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技術開発

JS技術開発情報メールNo.86

 

日本下水道事業団(JS)

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       2009・1・7

    JS技術開発情報メール No.86

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<新年のご挨拶>

<インド便りW>

<第57回技術評価委員会開催>

<マケドニアから視察>

◇幹部ログ

<鶏口牛後>

◆いまさら訊けない下水道講座 43

<セメントって何?>

◇下水道よもやま話

<ディスポーザは普及するでしょうか>

◆お知らせ

<新規研究課題の募集中!>

 

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

 

☆ 新年のご挨拶 ★

 

新年、明けましておめでとうございます。本年もJS技術開発部を何卒よろしくお願いいたします。

 

さて、昨年の前半には、日本経済は景気回復という雰囲気がありましたが、後半には米国に端を発した世界的な金融破綻により、日本経済もあっという間に100年に一度と言われる未曾有の不況に陥り、厳しい状況の中、2009年を迎えることになりました。経済の専門家の予想では、景気の回復には数年間を要するとも言われています。

 

不況による民間企業の減収減益は自治体の税収減にも直結し、これはひいては下水道事業の実施にも影響を及ぼすことが懸念されます。

 

しかしながら、一方では地球温暖化対策・省エネルギー、高度処理、省コスト、合流改善、水循環再利用、施設再構築、アセットマネジメント等、下水道事業にはこれから取り組むべき課題が山積していることから、このような厳しい時にこそ、将来をしっかりと見すえた技術開発が重要であると言えます。

 

また、水のマネジメントは全世界的な課題となって来ており、水ビジネスが国際的な注目を集めていることから、今後の技術開発は国内のみに目を向けるのではなく、国際的な視点も念頭において進めて行く必要が高まっていると思います。

 

2009年は「耐え忍ぶ年」だと言われていますが、そうかと言って小さく縮こまってしまわずに、次世代の下水道技術を構築すべく、職員一同、明るく元気に技術開発に取り組んで参りたいと思います。

 

            (技術開発部長 村上孝雄)

 

 

 

☆ インド便りW ★

 

※PDFファイルで写真が添付されています。

 

ナマステー(こんにちは)。JICA専門家(下水道運営維持管理)として、インドに派遣されている若林です。

今回は、新年と丑年にちなんで、インドの新年と牛についてレポートします。

 

 

1.インドの新年

 

新年といえば、みなさん1月1日を思い浮かべる日本人がほとんどだと思います。日本では、カウントダウンをして新年の訪れを楽しみ、午前0時と共にあちこちで「あけましておめでとう!」の声が、こだましたことでしょう。

 

しかし、インドでは、ホテルや各家庭でパーティーをする程度でインド固有の特別な行事はありません。政府機関は、大晦日はおろか元日でさえも、通常の業務日となっています。

 

実はインドでは、宗教や人種、使われている暦によって、新年が異なるのです。

 

例えば、西暦2008年におけるヒンドゥー教の新年のお祝いは、私たちの使うカレンダーでは10月28日に行われました。これは、「ディワリ」と呼ばれ、別名「光のフェスティバル」とも言われます。新月で月明かりの無い中、家々を飾ったランプの明かりが夜空を照らし、幻想的な風景を作り出すとともに、人々は新しい服を着て寺院に集い、あちこちで「ハッピーディワリ!」の掛け声が交わされます。

 

ただ、近年は西洋化が進んできたためか、一部のホテルやレストランでは大晦日に「カウントダウンパーティー」を開催するところが増えてきており、飾りつけの電飾もされるようになってきました(写真1)。

 

 

2.インドの牛

 

今年は丑年ですが、インドに牛がたくさんいるのはみなさんご存知のことと思います。デリー市内の道路(日本で言えば、東京の渋谷、新宿、池袋等にあたる大都会のど真ん中)にも、牛が堂々と横たわったり、歩いたり、草を食べたりしています(写真2)。

 

インドでは牛は、ヒンドゥー教のシヴァ神の乗り物として、大切に扱われていますので、そこら辺に徘徊しています。一見、野良牛のように見えますが、実際には所有者がいるようで、身体に焼印が押されていたり、番号が書かれている牛を良く見ます。

 

この牛達、もちろん交通ルールなど知るはずも無く、自分の気の向くまま、動いたり、寝そべったりしますので、しばしば大渋滞を引き起こします。

 

以 上

 

     (JICA専門家 若林 淳司)

     

     

     

☆ 第57回技術評価委員会開催 ★

 

12月12日(金)、第57回技術評価委員会(会長:松尾友矩東洋大学学長)が本社で開催されました。

 

今回の委員会では、平成21年度開始の公募型共同研究のテーマ選定(3テーマが了承)、実施中の開発技術の中間評価(2テーマ)、共同研究(2テーマ)などを審議いただき、各議題に対し、有意義な助言、提言を多数いただきました。

 

なお、平成21年度から開始する共同研究のテーマについては、12月18日(木)に記者発表を行いました。

 

 

 

 

☆ マケドニアから視察:技術開発実験センター ★

 

12/16(火)、JICA研修の一環として、マケドニアから8名の研修生が真岡の技術開発実験センターを訪れました。

 

首都スコピエ市の下水道計画プロジェクトに関連しての研修ということで、研修生は交通通信省、環境省、スコピエ市、スコピエ市上下水道公社の職員でした。

 

当日は、藤本課長がJSの技術開発に関する講義を行い、その後現地視察を行いました。膜分離活性汚泥法、リン回収、消化ガス精製などの実証プラントを視察し、特に消化ガスの利用に興味を持った様子でした。

 

その後、真岡市水処理センターの視察が行われ、周辺環境に調和した下水道施設に感心されていました。

 

 

 

 

━━☆★ 幹部ログ★☆━━

 

<鶏口牛後>

 

F本:新春恒例の幹部ログを始めます。本日はJS技術開発部の幹部と将来の幹部候補の方々にお集まりいただきました。丑年にちなんで、お題は「鶏口牛後」です。

 

M田:大きな組織に付き従って軽んぜられるよりも、小さな組織の長となって重んぜられるほうが良い、という意味ですね。父親から、常々そう言われていました。

 

M上:良い家庭に育ったようですね。私が子供のころは、鶏もそうですが周囲に牛が当たり前のようにいて、あちこちに牛糞が落ちていました。

 

H本:インドやネパールなどでは、牛糞を乾燥させて燃料にしているようですね。

 

M上:牛糞は繊維質が多いせいか、あまり匂いはしません。色は違いますが、一見メロンパンのような感じです。

 

N沢:中国では、豚を飼って、豚糞からメタンガスを回収して燃料にしている家庭もある、と聞いています。豚は雑食なので、匂うでしょうが。

 

T沼:下水汚泥の固形燃料、消化ガス有効利用も、牛糞や豚糞並みに普及して欲しいものです。牛と言えば、牛のゲップには多量のメタンガスが含まれているようです。

 

H本:牛のゲップを集めて、メタンガス発電なども有望ですね。

 

M田:地球温暖化防止にも有望かも知れません。地球温暖化防止関係で、フードマイレージというものがありますが、ある自治体では汚泥マイレージを提唱しています。下水汚泥を処分・利用するのに、どれだけ遠くまで運搬するかを二酸化炭素量で示すものです。

 

F本:地球温暖化で東京湾でもサンゴ礁や熱帯魚を見られるようになりました。

 

N沢:下水の水温も上昇しているようです。このままで行くと、熱帯地域の下水処理方式が日本向けの技術になるかも知れません。

 

T山:地球温暖化防止の意味では、物を大切に使うことも必要です。途上国では、壊れた部品なども、捨てないで修理して使うのが当たり前ですよね。

 

T沼:再利用と言えば、廃業したボウリング場をスーパーに再利用することもありますね。

 

M上:ドイツに居た時に、廃止した汚泥濃縮タンクを改造した円形の事務所に入ったことがあります。あまり落ち着かない感じでしたが。

 

F本:そろそろ鶏関係の話を・・・。

 

N沢:鶏と言えば、昨年は産地偽装の話題がありましたね。

 

A:私の地元(秋田)でも、比内地鶏の偽装がありました。

 

N沢:生産者の写真まで偽装する、というのもありました。

 

M上:偽装はともかく、ブランドは大事ですね。例えば、JSブランドを作って、開発者の写真をつける、というのはどうでしょうか。

 

A:偽装されないでしょうか。

 

M上:JSブランドの偽装までされるようになれば、一流の証明です。

 

N沢:少なくとも、技術開発した成果を分かりやすく説明する、ということは大事なことです。

 

T山:維持管理の現場では、新技術の導入にはアレルギーがあります。昨日までと違うことをするのは、どうしても抵抗があります。

 

N沢:現在の技術が未来永劫に最適ということはあり得ないですよね。継続的な新技術の開発は、やはり重要です。

 

M上:継続的な研究開発が、技術のブレークスルーに繋がりますからね。ひよこの嘴は、自分の入っている卵の殻を破って、広い世界へ飛び出すための大切な道具です。我々も、下水道界における鶏口、鶏の嘴の役割を果たし、技術のブレークスルーを起こすよう、今年も努力しましょう。

 

F本:きれいにまとまったところで、牛まい(おしまい)とさせていただきます。今年も技術開発部をよろしくお願いします。

 

        (編集:技術開発課長 藤本裕之)

 

 

 

━━☆★ いまさら訊けない下水道講座 43★☆━━

 

<セメントって何?>

 

※ PDFファイルで全文が添付されています。

 

コンクリートはセメントと水と骨材からなる硬化体です。セメントは水と反応して硬化しますが、どうして固まるのでしょう?

 

セメントに水を加えるとセメントの主要な成分と水が反応(水和反応)し、新しい化合物ができ、骨材と結びつきながら、ゆっくり固まっていきます。

 

一般的にセメントとは「ポルトランドセメント」を指します。「ポルトランドセメント」は1824年イギリスで発明されました。

 

「セメント」とは「糊」を意味し、「ポルトランド」とは、硬化した後の状態がイギリスのポルトランド島で採れる石灰岩に風合いが似ていることから命名されたといわれています。

 

製造方法は、石灰石、粘土、珪酸原料、酸化鉄原料等のセメントの原料を、ロータリーキルン等の焼成窯の中で1500℃程度まで昇温焼成しその後急冷させます。この時に生成されるこぶし大の塊となったものをクリンカーと呼びます。このクリンカーに適量(2〜3%)の硫酸カルシウム(石膏)を加え、粉砕してセメントができあがります。

 

クリンカーを構成する主要鉱物には、@エーライト (C3S)、 Aビーライト (C2S) 、Bアルミネート (C3A)、 Cフェライト(C4AF)があります。概ねでありますが通常のポルトランドセメントは、エーライト、ビーライトで80%、アルミネート、フェライトで20%の混合比です。これらの主要鉱物を混合してセメントは作られますが、これら鉱物にはそれぞれ特性があります。

 

使用目的に応じて配合を変えることで、様々なセメントが作られています。例えば初期強度が必要なコンクリートが必要な時は早強ポルトランドセメントを使いますが、これは主要な鉱物として、初期強度が得られるエーライトの配合比率を高めたものです。またアルミネートの配合を1/10程度にすれば耐硫酸性能を向上させることが出来ます。

 

JSと民間企業の間で行われた共同研究では耐硫酸性を付加した特殊混和材を添加することで、耐硫酸性能を高めたコンクリートを開発しています。この材料を用いた補修工事では、既存コンクリートとの接着性が問題となりますが、共同研究では、実際の規模での施工性を確認する実験も行っています。特に天井を補修する場合が難しいのですが、既設構造物との接着性についても問題ないことをこれまでに確認していきます。

 

               (技術開発課 持田雅司)

 

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

<ディスポーザは普及するでしょうか>

 

ディスポーザは家庭の生ごみを粉砕し、下水道に流す電化製品である。ディスポーザには2種類あり、一つはディスポーザ排水が直接下水道施設に流され、最終的には下水処理場で処理される直接投入型タイプである。

 

もう一つは、排水処理装置を付加したディスポーザ排水処理システムといわれるタイプである。前者のタイプは、当然下水道施設に負荷がかかるため(負荷としては少ないのですが)、多くの自治体で禁止していているのが現状である。

 

しかし、北海道等雪深い地域では、冬場の生ごみ出し労力軽減のため、直接投入型ディスポーザを許可している自治体が全国で8箇所ある。

 

ディスポーザは家庭の生ごみ全てを処理できるわけではない。例えば、生魚の皮、生の鶏肉の皮そしてプラスチック容器等は処理できない。

 

また、生活リズムとして、居間でみかんを食べて、わざわざその皮をディスポーザにて処理する人は少ないであろう、多くはゴミ箱である。

 

近年、生ごみの持つバイオエネルギーが注目を浴び、ディスポーザを介して、生ごみの持つエネルギーを回収しようと言われている。ごみの処分コスト減とディスポーザによる下水の処理コスト増を考慮した場合、全体としてメリットはあると言う報告もある。

 

しかし、エネルギー消費量、温室効果ガス排出量は増である。また、普及率でよく対比される電化製品として挙げられるのが、「食器洗い機」である。「食器洗い機」の普及率は16.6%(2005年)、価格もディスポーザとほぼ同じ10万円前後(工事費込み)である。さて、今後、ディスポーザは普及するでしょうか?

 

       (総括主任研究員 遠山晃二)

 

 

 

━━☆★ おしらせ ★☆━━

 

技術開発部では平成21年度、22年度に開始する新たな研究の課題設定にあたり、課題を募集中です。

 

詳細は↓

<記者発表10.17 新規研究課題の募集について>

日本下水道事業団HP/記者発表資料

http://www.jswa.go.jp/

 

 

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