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技術開発

JS技術開発情報メールNo.85

 

日本下水道事業団(JS)

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       2008・12・5

    JS技術開発情報メール No.85

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<猪木氏、ついにドイツへ旅立つ>

<ハイデラバード通信最終号>

◇完了テーマの紹介

<固形燃料化システム>

◆いまさら訊けない下水道講座 42

<含水率>

◇下水道よもやま話

<名は体を表しているのか?>

◆部長コーナー

<通勤電車は命がけ?>

◇お知らせ

<新規研究課題の募集中!>

 

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

 

☆ 猪木氏、ついにドイツへ旅立つ ★

 

去る11/10、技術開発部の猪木主任研究員がドイツへ向けて旅立ちました。

 

アーヘン工科大学とJSが1980年代から続けている技術者交流の一環で、JSからは通算8人目の派遣者となります。

 

先方の受け入れ態勢準備の都合から、当初の予定より大幅に遅れての出国となりましたが、今後1年間、猪木氏は同大学の客員研究員として調査・研究に従事することになります。

 

お決まりのロスト・バゲッジに見舞われたようですが、まずは無事に新生活をスタートしたとの報告が届いています。ドイツでの氏の今後の活躍に期待したいと思います。

 

 

 

 

 

☆ ハイデラバード通信最終号 ★

        (財)下水道業務管理センター 荒井俊博

        

※ PDFファイルで図と写真が添付されています。

 

経済成長著しいインド・ハイデラバード、高度処理、膜処理に注目が集まり、市中心に位置するフセインサガール湖の湖水の改善を高度処理水を湖水に還元し、湖水の改善を図ろうとしている話を1年ほど前にさせていただきました(JS技術開発情報メールNo.74)。

 

一方、地形の特徴を生かし、二次処理で湖水の水質改善を図るという、都市域における湖沼改善の一モデルとして脚光を浴びている例もあります。首都デリーからは南へ飛行機で約1時間のボパール、ハイデラバードと同じくデカン高原に位置し、自然の地形をうまく生かし、水が不足する乾季には、重要な水源となる貯水池の水質改善を進めています。

 

ボパールは勾配のある谷間に発達した都市、川を堰き止め数珠繋ぎに貯水池(ダム)を造り、その下流側を中心に発達した市街地に水を供給しています。人口の増加、経済の発達に伴い、市街地は拡大し、かつて飲用水も取水していた下流湖(Lower Lake)の水は、著しく悪化しました。

 

また、上流湖(Upper Lake)周辺へも市街地が拡大し、ここへも都市排水が流入することとなりました。数ヶ月以上続く乾季に、貴重な水を確保しながら、持続可能な都市湖沼の水質改善を図るため、

 

 

1)上流湖周辺の都市排水は下水道(二次処理)で集水・処理し下流湖へ放流。

 

2)良質な水源を必要とする飲用水は上流湖、灌漑用水は下流湖から取水。

 

3)洗濯業等の汚れた排水を排出する洗濯事業者・洗濯場は下流湖放流先へ移設

 

4)生態系、環境に配慮し、自浄作用による浄化を期待し、上流湖と市街地の間で植林。

 

を行っています。何が何でも高度処理で最良の環境をと言うのではなく、負担可能な安価な費用で環境改善と水源確保を図る手法です。

 

 

さて、赴任先のハイデラバードですが、1年前には「700万ハイデラバディ(ハイデラバード市民)」と言われていた人口も、今では「800万ハイデラバディ」といわれています。自然増に加え、IT景気に沸くハイデラバードにアンドラ・プラディッシュ州内外から人が押し寄せています。

 

マイクロソフト、IBMなどの海外資本とともに国内で急成長を遂げるインフォシス、サティアムなどの国内IT企業が競って近代的なオフィスを建設しています。町にはトヨタ、ヒュンダイなどの外車が溢れ、若者は、マクドナルド、Subwayなど海外資本の飲食店、ショッピングモールで余暇を楽しみ、原野は欧米の近代都市に変わりつつあります。

 

その一方で、市中心部、旧市街では、路地を堂々と練歩くヒンズー教の聖牛、オートリキシャもその活気を増しています。これからさらに欧米化とイスラム化の二極化が進むのか、それとも両者が融合した新たな街が生まれるのか、勢いのあるインドが楽しみです。

 

 

 

━━☆★ 完了テーマ紹介 ★☆━━

 

<新技術導入の評価に関する調査(固形燃料化システム)>

 

水汚泥固形燃料化技術は、下水処理過程で発生する汚泥を貴重なバイオマス資源ととらえ、乾燥及び炭化技術により燃料価値を有する固形燃料を製造するものです。

 

製造した固形燃料は石炭火力発電所やセメントキルン等で化石燃料に替わる新たなエネルギー源として利用されると共に、カーボンニュートラルな燃料として温室効果ガスの削減につながります。このように、下水汚泥固形燃料化技術は下水汚泥を新たなエネルギー源として有効活用すると共に、温室効果ガス削減を推進する新たな技術として期待されています。

 

日本下水道事業団では平成8年度より炭化物の緑農地利用を目的とした高温炭化技術の開発に取り組み、実用化に成功するとともに、これらの知見を基に平成16年度からはプラント会社や電力会社との共同研究等により燃料化を目的とした炭化技術・造粒乾燥技術の開発・改良に取り組んできました。

 

本調査では、これまでの研究で蓄積した固形燃料化システムの実証データや固形燃料の分析データ及び燃焼試験等のデータに基づき、システムや固形燃料の特徴、石炭ボイラへの影響、計画・設計・維持管理上の留意事項等についてとりまとめるとともに、固形燃料を安全に取り扱い、事故等を未然に防ぐことを目的として、固形燃料の発熱メカニズム、固形燃料の発熱特性の評価・試験方法、安全な取扱い方法等について整理体系化しました。

 

本調査を含め、これまでJSが実施した下水汚泥固形燃料化技術に関する一連の調査成果は、技術評価委員会/下水汚泥固形燃料化技術専門委員会においてとりまとめられた「下水汚泥固形燃料化の技術評価に関する報告書」および「下水汚泥固形燃料発熱特性評価試験マニュアル」(ともにH20.3)に反映されました。

 

今後、これらの報告書が下水汚泥固形燃料化システムの設計、運転管理ならびに下水汚泥固形燃料を安全かつ有効に利用するため広く活用され、バイオマスエネルギーの有効活用、地球温暖化対策が推進されることが期待されます。

 

 (技術開発課 茨木 誠)

 

 

 

 

━━☆★ いまさら訊けない下水道講座 42★☆━━

 

<含水率>

 

※ PDFファイルで全文と図が添付されています。

 

下水を処理すると水はきれいになりますが、汚泥が発生します。その汚泥は、濃縮、脱水工程を経て、脱水汚泥となります。その脱水汚泥は水を多く含んでいます。

 

脱水汚泥の中にどれだけ水が含まれているかを重量%で表す用語として、含水率(%)があります。脱水汚泥は、おおよそ約80%の水分を含んでおり、そのまま外部に運搬した場合、100kgの脱水汚泥を運搬するとそのうち約80kgもの水を含んでいるのですから、ほとんど水を運搬していることになります。

 

皆さまの身の回りの物にたとえると、洗濯用洗剤の液体洗剤があげられます。洗濯用液体洗剤も洗剤の成分濃度が非常に高い物でも40%ですから、含水率にすると60%以上であり、脱水汚泥と同じくほとんどが水であることが判ります。

 

そこで、含水率を下げれば、重量、容積も減り、輸送に関するコスト、温室効果ガス排出を削減することができます。(図1)洗濯用洗剤にたとえると、粉末洗剤があげられます。含水率はほぼゼロです。よって、重量が軽くなり、輸送に関するコスト、温室効果ガスの排出量が大幅に削減でき、液体洗剤に比べ非常にメリットがあります。

 

しかし、その含水率を下げるためには、水分を飛ばすために加熱などの加工を行う必要が出てきます。その加工するためコスト、温室効果ガス排出が増加します。

 

このように、汚泥処理の計画に当たっては、輸送に着目するだけでなく加工工程も含め、トータルで評価する必要があります。

 

           (技術開発課 橋本康弘)

 

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

<名は体を表しているのか?>

 

JSは、設立以来、活性汚泥法のノウハウを蓄積してきましたが、その過程では、設計担当者と運転管理を支援する担当者の間に、指針の数値(全国一律)と個々の処理場での実態に対して、正確な用語と定義がないため、たとえば、「エアレーションタンク」の名が体を表していなかったため、機能・運転方法の理解に、越すに越せない大きな隔たりがありました。

 

(社)日本下水道協会が発行している『下水道施設計画・設計指針と解説(1994年版)』と『下水道用語集(2000年版)』の改訂に携わった経験に基づいて、今回は、下水道実務者の共通言語の重要性について考えて見ます。

 

1994年の『指針と解説』改訂では、JSのノウハウに基づいて「生物処理の基本原理」、「反応タンク」を執筆しましたが、当時、活性汚泥法の「エアレーションタンク」を「反応タンク」に変えることについては、下水道実務者にとって分かり難い、現状で何も問題ないなど、多くの議論があり調整に時間がかかりました。

 

生物処理のメカニズムとして、有機物処理のほか、新たに硝化・脱窒、生物学的脱りんについて詳述し、アンモニア性窒素によるBOD(N-BOD)も記述されています。

 

エアレーションタンクが反応タンクになったことにより、嫌気、無酸素、好気という概念が新たに共通の用語となり、活性汚泥法の除去対象に窒素・りんが追加されるなど、設計担当者と運転管理担当者に共通の合理的な余剰汚泥の発生量、必要酸素量の予測も可能になりました。

 

2000年の『用語集』改訂でも、「エアレーションタンク(1988年版):活性汚泥混合液がエアレーションされる槽、池」が、「反応タンク」、「嫌気タンク」、「無酸素タンク」、「好気タンク」および「エアレーションタンク」に細分・詳述されました。

 

下水道事業における地球温暖化対策、コスト縮減には、新技術の開発への投資が不可欠で、下水道実務者が新技術を理解し、活用できるようにするためには、指針や用語集で『名は体を表す』用語の定義・解説が必要です。

 

技術開発部では、新規に見出された窒素の生物学的変化反応であるアナモックス(anammox;嫌気性アンモニア酸化)を活用した技術調査並びに共同研究を実施していますが、従来の硝化・脱窒の基本原理を、再度、改訂しなければならない時期も近いものと思われます。

 

指針改訂(1994年版)から14年、用語集改訂から8年が経過し、地域条件にあった最適な施設を提供するためには、新技術に限らず全ての技術に対して、再度、計画、設計、建設、維持管理に共通の言葉(言語、概念)を整理することが急務です。

 

(先端研究役 中沢均)

 

 

 

 

 

━━☆★ 部長コーナー ★☆━━

 

<通勤電車は命がけ?>

 

寒い日が続きコートが手離せなくなりました。そろそろ咳込んでいる人やしきりに鼻をかんだりする人が目立ちます。風邪やインフルエンザの季節到来ですが、今年は新型インフルエンザの流行がしきりに話題になっています。

 

新型インフルエンザは、鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染するように変化したもので、厚生労働省の新型インフルエンザ関連情報によると日本人の4人に一人が感染し、死者は最大64万人に達する恐れがあるとされています。

 

また、この冬は新型インフルエンザが流行するのかしないのかは、もはや問題ではなく、いつから流行するかが問題だという話も聞きました。

 

こんな恐ろしいインフルエンザにはかかりたくないものです。咳こんでいる人を見たらできるだけ近づかないようにしていますが、そうは行かない場合もあります。通勤電車がそうです。

 

満員で身動きが取れない状態で、近くにゴホゴホとしきりに咳き込んでいる人がいると逃げる訳にも行かず、顔をそむけて、できるだけ呼吸をしないように頑張るのが精一杯です。こういう人は、マスクをしてくれれば良いのですが、中にはマスクもせずにあちこちを向いて盛大に咳をしている人がいます。

 

もし、新型インフルエンザだったら、これはもう猛毒ウイルスを撒き散らす無差別テロ行為といっても過言ではないと思います。それにしても自分が電車に乗ると必ずそういう人が近くにいるような気がするのは私だけでしょうか?それはともかく、これからの季節、通勤電車内テロリストには気をつけて、また、自分自身がテロリストにならないよう「うがい」「手洗い」を励行したいと思います。

 

それと、感染の機会を減らすという意味で、会議は出来るだけ減らし、また、進行をテキパキと会議時間を短くしたいと思います。これだけは、インフルエンザのメリットと言えますかね?

 

        (技術開発部長 村上孝雄)

 

 

 

 

 

━━☆★ おしらせ ★☆━━

 

技術開発部では平成21年度、22年度に開始する新たな研究の課題設定にあたり、課題を募集中です。

 

詳細は↓

<記者発表10.17 新規研究課題の募集について>

日本下水道事業団HP/記者発表資料

http://www.jswa.go.jp/

 

 

 

 

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