技術の特徴

破砕・脱水機構付き垂直スクリュー式除塵機の外観
流入下水中のしさの処理にかかる複数の工程(除塵・破砕・搬送・脱水・排出)を一台で行うことで必要な機器点数の削減でき、しさ処理システムの省スペース化が可能です。 また、水中でしさを破砕し、しさ中の有機物が流下するため、排出するしさの臭気が抑制され、維持管理作業の衛生環境の向上が可能です。
導入対象・規模
- 対象施設:分流式の終末処理場またはポンプ場
- 取付先の水路形状:幅600mm以上、水路深さ7m以下、建屋の天井高さは水路深さ+3m以上
メリット・デメリット
メリット(導入効果等)
- 更新設備点数の大幅削減によるライフサイクルコストの削減(従来技術の70~50%削減)。
- しさ発生量の大幅削減(重量ベースで従来技術の5%以下※)。
- しさ中の有機物の削減(従来技術の約50%※)により臭気が抑制され、衛生環境が向上。
デメリット(留意事項等)
- 合流式は適用対象外。
- 本設備の設置で生じる上下流の水位差が許容範囲外となる場合は導入不可。
- 計画しさ発生量や設置場所、維持管理体制等に基づき、しさ搬出方法(人力/機械)の検討が必要。
※実証実験結果に基づく値であり、既存施設の運用状態により効果は異なります。
導入推奨ケース
- 除塵設備の更新に合わせて、しさ処理システムのコンパクト化やコスト削減、衛生環境の向上を図りたいとお考えの場合におすすめです。
具体的な導入事例・効果
導入施設の概要
処理能力(日最大):18,000m3/(日・水路)
排除方式:分流式
導入目的及び理由
- 汚水沈砂池のしさ除去に係る設備更新費用を縮減したい。
- しさの搬出を簡素化したい。
- 維持管理スペースが狭隘。
導入効果 (導入検討段階の数値)
- 既存システム(除塵機、しさコンベア、しさ洗浄機、しさ脱水機で構成)の単純更新と比較して、LCC(機械工事費、修繕費)が約80%に縮減。
- しさ発生量が大幅に削減されるため、人力による運搬が可能(1回/週程度)。
- 機器点数が少ないため、広い維持管理スペースの確保が実現。

設置状況例(床上部分)
JS導入実績 (R5.8時点)
- 全8件で導入決定済
【内訳】供用済: 5件、建設中1件、計画中2件