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技術開発

JS技術開発情報メールNo.89

日本下水道事業団(JS)

◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

       2009・4・15

    JS技術開発情報メール No.89

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<新年度にあたって>

<第58回技術評価委員会開催>

<第5回日米会議で口頭発表>

<第5回世界水フォーラム参加報告>

<平成21年度新規共同研究者決定>

<記者発表4.10 JS技術評価委員会「オゾン処理技術の技術評価」を答申>

<読者の声 下水神社レポート>

◇いまさら訊けない下水道講座 46

<下水汚泥のエネルギーランキング>

◆下水道よもやま話

<活性汚泥法に“発想の転換”が必要>

◇部長コーナー

<戸田に桜の名所有り>

 

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

 

☆新年度にあたって★

 

                                         技術開発部長 村上 孝雄

              

平成20年度の技術開発業務実施にあたっては、皆様より多大なご支援とご助力を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。

 

さて、平成21年度は、JSにとっては第3次中期計画がスタートする新たな出発の年度となります。第3次中期計画には、「次の時代を支える新たな技術の開発・改良・実用化」として、技術開発の目標があげられています。これらは、「膜処理技術」「創エネ技術」「省エネ技術」等です。また、民間企業との共同研究の推進や開発成果の周知、新技術の事後評価も取り組んでゆくべき課題としてあげられています。第3次中期計画の期間は3ヵ年度ですが、技術開発部ではより長期的な展望を持ってこれらの課題の実現に取り組んで行きたいと考えています。

 

平成21年度の新規技術開発テーマをいくつかご紹介しますと、まず、新しい省エネルギー・省資源生物学的窒素除去プロセスである「アナモックス法」の技術評価が始まります。また、最近、これからのエネルギー源として注目されている水素の活用を目指す固有研究「下水道における新しいエネルギー転換・回収技術の開発」と膜分離活性汚泥法の最適化を行うための「膜分離活性汚泥法の事後評価」も開始予定です。これに加えて、りんを始めとする下水道からの資源回収及び下水道コンクリート構造物の長寿命化に関する民間企業との共同研究も本格的にスタートします。

 

JS技術開発部では、平成21年度も新技術の開発・実用化に向けて一層の努力をしてゆく所存です。本年度もJS技術開発部を引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

☆ 第58回技術評価委員会開催 ★

 

3月10日(火)に本社において第58回技術評価委員会(会長:松尾友矩東洋大学学長)が開催されました。今回の委員会では、「オゾン処理技術」について、専門委員会での審議結果が報告・審議されました。

 

また、省エネ型窒素除去技術として期待される「アナモックス反応を利用した窒素除去技術」について、理事長から松尾会長へ諮問が行われました。この「アナモックス反応を利用した窒素除去技術」については、専門委員会(委員長:古川憲治熊本大学大学院教授)で検討を行い、平成21年度末に答申が行われる予定です。

 

なお、「アナモックス反応を利用した窒素除去技術」の諮問については、別途記者発表を行っていますので、詳細はJSのホームページ「新着情報」をご覧下さい。

 

委員会では今年度から実施する固有研究「下水道における新しいエネルギー転換・回収技術の開発」、平成22年度から実施予定の固有研究「下水からの効率的リン回収を前提とした生物学的リン除去法の安定化技術の開発」、「下水道施設の機能維持手法に関する調査」について研究評価が行われ、貴重なアドバイスをいただきました。

 

 

 

☆ 第5回日米会議で口頭発表 ★

 

3/2〜3/5に米国ラスベガスで「第5回日米水道水質管理及び下水道技術に関する政府間会議」が開催されました。本会議は、日米両国の研究者・技術者が集まり、水道および下水道分野の最新の技術的課題について情報交換・議論を行う政府間会議で、1999年以降、2年に1回程度開催されています。今回は、日本側29名(水道分野15名、下水道分野14名)、米国側20名の参加があり、水道・下水道に係る多様なテーマについて、双方からの口頭発表および活発な議論が行われました。

 

JSからは、技術開発部の糸川研究員が「State of the Art of MBR Technology and Its Perspective in Japan(日本の膜分離活性汚泥法の現状と展望)」と題して、我が国における膜分離活性汚泥法の現状を紹介した他、新プロジェクト推進課の松井氏が「Outline of Strategic Planning of Asset Management for Municipal Wastewater Treatment Plants in Japan(日本における下水処理場のアセットマネジメントの現状)」と題して、JSによるアセットマネジメントの手法や効果について発表しました。会議の最後には合意文書が取交され、次回は2年後に日本で開催することが確認されました。また、テクニカル・ツアーでは、ラスベガス周辺の浄水場および下水処理場(2箇所)に加えて、フーバーダムや環境保護啓蒙施設などの興味深い施設を見学しました。

 

 

 

 

☆ 第5回世界水フォーラム参加報告 ★

 

第5回世界水フォーラムが3月16日から22日にトルコ・イスタンブールで開催されました。

世界水フォーラムは水に関するさまざまな問題を議論する世界最大級の水に関する会議で、今大会は2万人以上参加したそうです。

 

フォーラムは、さまざまなテーマについて議論するセッション、閣僚級国際会議、展示会などから構成されます。

日本からも多くの参加者があり、衛生に関する部門では、東京都の下水道普及の経験が紹介されたほか、新たに開設される下水道グローバルセンター(GCUS)の紹介などが行われました。

GCUSについては、発表後早速会場でも問い合わせがあり、様々な国の方に関心を持っていただけたようです。

 

             (技術開発部 猪木博雅)

 

 

 

 

☆ 平成21年度新規共同研究者決定 ★

 

平成21年度から新規に開始する共同研究について、3月5日(木)技術委員会で審議が行われ、下記のとおり共同研究者を決定しました。

 

(公募型共同研究)

1. 下水道コンクリート構造物の長寿命化に関する技術の開発

下水道施設のコンクリート構造物ついては、経年劣化に対する適切な対策が求められています。従来研究開発を進めてきた硫酸腐食に加えて、炭酸ガスやオゾンによる腐食環境に対応するための劣化防止技術、またはコンクリート構造物の劣化防止技術、劣化診断技術等の開発を目的としています。

 

・ 住友大阪セメント梶E東和耐火工業梶F無機系材料による防食材料の開発、および低粉塵吹き付け工法による工期短縮技術の開発

・ 日本ジッコウ梶F無機系材料による防食技術の開発

・ 潟_イフレックス:無機系材料による防食技術の開発

・ 早川ゴム梶Eアサヒコンサルタント梶Fコンクリート構造物のひび割れ解析技術の開発

 

2. 下水道システムにおける有用資源回収技術の開発

国際的なリン資源枯渇による価格の高騰を受けて、リンの回収は喫緊の課題となっています。このため、下水処理施設内において様々な形態で存在するリン資源を対象として、実用的な回収技術の開発を行います。

 

・ 旭化成ケミカルズ梶Fリン吸着剤を用いた下水二次処理水からのリン回収システムの開発

・ 東芝梶Fリン吸着剤を用いた下水二次処理水からのリン回収システムの開発

・ 荏原エンジニアリングサービス梶F嫌気性消化汚泥からのリン回収技術の開発

 

(提案型共同研究)

・ メタウォーター梶F温室効果ガス排出削減を目的とした循環型多層焼却炉の開発

・ JFEエンジニアリング梶F金属パネル式超微細気泡散気装置の開発

 

 

 

☆ 記者発表4.10 JS技術評価委員会「オゾン処理技術の技術評価」を答申 ★

 

平成21年4月10日(金)「オゾン処理技術の技術評価」について、技術評価委員会の松尾友矩会長(東洋大学学長)より澤井英一日本下水道事業団理事長に答申されました。

 

「オゾン処理技術の技術評価」は、平成20年3月、日本下水道事業団理事長より技術評価委員会へ諮問したもので、その審議結果が「オゾン処理技術の技術評価に関する報告書」として取りまとめられ、この度答申されたものです。

 

詳細は日本下水道事業団HP記者発表をご覧ください。↓

http://www.jswa.go.jp/info/02press-rease/h21/210410kisya.pdf

 

 

 

☆ 読者の声 下水神社レポート ★

 

※写真がPDFで添付されています。

 

JS技術開発情報メール87(2009.2.3)に掲載された部長コーナー「発見!?下水道の神様」の記事について沖縄県の小橋川様から嬉しい反響が届きました。これからも皆様からのご感想をお待ちしています。

 

 

こんにちは 沖縄県の小橋川と申します。

JS技術開発情報メール87(2009.2.3)の下水道よもやま話<発見!?下水道の神様>の記事(村上部長)で、静岡県の御前崎市に「下水神社」という神社が実在するとの話を聞き、こういう話にすぐ反応する私としては、「これはぜひ行かなくは!」と思っておりましたが、先日、東京に行ったついでに御前崎市まで足を伸ばしてきました。(物好きな私は、以前にも江戸時代の土木事業の祖である角倉了以が京都嵯峨・嵐山にまつられていると聞き、飛んで行ってお参りしたことがありす。)今回は「下水道関係者の旅行会で御前崎に行き、海の幸を堪能した後、「下水神社」に参拝して、一同で下水道事業の益々の発展を祈願する」という、村上部長の提案に賛同しての小旅行です。

 

行きは特に急ぐこともないので、東京発各駅停車の鈍行に乗り、のんびりと車窓からの風景を眺めながらの旅で、まずは静岡まで約3時間。JR静岡駅前で車を借り、レンタカー会社の担当のアドバイスに従い国道1号バイパス、掛川、菊川経由で御前崎のホテルまで、道の駅での休憩を含めて約2時間。結局昼12時過ぎに東京を発ち御前崎のホテルに着いたのは夕方7時頃でした。その日の夜は、地元の海の幸とお酒を大いに堪能したのは言うまでもありません。

さて、翌日は午後4時羽田発の飛行機に乗らねばならないため、早起きして旅の主目的である神社へ向かいました。小さな公園が神社に隣接しておりそこに駐車すれば便利です。確かに、第1鳥居の上部と第2鳥居の側の立標に下水神社と書いてあります。やはり何となく親しみを感じながら60段ほどの階段を上ると、そこには厳かで風格のある拝殿がありました。神社の由来を調べようと思いましたが、社務所には誰もおらず、ぐるりと境内を見渡してもそれらしきものを記した案内板もありません。ともあれ、しっかりと下水道事業の発展とついでに家内安全をお祈りし、神社を後にしました。

 

下水神社から2分程車を走らせたところで、ふと道路看板を見上げると「すいすいパーク」とあります。ひょっとして下水道関係?と思い、すぐさま左折してその施設へ行ってみると、そこは御前崎市民プールでした。それでもやはり、「下水神社」といい「すいすいパーク」といい、この地は下水道に縁があるに違いないと少し愉快な気持ちになりました。

帰り際、土産に下水ケーキなる地元菓子があれば面白いと思いましたが、さすがにそれはなかったので普通の抹茶ケーキらしきものを買って帰りました。

 

皆さんも、下水神社の参拝と御前崎の海の幸を堪能しに出かけてみませんか?

地域興しになるかも知れませんよ。

ちなみに、「下水神社」は「しもすいじんじゃ」と読むそうです。

 

     (沖縄県北部土木事務所 技術総括 小橋川恒夫)

     

 

 

 

━━☆★ いまさら訊けない下水道講座 45 ★☆━━

 

<下水汚泥のエネルギーランキング>

 

※ PDFファイルで全文が添付されています。

 

下水汚泥のエネルギー利用がますます加速しそうです。3月に国土交通省下水道部が「下水道における地球温暖化防止推進計画策定の手引き」を公表しました。具体的な対策として、「消化ガスの積極利用」や「汚泥燃料の利用」が位置づけられています。すなわち、汚泥をエネルギーとして徹底的に利用すべしということです。

 

ここで素朴な疑問ですが、世の中にエネルギーは星の数ほどありますが、下水汚泥のエネルギーとしての価値はその中でどのくらいの順位にあるのか?エネルギーランキングです。消化ガスの発熱量は約22MJ/m3です。汚泥燃料は約19MJ/kg※1です。他の燃料はどうでしょうか。環境省と経済産業省が公表しているマニュアル※2によると、一般的な燃料である都市ガスが41MJ/m3、石炭が27MJ/kgですので下水汚泥エネルギーの1.3〜2倍程度です。下水汚泥エネルギーの発熱量は他の燃料より小さいといわざるを得ません。

 

しかし、発熱量だけを見て悲観することはありません。下水汚泥エネルギーは他にはない圧倒的な魅力を秘めているのですから。一つは安定した供給量です。石油系燃料は「採掘可能年数あと○年」などとよく言われます。下水汚泥エネルギーの採掘可能年数は「人類がいる限り」です。そしてなんといっても一番の魅力は「純国産」であることです。原油などはその大部分が中東に埋まっています。こう考えると下水汚泥エネルギーはエネルギー界でのトップランカーと言っても過言では無いでしょう。

 

ただ一つの課題は下水汚泥エネルギーの源となる食料自給率を上げることでしょうか。

 

※ 1 汚泥性状によってい変動があります。

※ 2 「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」(平成20年5月環境省・経済産業省)

 

(元技術開発課、現:熊本県土木部下水環境課 茨木 誠)

 

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

<活性汚泥法に“発想の転換”が必要>

 

活性汚泥法の設計・運転管理は、現在の技術的知見で十分で、新たな技術開発は要らないと考えている人が多いと思います。

 

循環型社会への転換、低炭素社会の構築が求められる中で、従来の『下水を排除・処理する一過性の下水道システム』から『下水中に集めた物質を資源・エネルギーとして活用・再生する循環型システム』への転換を図る上で、活性汚泥法には、まだまだ技術開発の余地があります。

 

次のような「計画放流水質のレベルと水処理プロセス」の関係が、いまや下水道実務者の常識となっています。

 @二次処理には、標準活性汚泥法やオキシデーションディッチ法を採用、A高度処理(窒素・りん)には、凝集剤添加のステップ流入式硝化脱窒法や嫌気無酸素好気法を採用、B超高度処理(窒素・りんの他にCOD)には、「Aに物化学処理(砂ろ過+オゾン処理+生物活性炭ろ過)の組合せ」が有効、等です。

 

これらの知見は、下水道管理者に求められる計画放流水質のレベルアップに対して、活性汚泥法を中心に『単位プロセス』の改良、追加を行ってきた成果です。

 

日本がほぼ全量を輸入に頼っていて世界的に需要が逼迫している『りん』は、輸入量の14%が下水道に流れ込んでいるという事実から、下水道は、非常に大きな『りん』の回収源になりえますので、水処理だけではなく汚泥処理も含めて、『単位プロセス』から『全体システム』に発想を転換し、効率的に質の良い『りん』回収が可能な活性汚泥法の施設設計や運転管理をわかりやすく体系化することが必要です。

 

日本下水道事業団技術開発部では、二次処理水から、良好に『りん』を除去ならびに回収することを目的に、共同研究「りん吸着剤を用いたりん吸着回収システムの開発」を実施する予定です。また、りん蓄積細菌を活用した活性汚泥法や、反対に、処理水から積極的にりんを回収するため、活性汚泥法で『りん』をほとんど取らない方法など、『リン回収』をキーワードに、活性汚泥法の新たな開発・評価を検討しています。

 

りん回収や嫌気性消化によるメタン回収、省エネルギーを促進するためには、『従来技術とは異なる活性汚泥法の設計・運転管理』手法への転換が求められており、歴史を学んだ上で、“Be creative”(創造的で、積極的に発想を転換)の精神で、新たな活性汚泥法の歴史を作る必要があります。

 

             (先端研究役 中沢均)

 

 

 

 

 

━━☆★ 部長コーナー ★☆━━

 

<戸田に桜の名所有り>

 

※写真がPDFで添付されています。

 

早いもので、平成21年度の始まりとなりました。年度の変わり目といえば、桜の季節です。埼玉県戸田市下笹目の技術開発研修本部あたりでは、今年の桜は、ちょうど入学式の頃に満開となりました。こちらに来られたことのある方は、ご存知かもしれませんが、技術開発研修本部の近くには小さな川が流れており、その両岸に桜並木が続いています。桜の木は、多分、樹齢30年程度だろうと思いますが、満開になると川の両岸が真っ白になり、それは見事な光景です。

また、この桜並木はかなりの距離にわたって続いているので、川沿いに歩くと満開の桜を存分に楽しめます。ここは桜の名所と言っても良いと思いますが、何せアクセスが悪いので、花見客は近所の人だけです。それでも、満開時にはたこ焼き・いか焼等の夜店もパラパラと出るようです。この隠れた、あまり人の来ない桜の名所で満開の桜を眺めるのは、技術開発研修本部でのこの時期の大きな楽しみです。

 

さて、桜が散ってしまう頃になると、新年度の業務も本格的にスタートです。今年度も「サクラサク」を目指して頑張りたいと思います。

           (技術開発部長 村上孝雄)

 

 

 

 

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