設省エネ診断解析システム」では、全国ベースでの比較を行うため、統一値として発電端投入熱量9.0GJ/千kWhを採用しています。エネルギーを原油換算量で示す良い点は、使用量を視覚化できる点ではないでしょうか?下水千m3の水処理に消費されているエネルギーは、大雑把に標準法で0.1kL/千m3、OD法で0.15kL/千m3です。

 

この値を、ラフに4.3倍すると、1m3当たりの電力使用原単位に換算出来ます。ドラム缶1本は200Lですから、約半分から1本近くになります。

 

(技術開発課 田中松生)

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

<海外で学ぶ>

 

10月下旬にJS技術開発部の若手職員がシカゴで開催されたWEF(水環境連盟)の発表会の参加し、ついでにイリノイ大学を訪問しました。

 

イリノイ大学(アバーナ・シャンペイン校)は、今年の全米大学ランキングでは、土木分野で1位、環境分野では2位(1位はスタンフォード大学)という大学です。私も、20年前にJSからイリノイ大学に派遣され、1年半の学生生活を送らせていただきました。

 

環境工学科の修士課程に入りましたが、学生ですので、授業に出席し、宿題をし、レポートを書きという毎日です。JSの業務に慣れてきたころでしたので、戸惑いました。

 

授業は、当然ながら英語です。最初は、何を話しているのか分かりません。質問されても、質問の意味を考えている間に、次の学生に回ってしまいます。しっかり予習をすることで、何とか授業についていけるようになり、最初の学期が終了するころには、それなりに理解できるようにはなりました。

 

水道、下水道の授業はもちろんですが、基礎科目である生化学や微生物学、ごみ処理工学などの授業も受けました。ごみ収集車の最短ルート決定手法である、「中国の郵便配達夫の手法」などは面白く聞きました。

 

学生は留学生が半数を占め、ヨルダン、ギリシャ、コロンビア、ユーゴスラビア、韓国、中国など多彩でした。特に、天安門事件の直後でしたので、中国人留学生が目立ちました。

 

私も、家内と子供1人を連れて行きましたので、よく中国人と間違われました。1度就職してから、再度学生になるアメリカ人も多く、休日には子連れで大学に来る人も結構いました。また、夜遅くまで実験するということはなく、定時には帰宅という学生が大半でした。修士論文を書いているころは、子供を寝かしつけてから大学に戻って論文を書く、という生活だったのですが、そのような学生は皆無で、夜中に回ってくる掃除人から「掃除の邪魔なので早く帰ってくれ」と言われたことがあります。

 

冬はマイナス40度、夏は40度近くになる厳しい気候、とうもろこし畑と大豆畑に囲まれた田舎町。20年も前のことですが、つい最近のことのように思い出します。

 

この11月から、JS技術開発部の職員が、ドイツのアーヘン工科大学へ1年間の研究生活のために旅立ちます。国は違いますが、良い経験をして欲しいものです。

 

     (技術開発課長 藤本裕之)

 

 

 

━━☆★ 部長コーナー ★☆━━

 

<他人の痛みがわかる人間>

 

以前にも本コーナーで書いたことがありますが、筆者は尿路結石を2回ほど経験して、七転八倒したことがあります。

 

2回目の結石から丸9年間が経過した10月上旬の週末の夜のこと、右の脇腹に痛みを感じました。その日、テニスをしたせいかとも思いましたが、どうも筋肉痛とは違うようで、長年の経験から、これは結石だと判断しました。幸い、痛みはさほどでもなかったので、ビールとお茶を飲んで、軽いジャンプを200回ばかり繰り返したところ、痛みは次第に無くなりました。その後も時折、軽い痛みはありましたが、次第に下に移動しているようでした。

 

そして、10月も終わりに近いある日の朝、トイレでカチンという音とともに結石が出てきたのです。石は3mm程度の大きさで、割とデコボコしています。結石にも人によって、シュウ酸カルシウム系、りん酸カルシウム系(これは肥料原料になるか?)、りん酸マグネシウムアンモニウム(いわゆるMAP)系等、コレステロール系と色々なタイプがあるようなので、是非、成分分析をして見たいと思っております。

 

さて、話は変わりますが、中国で水増しした牛乳のタンパク質濃度をごまかすために、窒素含有量が多いメラミンを粉ミルクに混入したというニュースは、まだ記憶に新しいと思います。メラミン自体の毒性は低いらしいですが、大量摂取すると腎臓等に結石ができるそうで、中国では実際に数千人の乳幼児が入院し、死者も何人か出ているようです。

 

腎臓内にできた結石が動き出して尿路に入るのが尿路結石で、これは通常、大変な痛みを伴います。いたいけな乳幼児が結石の痛みで苦しんでいるというニュースは、その痛みを知る私にはとても他人事には思えず、早い回復を祈るばかりです。

 

        (技術開発部長 村上孝雄)

 

 

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