理事長 黒田 憲司

JSは、1972年、立ち遅れた下水道整備を推進するため、不足する技術者を共有の職員としてプールする下水道事業センターとして発足しました。以来、我が国の下水処理場建設の7割に携わるなど、50年以上にわたり地方公共団体の皆様とともに下水道の課題解決に取り組んでまいりました。

現在、下水道は、人口減少、老朽化、災害の激甚化・頻発化、国・地方を通じた財政難、職員の減少など事業環境が厳しさを増す中で、安全で快適な暮らしに欠かせないインフラとして施設更新や経営健全化を進め、事業の持続性確保とサービス水準向上に取り組むことが大きな課題となっています。また、下水資源を集約しエネルギー化、再資源化する環境インフラとして、循環型社会の形成に一層貢献することも求められています。加えて、データとデジタル技術の活用や脱炭素化の取組などを通じて、インフラ分野や社会システム全体の変革を目指す、いわゆるDXやGXの取組など、新たな視点を取り入れた事業展開が重要となっています。

JSの第6次中期経営計画(2022〜2026年度)では、「下水道ソリューションパートナーとして、技術、人材、情報等下水道の基盤づくりを進め、良好な水環境の創造、安全なまちづくり、持続可能な社会の形成に貢献します」を基本理念に、地方公共団体の課題を総合的に支援する下水道ソリューションパートナー、下水道事業の変革を積極的に牽引する下水道イノベーター、ICT活用など下水道の基盤づくりに貢献する下水道プラットフォーマーの3つの視点で、地方公共団体の立場に立って事業に取り組んでいます。

下水道のプロ集団であるJSは、その時代に要請される支援ニーズに応えつつ、技術力、提案力、課題解決能力、災害対応能力を培ってきました。その力を最大限に発揮して地方公共団体の皆様のご要望にお応えし、健全な下水道運営や安全で快適な暮らしの実現に貢献するとともに、資源の有効利用、生物多様性の保全、脱炭素社会の実現など、下水道のポテンシャルを活かして新たな時代の要請にも対応できるよう、持続可能な社会づくりに役職員一丸となって取り組んでまいります。

地方共同法人 日本下水道事業団
理事長 黒田 憲司