理事長 森岡 泰裕

日本下水道事業団(JS:Japan Sewage Works Agency)は、下水道技術者が不足する問題に対応するため、地方公共団体において必要とされる専門の技術者を共有の職員としてプールする機関である下水道事業センターとして、 昭和47年11月に設立されました。その後、昭和50年の認可法人日本下水道事業団を経て、平成15年に地方公共団体が主体となって業務運営を行う地方共同法人日本下水道事業団として再出発しており、地方公共団体が管理者として実施すべき下水道関係業務を公的に支援する唯一の全国組織です。

近年では、下水道事業が新設中心から管理・更新の時代へと大きく構造変化するなか、国・地方を通じた財政難、技術者の恒常的な不足など、下水道事業を取り巻く環境は厳しいものとなっています。 また、資源・エネルギーの循環や地球温暖化への対応という新たな視点が重要となっています。
 さらに、近年は地震や水害などの自然災害が頻発しています。 西日本から東日本、東北地方の広い範囲で記録的な大雨となった令和2年7月豪雨や、令和元年東日本台風などでは多くの人的・物的被害が発生し、下水道施設が内水氾濫を防いだ一方で、浸水による被害も受けました。 防災・減災とインフラの強靱化の重要性はますます高まっています。

下水道が果たしている汚水処理や雨水の排水などは今や国民生活と社会経済活動にとって必要不可欠なものとなっており、下水道サービスを持続的なものとし、その水準を向上させていくことが下水道事業に関わる者すべての使命と言えましょう。

 JSは、下水道管理者である地方公共団体から設計や建設などの事業を受託し、その実施を担う立場から、委託団体や地域住民のニーズに的確に対応した高い水準のサービスを持続的に提供できるよう不断の努力を重ねています。

また、働き方に関しても、「JS版働き方改革」メッセージを発出してその具体化に取り組んでおり、テレビ会議システムや現場管理へのIT機器の導入など業務の効率化・高度化を一層推進しています。 また、新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク積極的導入など、職員の健康と事業継続とともに生産性向上を目指した「健康経営」にも取り組んでいます。

現在、JSでは第5次中期経営計画(2017〜21年度)の下で、各主体が抱える課題を共に考え解決策を提案し事業の継続に役割を果たす「下水道ソリューションパートナーとしての総合的支援」、 下水道事業全体の進化・発展に寄与する「下水道ナショナルセンターとしての機能発揮」の二つの柱で、下水道事業全体のライフサイクルをサポートすべく取り組んでいます。
 今年度は、同計画の最終年度になります。変化する下水道をとりまく課題に対応して、広域化・共同化、官民連携などの新たな施策展開、頻発する災害への対応、技術開発・研修を通じた人材育成、海外インフラ展開を含め、 日本全体を視野に入れたスピード感ある施策の実践が求められています。将来を見据え新たなニーズにも応えるべく、次期中期経営計画に向けた議論を深めていきます。

JSは、下水道のプロ集団として地方公共団体はじめ多くの関係する皆様からより一層信頼されるよう、発足以来蓄積された技術力・人材力・マネジメント力等の強みを総動員し、今後とも役職員一丸となって業務に取り組んでまいります。 皆様の一層のご指導・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

(令和3年4月)

地方共同法人 日本下水道事業団
理事長森岡 泰裕