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技術開発

JS技術開発情報メールNo.97

 

 

日本下水道事業団(JS)

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       2009・12・8

    JS技術開発情報メール No.97

━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆JS技術開発部

 

(目次)

◆トピックス

<第59回技術評価委員会開催報告>

<JS技術開発成果報告会(大阪)開催報告>

<記者発表12.2 H22新規共同研究者募集>

◇部ログ

<ウイルス>

◆要語集3

「分離メタン発酵」

◇下水道よもやま話

<平成時代20年>

◆部長コーナー

<田中先生の思い出>

 

 

 

━━☆★ トピックス ★☆━━

 

☆第59回技術評価委員会開催報告★

 

11月30日(月)に第59回技術評価委員会(会長:松尾友矩東洋大学教授)が本社で開催されました。

 

今回の委員会では、平成22年度開始の公募型共同研究のテーマ(3テーマが了承)、実施中の開発技術の中間評価(1テーマ)、完了した開発技術の完了評価(2テーマ)などを審議いただき、各議題に対し、有意義な助言、提言を多数いただきました。

なお、平成22年度から開始する公募型共同研究のテーマについては、12月2日に記者発表を行いました。

 

 

 

☆JS技術開発成果報告会(大阪)開催報告★

 

11月28日(水)、大阪科学技術センター会議室において、標記の報告会を開催しました。

 

これは、10月25日に東京・四谷で開催したJS技術報告会の午後の部と内容は同じですが、より多くの自治体や民間の方々に技術開発部の取組みを知っていただくために大阪で開催したものです。49人の参加があり発表者と聴講者の距離も適度に近くうちとけた雰囲気の報告会でした。

 

 

 

☆ 記者発表 12.2★

 

<平成22年度新規共同研究者の募集について>

 

日本下水道事業団では、年々多様化する下水道の技術的課題に対して、企業等と共同で研究を進めることで、新たな技術の実用化を促進しています。

 

この度、公募で寄せられた提案をもとに、外部委員会の審議を経て、新たな課題を決定したので、共同研究者を募集します。

 

詳細は日本下水道事業団HP/新着情報/

http://www.jswa.go.jp/info/02press-rease/h21/211202kisya.pdf

 

 

 

 

━━☆★ 部ログ  ★☆━━

 

<ウイルス(Virus) 前半:ウイルスは処理できる?>

 

編集委員:それでは、今回は「ウイルス」というテーマでDr.橋本総括主任研究員にお話してもらうことにします。それではドクター橋本!よろしくお願いします。

 

Dr.橋本:ウイルスというと一般的な話になりますので、今回は私から皆さんに質問する形で進めたいと思います。

 

一同:エー!逆バージョンですか?(^^;)

 

Dr.橋本:【第1問】「ウイルス」と「バクテリア」の違いは?

 

一同:・・・(^_^;))))))コソコソ

 

Dr.橋本:((・・?)エッ!、下水のプロなのに誰も知らないの・・?)

 

編集委員:ウイルスは単独で増殖できない[T.H.2]?、(^。^;)・・

 

Dr.橋本:正解です!(*^_^*)。ウイルスは生物か、非生物かという議論もあります。これは、バクテリアを含む生物の細胞は自己増殖が可能ですが、ウイルスは自己複製ができず、寄生した宿主の細胞の中でのみ増殖できるためです

(一同:ホ〜!)

 

編集委員:大きさも違うのでは。

 

Dr.橋本:そうです。今日は冴えていますね。バクテリアが幅0.1マイクロ×長さ1.0マイクロメートル位なのに対して、ウイルスは数十ナノメートル程度で非常に小さい。DNAやRNAの周りにたんぱく質の殻があります。(1マイクロメートルは1mmの1000分の1、1ナノメートルは1マイクロメートルの1000分の1)

 

Dr.橋本:ここで【第2問】、それでは辻君!下水道に入ったウイルスはどうなるのでしょうか?

 

辻:(^^;)・・・、増えない?減らない?どっちでしょうか?・・・

 

編集委員:宿主がいないから増えないのでは?

 

Dr.橋本:大正解です!(一同:さすが技術開発課長!(^^)//)、下水道に入ったウイルスはそのまま下水処理場に流入します。それでは【第3問】、処理場の中ではどうでしょうか?

 

編集委員:活性汚泥にくっついたりして多少は減るのでは?量は分かりませんが、・・

 

Dr.橋本:そう、活性汚泥処理で“ニログ”くらいは減ります。

 

編集委員:“ニログ”?、“ブログ”ではない?

 

Dr.橋本:“2log”すなわち100分の1くらいにはなります。大部分は活性汚泥に吸着されます。汚泥の分析結果をみると、検出できるのは吸着されたもののうち数パーセントですから、大半は活性汚泥中の微生物に食べられたり分解されたりしているようです。

 

編集委員:膜分離活性汚泥法では、ウイルスは膜の孔より小さいですが、ウイルスが活性汚泥に吸着して除去されるため、ウイルスもほとんど除去できています。

 

一同:さすが膜の専門家!(^^)//

 

Dr.橋本:ここで【第4問】、ウイルス、バクテリア、原虫、さて[T.H.8]塩素消毒が効く順番は、どうなるでしょうか?

 

編集委員:想像もつきません?・・

 

編集委員:クリプトは塩素消毒が効かないと聞いたことがあるので、それよりは塩素に弱いのでは?

 

Dr.橋本:そうです。塩素の効き方はだいたい殻の厚さに比例するので、大腸菌などのバクテリアが一番弱く、次がウイルスです。グラム陽性菌のバチルス菌などは皮が厚いので効き難く、クリプトスポリジウムなどの原虫はさらに効かないことになります。

 

一同:( ̄。 ̄)ホー。

 

Dr.橋本:ノロウイルスは人にしか感染しないため、これまで測定することができませんでした。近年、ノロウイルスの遺伝子を検出して測定する方法が確立され、ノロウイルス[T.H.10]もかなり除去できることが分かってきています。

 

一同:(゚_゚)フムフム。

 

Dr.橋本:ところで、昔はノロウイルスの消毒効果を試験するために、人の糞便から精製したノロウイルスを被験者に飲んでもらって下痢を起こすかどうかで判定したそうですよ。

 

編集委員:私にはとってもできません。('-'*)フフ

 

一同:絶対下痢にならないから、大丈夫、大丈夫!!

 

編集委員:(面白そうだけど、早口だし、難しくってよく分からん!後で部ログで勉強することにして・・)

◆只今「We留守中」(うぃるすちゅう)」!?◆(-_-)_zzz%%%・・・

 

※後半<騒いでいるのは日本だけ?>はメルマガ99号に掲載予定です。

 

    (編集:技術開発部 川口幸男)

 

 

 

 

 

━━☆★ 要語集 4 ★☆━━

 

※PDFで全文が添付されています

 

<分離メタン発酵>

 

【解説】下水処理場から発生する汚泥には、大きく分けて最初沈殿地から引き抜かれる初沈汚泥と最終沈殿地から引き抜かれる余剰汚泥の2種類があります。

 

従来、これらの汚泥を区別することなく混合汚泥として処理・処分されてきましたが、両者の汚泥性状は大きく異なっており、バイオマス資源として利活用を検討する場合においては別のものとして考えることが望まれます。

 

最初沈殿池汚泥の成分組成は野菜くずなどの炭水化物系が主体で、微生物によって比較的容易に分解(腐敗)されるのに対し、余剰汚泥は活性汚泥微生物細胞などのたんぱく質主体の成分組成を示し、とくに頑丈な細胞壁によってガードされていることから容易には微生物分解は受けにくい(腐敗しにくい)特性を持っています。

 

同じ条件で汚泥のメタン発酵特性すなわち有機分の分解率やメタンガス発生量を調べると余剰汚泥のそれは初沈汚泥の1/2〜1/4に過ぎません。

 

しかし、余剰汚泥中には植物の成長に欠かせない窒素やりんといった貴重な肥料成分が、初沈汚泥の3〜5倍多く含まれています。また、重金属類の含有量も相対的に低い傾向を示しています。

 

以上のような各汚泥の特性を考えれば、初沈汚泥はメタン発酵によるエネルギー回収原料として利用し、余剰汚泥は乾燥もしくはコンポスト化による緑農地利用という姿が浮かんできます。

 

このように、余剰汚泥をメタン発酵の対象から除き、初沈汚泥のみをメタン発酵の対象とすることを「分離メタン発酵」と呼んでいます。

 

分離メタン発酵の採用により生じた消化槽の余裕分は、家庭で発生した生ごみを受け入れ、未利用バイオマスのエネルギー転換回収に役立てることが可能となります。

 

         (技術開発部 島田正夫)

 

 

 

 

━━☆★ 下水道よもやま話 ★☆━━

 

<平成時代20年>

 

冒頭から私事で恐縮ですが、先日、JS勤続20年の表彰を理事長より頂戴しました。

 

私がJSに入社したのは、今の天皇が即位された平成元年の4月のことですが、当時、オキシデーションディッチ(OD)法を採用する処理場は50に満たない数でした。その後の10年、JSでは数度にわたる設計指針や標準図等の改訂を行い、10年後にはOD法を採用する処理場の数は500を超えました。更にその次の10年、高度処理OD法の調査研究の成果を踏まえ、第3次の技術評価とそれに伴う標準設計の改訂が行われ、20年を経た現在では、全国の下水処理場のおよそ半分に当たる1,000ヶ所近くにまで至っています。

 

また、私が入社してちょうど10年目の平成10年から第1次の膜分離活性汚泥法(MBR)の共同研究が開始されました。それから10年、技術評価の実施や設計要領の制定、第2次・第3次の共同研究を経て、現在では10ヶ所のMBRが稼動しています。そして、近年、既存施設の再構築による高度処理化や下水処理水再利用等の切り札として、MBRへの関心と期待が非常に高まっています。

 

このように私が下水道に関わらせて頂くようになった平成時代の20年を振り返ると、およそ10年を節目としてOD法、MBRと、次の10年、20年のコアとなる技術が開発・実用化されてきたことがわかります。

 

地方財政の疲弊や膨大なストックの改築更新等、下水道事業を取り巻く情勢はますます厳しくなる一方で、温室効果ガス削減による低炭素社会の構築や、資源・エネルギーの再生・創生による循環型社会の形成等、下水道は新たな役割への貢献も求められています。平成時代、そして私自身も20年目の節目を向かえ、10年後、20年後にあの時代はいったい何をしていたのだと言われぬように、今何をどのように取り組めばよいか、取り組むべきか、悶々と悩む日が続いています。

 

        (総括主任研究員 橋本敏一)

 

 

 

 

━━☆★ 部長コーナー ★☆━━

 

 <田中先生の思い出>

 

前日本大学教授の田中和博先生が、去る11月13日に逝去されました。田中先生は、昭和63年度から平成3年度までJSの技術開発部長を勤められ、JSを退職された後は日本大学理工学部土木工学科教授として下水道技術の教育・研究開発にあたる一方、JSの評議員や技術評価委員会委員として、下水道やJSに対して多大な貢献をされました。

 

田中先生は、私が技術開発部(当時は試験部)に初めて配属された時(1980年)の直属上司でした。当時、先生はまだ主任研究員になったばかりで、琵琶湖流域下水道の高度処理調査や熱海市下水処理場の機能改善調査等の仕事を一緒に担当しました。

 

当時の先生は、なかなかに厳しい上司で、よく「お前、何をやってるんだ」と叱られ、また、報告書等の原稿には辛口のコメントをもらったものですが、先生は常に若手職員の指導育成を強く意識しておられ、今、振り返って見ると、本当に的確かつ有益なご指導を賜ったものだと思います。

 

当時は、まだ、パソコンという便利な物は無く、原稿は全て手書きの時代でしたが、田中先生の手書き原稿には大きな特徴がありました。それは、「に」の字がアルファベットの「K」の字のように見える独特の書き方だったことです。このため、報告書原稿を印刷屋さんに出して校正稿が帰ってくると、「に」が全て「K」になっており、田中先生がぼやきながら、それを再度、全て「に」に直されていたものです。

 

また、熱海市下水処理場の調査では、当時、処理場がホテルの地下に建設されたため、活性汚泥法の生物反応タンクと最終沈殿池を一体化したコンパクトなプラントが導入されていましたが、処理がうまく行かないため、あの手この手で何とか処理水質を改善しようという調査でした。熱海には、打ち合わせに頻繁に通っていましたが、ある夏の夕方、その日が丁度熱海の花火大会だったので、処理場の方々のご好意により、打ち合わせ終了後、管理棟から花火を見物しましょうということになり、間近に花火を堪能しました。お酒が余り飲めない田中先生も、ビールを片手に大変喜んでおられたのを昨日の事のように思い出します。

 

葬儀の日、田中先生の遺影はタバコをくわえた柔和な笑顔で、見ていると「お前、何をやってるんだ」と言う先生のあの独特のダミ声が聞こえて来そうな気がしました。68歳という年齢でのご逝去でした。まだまだ、これからも何かにつけて叱咤激励を頂きたかったという残念な思いで一杯です。

 

謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

 

           (技術開発部長 村上孝雄)

 

 

 

 

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