処理能力を増強したい

処理場統廃合、し尿等受入れ、工事期間中の能力減少等

解決策12

標準法等で既存施設を活用し、処理能力を増強します。

JSが提案するソリューション技術

既存の水処理施設を活用して処理能力の増強(処理水量の増加)が可能な『処理能力増強技術』をご提案します。

技術の特徴

中長期的な流入水量変動への対応のイメージ

流入水量の増加等に伴い、一時的に処理能力が不足する場合、従来は水処理施設(土木躯体)の増設が必要でした。本技術は、既存の水処理施設(最初沈殿池、反応タンク、最終沈殿池)の土木躯体を活用し、処理能力の増強(処理水量の増加)を図ることで、増設を回避し、ライフサイクルコストの縮減を図ることが可能です。

導入対象・規模

  • 各種活性汚泥法施設(オキシデーションディッチ法を除く)が対象です。

メリット・デメリット

メリット(導入効果等)
  • 土木躯体の増設を避け、処理能力の増強を図ることで、改築更新や増設に係る建設コストの縮減が可能。
  • 流入水量に応じた適正な処理を行うことで、電力費等の維持管理コストの縮減が可能。
デメリット(留意事項等)
  • 既設躯体内に新たな設備を設置するため、躯体の改造が必要。

導入推奨ケース

  • 処理場の統廃合やし尿・浄化槽汚泥の受入れ等により、既存施設の処理能力が不足し、増強が必要であるが、将来、人口減少等により流入水量の減少が予想される場合におすすめです。
  • 設備の更新を行いたいが、工事期間中の処理能力に余裕がない場合におすすめです。

LINE UP技術ラインアップ

最初沈殿池代替:初沈代替高速ろ過システム

特徴
  • 専用の浮上ろ材を用いた上向流式の高速ろ過システムで、SS・浮遊性BODの除去性能を向上。
  • 単位面積当たりの処理水量が大きく、省スペース化が可能。
メリット (導入効果等)
  • 既設躯体を改造する場合、施設面積を1/2~2/3に縮減。
  • 初沈と比べSS・浮遊性BODの除去率が高く、生汚泥の回収量が増加することで、消化ガス発電等によるエネルギー回収効率の向上が可能。
デメリット (留意事項等)
  • 既設改造による導入の場合、ろ過池の流入~流出水位の関係や、有効水深、強度等に留意が必要。
  • システム全体を安定的に運用するためには、洗浄排水濃縮槽の運転管理に留意が必要。

 

反応タンク:担体投入活性汚泥法(リンポープロセス) 処理水量増加対応型

特徴
  • 反応タンクに添加した固定化担体に活性汚泥を保持させ、反応タンク内全体での微生物濃度を高めることにより、処理水量の増加を可能とする技術。
メリット (導入効果等)
  • 反応タンクや最終沈殿池を増設することなく、処理能力を1.5倍程度に増強可能。
  • 担体の耐用年数は、一般的な機械設備と同等の15年以上。
デメリット (留意事項等)
  • 既存施設に導入する場合、担体分離装置や担体返送配管等の設置について検討が必要。
  • 担体に活性汚泥が十分に保持されるまで、一定の時間が必要

 

処理水量増加対応型 処理フロー

固定化担体(リンポーキューブ)外観

反応タンク:膜分離活性汚泥法(MBR)  ▶ 解決策04 参照

最終沈殿池:最終沈殿池の処理能力向上技術

特徴
  • 最終沈殿池の下流部に、ろ材を充填したろ過部を設置し、上澄水中の浮遊物を除去する技術であり、処理能力の増強(量的向上)や処理水質の向上(質的向上)が可能。
メリット (導入効果等)
  • 量的向上:最大2倍程度の処理能力増強が可能(水質は既設同等)
  • 質的向上:急速ろ過施設と同等の処理水質(処理能力は既設同等)
  • 躯体増設不要のため、省コスト化・省スペース化が可能。
  • 設置に伴う運転停止期間が短い。
デメリット (留意事項等)
  • 活性汚泥性状(沈降性)の良否が性能の発揮に影響。
  • 既設最終沈殿池の構造や設備による制約がある(矩形池限定、上部開口必要、掻き寄せ機との干渉等)

ろ材部設置状況写真

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