汚泥発生量を減らし処理・処分コストを削減したい

解決策24

最初沈殿池を有する施設で流入下水中の成分を利用し、脱水汚泥の低含水率化等を実現します。

JSが提案するソリューション技術

最初沈殿池(初沈)汚泥もしくは重量濃縮汚泥中の繊維状物を回収し、脱水助材として脱水機に供給することにより、難脱水性の一因である繊維状物不足を解消し、脱水性の向上を図る『下水汚泥由来繊維利活用システム』をご提案します。

技術の特徴


初沈汚泥および重力濃縮汚泥中の繊維状物を「回収ユニット」により効率的に回収し、これを脱水機供給汚泥に添加します。 これにより、脱水汚泥の低含水率化や安価な高分子凝集剤への変更、高分子凝集剤の添加率の低減等、脱水性能の大幅な改善が可能です。

導入対象・規模

  • 最初沈殿池を有している下水処理場が対象です。
  • 概ね20,000m3/日(日平均流入水量)以上でコストメリットが得られます。

メリット・デメリット

メリット(導入効果等)
  • 脱水性能の改善(低含水率化・低薬注率化)
  • 維持管理コスト(薬品費、処分費等)の縮減。
  • 脱水性能の安定化。(汚泥性状の変動に対して、安定した含水率での運転が可能)
デメリット(留意事項等)
  • システム導入コストの回収。(一定規模以上の処理場で回収が可能)
  • 消化ガス発生量の減少。
  • 導入効果は初沈汚泥の繊維含有量に依存。(導入にあたり調査が必要)

導入推奨ケース

  • 嫌気性消化汚泥を有する処理場や導入を検討している処理場において、脱水性の向上や汚泥処理・処分費の縮減を図りたいとお考えの場合におすすめです。
  • 混合生汚泥の汚泥性状の変動が著しい処理場において、脱水性能の改善を図りたい場合におすすめです。

具体的な導入事例・効果

導入施設の概要

水処理方式:標準活性汚泥法
処理能力(日最大):52,300m3/日
汚泥処理方式:濃縮→消化→脱水→場外搬出

導入目的及び理由

難脱水性の消化汚泥の脱水性能を改善し、脱水ケーキの低含水率化や減量化により、汚泥処理費用の縮減効果が期待できることから導入に至った。

導入効果 (導入検討段階の数値)

実証試験の結果、20%/TSの回収助材添加により、脱水汚泥含水率が82%から-8 ポイント低下の74%となり(下図参照)※1、脱水汚泥量は約25%減少※2した。

※1 碓井ら:下水汚泥由来繊維利活用システムについて 第53回下水道研究発表会より
※2(公財)日本下水道新技術機構:下水処理場におけるエネルギー自立化に向けた技術資料 -2020年3月-

 

助材添加率と脱水汚含水率低減量の関係 (例)

  • 本技術では、助材添加率により脱水汚泥含水率を調整できます。
    ※ 助材添加率=助材固形物量/消化汚泥固形物量×100
    注) 左図の低減曲線は処理場によって変わります

 

助材回収ユニット外観

  • 本技術の核となる「助材回収ユニット」では、初沈汚泥を高速回転するスラッジミルですり潰した後に、回収装置内で洗浄することで、初沈汚泥中の繊維状物を分離回収します。

JS導入実績 (R5.8時点)

  • 全2件で導入決定済

LINE UP技術ラインアップ

下⽔汚泥由来繊維利活⽤システム

初沈汚泥に含まれる繊維状物を回収・添加することで脱水性が向上し、汚泥低含水率化・薬注率低減化により、後段施設への負荷軽減・コスト縮減を実現します。

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