技術の特徴
アナモックス反応とは、増殖に酸素や有機物を必要としないアナモックス細菌の働きにより、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を窒素ガスに変換する反応です。
これを窒素除去に利用することで、有機物の添加が不要となり、必要酸素量や汚泥発生量を削減できるため、従来の硝化脱窒法と比べ、省エネ・省コスト化が可能となります。
なお、本技術には、反応槽形式や使用担体、プロセス構成等の異なる、複数のプロセスがあります。

窒素循環の模式図

アナモックス反応を利用した窒素除去技術の処理フロー
導入対象・規模
- 本技術は、高窒素濃度・高水温の排水の処理に有効であるため、嫌気性消化汚泥脱水ろ液の個別処理(返流水処理)が対象となります。
メリット・デメリット
メリット(導入効果等)
- 従来技術と比較して、建設コスト(反応タンク容量の縮小等)や維持管理コスト(電力費、薬品費、汚泥処分費等)の削減が可能。
- 返流水の窒素負荷削減により、水処理施設における送風量削減や放流水窒素濃度の低減が可能。
デメリット(留意事項等)
- 流入水質や個別のプロセスの特性に応じて、前処理(流量調整、SS・有機物除去等)の検討が必要。
- 初期に投入可能なアナモックス汚泥の量や濃度によっては、立上げに長期間を要する。
- 導入効果について検討が必要。
導入推奨ケース
- 嫌気性消化由来の窒素負荷量を低減したい場合(個別処理新設、嫌気性消化新規導入、外部バイオマス受入れ等)や、既存の個別処理施設の省エネ化・省コストを図りたい場合におすすめです。