技術の特徴
OD槽内に設置する2つの溶存酸素濃度計(DO計)の測定値から、曝気装置および水流発生装置を自動制御する技術です。流入負荷量に応じた最適な曝気風量および循環流速で運転することにより、効率的かつ安定した水処理が可能となります。
導入対象・規模
- 適用対象:新増設および設備更新時
- 適用処理方式:OD法、高度処理OD法
- 反応タンク容量として、馬蹄形の場合は1,000m3/池以上、長円形の場合は1,500m3/池以上が目安。また、プレハブ式ODには導入不可。
メリット・デメリット
メリット(導入効果等)
- 消費電力を約30%削減可能(縦軸型曝気装置の標準設計との比較)。
- 流入条件によって、処理能力増強が可能。
⇒ し尿等受入れや処理場統廃合等の際、ライフサイクルコスト(LCC)の縮減が可能。
デメリット(留意事項等)
- 施設状況や運転方法、流入条件などにより導入効果が異なるため、事前検討が必要。
- 設備更新時に導入する場合、土木躯体の改造や送風機室の新設が必要な場合がある。
導入推奨ケース
- 処理場の統廃合やし尿・浄化槽汚泥の受入れに伴い処理能力を増強したいが、将来の人口減少が予測されており、LCCを可能な限り削減したい場合におすすめです。
- 設備更新に合わせて、水処理に係る消費電力を抑えたい場合におすすめです。
具体的な導入事例・効果
導入施設の概要
水処理方式:OD法
処理能力(日最大):3,700m3/日
既設OD槽:4池(1池は躯体のみ)
導入目的及び理由
し尿・農業集落排水の受入れにより、既設処理能力では不足。
一方、将来的には流入水量が減少するため、水処理施設(土木躯体)の増設を回避。
導入効果 (導入検討段階の数値)
既設OD槽2池に新技術を導入することにより、OD槽の増設が不要になるとともに、消費電力量の削減により、既計画と比較して、維持管理費で年間約6百万円、LCCで年間約5百万円縮減。
- 既設反応タンクの2池に本技術を導入し、高負荷運転を実施(処理能力増強)。
- 従来手法と比較して、新系列の増設が不要となり、消費電力量、LCCを縮減。
JS導入実績 (R3.6時点)
- 全8件で導入決定済
【内訳】 供用済: 6件、計画中2件