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技術開発

JS技術開発情報メール No.266

 

■◇■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JS技術戦略部 ━

いつも「JS技術開発情報メール」をお読みいただきありがとうございます。
年の瀬が迫って参りました。今年最後にお送りするメルマガです。
来年も引き続きご愛読いただきますようお願いいたします。
そして皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。

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【 もくじ 】

『1』 はじめに
 ◆ ♪あといくつ寝るとお正月♪ 
        (技術開発室長 弓削田 克美)

『2』 下水道よもやま話 
 ◆ たまには学生時代の研究の話でも
        (技術開発室 総括主任研究員 糸川 浩紀)

『3』 国際戦略室からのお知らせ
 ◆ フィジー出張について (国際戦略室)

『4』 編集後記

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『1』 はじめに 
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「♪あといくつ寝るとお正月♪」

小さい頃に歌っていた滝廉太郎作曲の唱歌の出だしで始めてみました。
この出だしに続く歌詞は、♪お正月には餅食べて♬ と記憶していました。
この原稿を書く準備のために正調の歌詞を確認したところ、一番には♪凧あげ・こま回し♬、二番には♪まりつき・おいばね(羽根つき)♬と正月の遊びが表現され、「餅を食べる」の表現がないことが発覚しました。ずっと♬餅食べて♪と 歌っていたような気がするんですが、どこで間違えたんだろう?歌詞も人生も…

今は一年中個包装の餅が売られいつでも食べることができますが、昭和中頃は正月だけしか餅を食べる機会がなかったのですごく楽しみにしていました。私の餅好きは相変わらずで、今は餅つくり機能付のホームベーカリーで年に数回餅を作ったりもしています。ホームベーカリーで作る餅は心なしか柔らかい気がしています(もちろん水分量を少なめに調整していますが)。よく考えるとホームベーカリーでは練り工程はありますが、搗き工程がありません。餅つくりでは練り五割搗き五割なんて言葉がありますが、ホームベーカリーでつくる餅は半完成品ってことなのか?気になりました。

餅の組織は大きく、糯米※ⅰ 粒組織の残存部、糯米粒から流出した澱粉ペースト、気泡から構成されています※ⅱ。搗く式の餅つき機で作った餅は残存米粒が多く、残存粒径が大きい。一方の練り式の餅つき機で作った餅は、餅米粒が細かく破壊されて、糯米粒から流出した澱粉ペースト量が多く、さらに含有気泡量が多いとの研究結果※ⅲを見つけました。確かに搗くことで空気が押し出されますから、搗き工程がないと含有気泡量は多くなります。100MPaで高圧処理すると含有気泡量が減ると同時に煮溶ける量が減るとの研究結果※ⅳがありましたので、含有気泡量は煮溶けることに関係しているようです。

蒸した糯米を臼に入れ、杵※ⅴを使って(搗き工程で臼の外に飛び出さない程度に)まず練って(これが重労働!)、そこから搗く。これを機械で行っても残留米粒が多く、残留粒径が大きいなら、人力ではもっと残留米粒が大きく残留粒径が大きく、澱粉ペースト分が少ないだろう(空気量はちょっと多い?)と考えられます。そうなれば柔らかすぎない粘りのある餅ができそうです。。

ここまで考えていて、昔よく言い聞かせられた言葉「餅を搗きすぎると柔らかくなるから、搗きすぎてはいけない」を思い出しました。搗き過ぎたら残留米粒が少なく、澱粉ペーストが多くなってしまうことを戒める内容だったんですね。ようやく合点がいきました。

以上から、練り工程は重労働なのであまりつぶさないように練り工程を機械に任せ、その後臼と杵で搗くとおいしいお餅ができそうってことが想定されます。さっそく試してみたいところですが、私のホームベーカリーには練り度合いの調整機能がないし、もちろん臼と杵もないので、実証はできません。私は練り工程のみで作る餅を食べるとし、どなたか実証していただきますようお願いします。

新年がみなさまにとって良い年であることを祈念いたします。
引き続きこのメールマガジンをよろしくお願いいたします。


※ⅰ 糯米:糯性(粘り気が多い性質。今風に言うとアミロースをほとんど含まない性質)をもつ米のこと。“糯”米を蒸した状態(強飯(おこわ)とか赤飯の状態です)から練って搗いて作ったものが“餅”と漢字が変化します。“餅”の元々は小麦粉などをこねて蒸して作る食品を意味している漢字なので、漢和辞典的には“餅”米は違和感がある表現となります ※ⅱ Y. ISONO, E. OKAMURA and T.FUJIMOTO:Agric.Biol.Chem.,54, 2941-2947 (1990), 54,2949-2952 (1990). ※ⅲ 永島伸浩 澱粉科学第39号 P22-31(1992年) ※ⅳ 野呂渉, 佐藤和人, 赤石隆一郎, 本間紀之, 吉井洋一, 山本和貴 高圧処理が餅の調理性に及ぼす影響 (2009年) ※ⅴ 杵はもともと、竪型の中細形状(月の表面の兎が持っている形)だったようです。臼とセットで今では餅つき専門みたいですが、稲穂から脱穀し精米する、穀類から粉を作るなどが主務でした。今の横杵は江戸時代に餅つきの効率化のためか登場したようです。確かに横杵なら重い部分を臼から持ち上げやすく、あとは杵の自重で搗けるので搗き工程が楽になったのでは。てこの原理を利用した踏み臼から考えたのかもしれません

(技術開発室長 弓削田 克美)

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【2】下水道よもやま話
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「たまには学生時代の研究の話でも」

そろそろ「よもやま」のネタが尽きてきたこともあり、今回は私が学生時代にやっていた研究の話をしたいと思います。私が手掛けていた研究テーマ(排水処理過程でのN2O発生)が、最近になって、地球温暖化対策の取組み強化につれて注目度が上がっており、何か複雑な心境だから…ということで。むかし話をし出すとは年寄りくさいなぁ、と思いつつ、興味を引かれた方はお付き合いください・・・

▼続きはHPで↓
https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/y/pdf2/y238.pdf

(技術開発室 総括主任研究員 糸川 浩紀)

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【3】国際戦略室からのお知らせ
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「フィジー出張について」

10月に案件形成調査の一環として、フィジーにてセミナーとワークショップを実施しましたので、それらについてお話しします。今回は、JSだけではなく、自治体や企業の方と一緒に渡航したため、色々と準備が大変でした。

まず、渡航時期について昨年冬時点では、11月ごろに渡航することぐらいしか決めておらず、2か月位前の日本側参加団体間の協議から具体的な日程を調整していきました・・・

▼続きはHPで↓
https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/266-1.pdf

(国際戦略室)

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【4】編集後記
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ただ今、生成AI試用期間中でして、編集後記の執筆をちょっとズルしてみようと、お節料理について数行の記事にしてもらいました。「お正月料理といえば「お節料理」ですが、その内容は地方により大きく異なります。関東では田作りのような甘辛の味付け、一方関西では八幡巻きに代表される淡泊な味付けが好まれます。北海道では数の子やズワイガニを用いた豪快なお節が、一方沖縄県では豚肉をメインにした地元風のお節が楽しまれます。(原文そのままコピー)」と作成されました。ほほぉー…。指示通り数行…簡潔…。内容、間違ってないよね…。さて、どう仕上げまひょ…。作成された文章を精査するにも膨らますにも最終的には「私」が行うわけで、しかし「私」が各地のお節を熟知しているわけでもなく、ググって調べよう(AI試行の意味なし(汗))としたら、この時期はお節情報が満載で「私」の頭ではまとめきれず…。「私」自身がまだAIを使いこなせるスペックではないようです。今回のAI試行でわかったことは、AIと共に「私」の学習効果を高めないといけないということでありました。

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