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技術開発

JS技術開発情報メールNo.221

 

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          JS技術開発情報メール       

           2020.3.25 No.221

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆JS技術戦略部◇◆◇◆

 

 いつも「JS技術開発情報メール」をお読み頂き、ありがとうございます。

 今年は暖冬だったこともあり桜前線の北上が早まっているようです。

 お花見はコロナウイルス対応で自粛ですが、桜の咲いている通りを散策したり、車や電車の中から眺めたりして春の訪れを感じたいものです。

 忙しい期末ですが、体調管理に気を付けて元気に締めくくりましょう!

 それでは今月も最後までお付き合いください。

 

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≪ もくじ ≫

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『1』はじめに

◆「全ての組織は変えられる!『戦略』も重要だけど・・・」  (技術戦略・西日本担当理事 細川 顕仁)

 

『2』トピックス

◇JS新技術として4技術を選定しました  (技術開発企画課)

 

『3』技術情報 

◆よく見かける下水道用語 「3次元点群データ」  (技術基準課)

 

『4』下水道よもやま話

◇新駅の開業に伴う新技術の導入   (資源エネルギー技術課 桑嶋 知哉)

 

『5』国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(2月分) (国際戦略室)

 

『6』編集後記

 

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≪ 1 はじめに ≫

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◆◇「全ての組織は変えられる!『戦略』も重要だけど・・・」◇◆

  

 皆さんの職場やご家庭では新型コロナの影響はいかがですか?経済への影響も大きくなってきましたし、対応等にご苦労されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ということで今回は感染症対策・・・ではなくまたまた最近手にした本のお話:組織に関するもの(新型コロナ対策に関係している部分もちょっとだけあります)。

 

 何故この本を紹介したいと思ったか・・・巷間でもてはやされているような組織や事業戦略などに関する理論、理屈よりも「ヒト」に目を向けるべきという著者の主張と、各章のタイトルの面白さと共感からです。第1章『戦略至上主義という病』、第2章『犯人探しという病』、第3章『会議が空回りする病』、第4章『「最近の若者は・・・」という病』、第5章『「何回同じことを言わせるの?」という病』、第6章『ものさし不在という病』、第7章『決断が先送りされる病』。いかがでしょう?どれも面白いでしょ。うちもそうだという所はないでしょうか?これらの多くについて私もなんでやねん!と悩んだことがありました。全て興味深かったのですが、中でも私がなるほどな〜、ごもっとも!と感じたものを以下に紹介します。

 

 まず人間は「限定合理的な」生き物であるという言葉。平たく言うと、人は合理性だけで動くのではなく、感情が行動に影響を与える「感情人」ということ。その感情が最近は多様化、複雑化しているので、人を動かす:リーダーシップを発揮することが難しくなってきているそうです。人(感情)を動かすための効果的なやり方なども紹介されていましたが、「人の行動を変えたいのなら、まず気持ちを溶かすことから始めよ」という言葉に最も共感しました。コミュニケーションの重要性は誰しも分かっているのですが、そのために会議などの形式や頻度にこだわってしまう人をたまに見かけます。お互いに分かり合うこと(相互理解と共感)。腹を割って話し合うことができれば、「形」なんてどうでもいい。そんな関係をできるだけ多くの人と築いていきたい・・・と改めて強く思いました。

 

 次に会議の問題。「会議=情報共有の場」という図式はとうの昔に意味を失っているのに、現実の会議は旧態依然のまま。会議は問題解決のために行うべきものであり、そのために行われている会議であったとしても、問題隠蔽合戦、言い訳合戦になっている等々現状の問題が指摘されていました。色々共感するところがあったのですが、長くなるのでここでも私が最も気に入った部分をかいつまんで紹介します。『問題が隠されるのは、その捉え方に原因がある。問題というものの捉え方をポジティブにすることが肝要。人生も「ただ生きていればいいや」という生き方をしていたら、問題と出会うこともない。志や夢を持って生きるから、そして、それを貫こうとするから、叶えようとするから、解決しなければならない問題と遭遇するのだ。目標、理想なきところに問題もまたない!』問題が生じたら、隠そうとしたり、逆に「てーへんだ!てーへんだ〜!」と騒ぎ立てたりするのではなく、一緒に解決策を考え、そして期限を明確にした上で実行していく・・・常にこうするよう心掛けていきたいものです。

 

 最後にもう一つ、「決断」について。「決断」はリーダーにとって最も重要な仕事!「決断」の先延ばしにより部下のモチベーションは最も下がる・・・分かっていても悩むことは多いですよね、怖いですよね。決断しようとしても色々なことが頭に浮かんできて逡巡してしまう・・・この「決断(!)⇒逡巡(?)」のループに陥ると最悪。何故こうなるのか?それは、「正解」を探そうとするからだとのこと。でも現実は100%正解(メリット)など殆どない。「決断」を求められる時はメリット51%、デメリット49%というような微妙な状況であることが多いので、「良い」、「正しい」よりも「速く」、「強く」決断することを意識すべき。そしてその決断を皆で「正解」にもっていく、「正解」を創り出していく・・・これが大切。今般の新型コロナ対策については色々批判もありますよね。でも、決断がなされた以上、それを正解に導いていくよう国民一同協力していくべきだと私は思います。

 

 今回も長々と勝手なことを書いて申し訳ありませんでした。年度末ということでJSでも令和2年度に向けた準備がなされています。既に人事異動の内示も行われ、4月からは新しい技術戦略部長が着任することになっています(新部長本人は全くもって「新しい」人間とは言えませんが・・・)。このメルマガ巻頭言は技術戦略部長が担当することになっていますので、本号をもって私はクビになるはずです。これまで、ネタに困ったり、締め切りに追われたり・・・プレッシャーを感じることもありました。が、色々な所で色々な方から「読んでるよ」、「楽しみにしている」という、お世辞でも嬉しいお言葉をいただき、それらを励みに何とか2年間24回続けることができました。皆様、本当にありがとうございました。私は除菌されてしまいますが、令和2年度も本メルマガとJS技術戦略部をお引き立てのほど何卒よろしくお願い申し上げます。

 Terima kasih banyak. Sampai jumpa lagi!

 

(技術戦略・西日本担当理事  細川 顕仁)

(もし皆様と新部長のお許しが得られたなら、『宇〇戦〇ヤ〇ト』のような復活も密かに狙っています・・・)

 

 

 

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≪ 2 トピックス ≫

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◆◇JS新技術として4技術を選定しました◇◆

 

 日本下水道事業団(JS)では、地方公共団体の多様なニーズに応える新たな技術を積極的に下水道事業へ活用する観点から、受託建設事業に新技術を円滑に導入することを目的として、『新技術導入制度』を運用しています。

 この度、本制度により、新たに下記の4技術を新技術I類に選定しました。

  JSは、今後も最適かつ信頼性の高い、低コストな技術の開発・実用化を図って参ります。

 

【令和2 年1 月9 日 新技術T類選定】
技術名: 難脱水対応強化型スクリュープレス脱水機
開発者: JS・(株)神鋼環境ソリューション・(株)北淩
技術選定を受けた者: (株)神鋼環境ソリューション・(株)北淩
概  要: 本技術は、凝集方法の最適化等により、脱水性の良好な凝集フロックを形成しフロックの収縮に合わせた適正な力を加えて脱水する技術です。特に難脱水性である消化汚泥に効果的で、他の脱水機と比較して低動力、低含水率化を実現させ、LCC(ライフサイクルコスト)縮減に寄与します。

 

【令和2 年2 月19 日 新技術T類選定】
技術名: アンモニア計による送気量フィードフォワード制御技術
開発者: JS、日新電機(株)、(株)日新システムズ
技術選定を受けた者: 日新電機(株)
概  要: 本技術は、反応タンク内に 2 台のアンモニア計を設置し、流入窒素負荷量および硝化状況に応じて曝気風量を自動で調整する風量制御技術です。硝化促進を行なう各種活性汚泥法を対象に、風量低減による省エネ化と処理水質(NH4-N 濃度等)安定化の両立を図ります。

 

【令和2 年2 月19 日 新技術T類選定】
技術名: アンモニア計による送気量フィードフォワード制御技術
開発者: JS、(株)神鋼環境ソリューション
技術選定を受けた者: (株)神鋼環境ソリューション
概  要:

本技術は、反応タンク内にアンモニア計およびDO計を設置し、硝化状況に応じて目標DO濃度を自動で調整することで風量制御を行なう風量調節弁の制御装置です。硝化促進を行なう各種活性汚泥法を対象に、風量低減による省エネ化と処理水質(NH4-N濃度等)安定化の両立を図ります。

 

【令和2 年2 月19 日 新技術T類選定】
技術名: ダウンサイジング型ベルトプレス脱水機
開発者: JS、月島機械(株)
技術選定を受けた者: 月島機械(株)
概  要:

ベルトプレス脱水機に濃縮部と高濃度対応型フィード装置を組み合わせることで脱水性能を維持し、ろ過速度を 1.5 倍程度に向上させ、従来の高効率型ベルトプレス脱水機と同等の処理能力を有しつつも小型化されたベルトプレス脱水機です。濃縮汚泥にポリ硫酸第二鉄を注入する方式との組み合わせによる汚泥含水率の低減も可能であり、LCC縮減に寄与します。

 

▼詳しくは記者発表資料をご覧ください。

https://www.jswa.go.jp/kisya/h31pdf/200226kisya.pdf

https://www.jswa.go.jp/kisya/h31pdf/200305kisya.pdf

 

(技術開発企画課)

 

 

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≪ 3 技術情報  ≫

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◆◇よく見かける下水道用語◇◆ 

 

「3次元点群データ」

 

 下水道用語ではありませんが、今回は建設業界の生産性向上を図る取り組みなどでよく見かける「3次元点群データ」についてご紹介をさせていただきます。JS技術開発情報メールNo.181号掲載の「よく見かける下水道用語」で紹介された「BIM/CIM」とセットで使われることもありますので、興味のある方はそちらもご覧ください。

 「3次元点群データ」とは、国土交通省のCIM導入ガイドライン(案)のなかで「UAV(※1)写真測量、地上レーザスキャナ等による3次元測量によって得られた3次元座標を持った点データの集合をいう」と定義されています。つまり、上空または地上から計測した建物の形状などを点の集まりとして(液晶画面やVRゴーグル等を通じて)3次元空間上に表現ができます。省略して「点群データ」又は「点群」と呼ばれる場合もあり、さらに、写真画像を用いる事で3次元点群データの各点に色情報を与えることも可能です。

 この3次元点群データを用いることで・・・・・

 

※1 無人航空機(unmanned aerial vehicle)の略称。通称ドローンと呼ばれる。

 

▼続きはHPで↓

https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/mb/pdf04/221-1.pdf

 

(技術基準課)

 

 

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≪ 4 下水道よもやま話  ≫

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◆◇新駅の開業に伴う新技術の導入◇◆ 

 

 日本下水道事業団の本社は、東京の文京区湯島ということにあります。ビジネス街でも官庁街でもなく、再開発された格好いいオフィスビルでもありません。よくある普通のビルにある職場まで、私は満員電車に揺られて通勤しています。このところ、新型コロナウィルスの関係で時差通勤などを推奨していることもあり、やや混雑は緩和されていますが、普段の混雑はかなりのものです。

 そんな道中に先日、東京23区内では久しぶりの新しい駅が開業になりました。山手線の「高輪ゲートウェイ駅」です。新駅名が公表された際は、個性的?なネーミングから結構な話題となりました。毎日の通勤の車中から、徐々に新駅建設が進んでいく様子がわかりました。過密ダイヤの山手線へ新駅をどのように設置するのかな?という興味がありましたが、旧操車場と思われる広大なスペースに駅舎を先に建設して、昨年秋に1日程度の計画運休を行い、路線を切り替えるなど順調に工事を進めて予定通りに新駅開業を迎えたようです。そんな新駅には、お試し的に「新技術」が導入されるということでしたので、途中下車してみました。

 

▼続きはHPで↓

https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/y/pdf2/y200.pdf

                 

(資源エネルギー技術課 桑嶋 知哉)

 

 

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≪ 5 国・公共団体・企業の主に海外の水関連の動き(2月分)≫

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日付 キーワード URL
2月11日 東芝 インド東部 下水処理事業2件受注
  https://www.nna.jp/news/show/2006269
2月24日 JICA ホーチミン市 下水管修復 無償資金協力
  https://www.viet-jo.com/news/nikkei/200224135246.html 
2月26日 東ジャカルタ イオン 洪水原因
  https://www.jakartashimbun.com/free/detail/51077.html

 

                                 (国際戦略室)

 

 

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≪ 6 編集後記 ≫                    

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 無事に今年度最終号をお届けすることができホッといたしました。

 3年間メルマガの編集担当をさせて頂きましたが今月号で卒業致します。

 ご愛読くださいました読者の皆様、原稿をご執筆頂きました皆様に心より感謝申し上げます。

 次年度、素敵な編集者にバトンタッチ致しますので引き続きご愛読のほどよろしくお願いいたします。

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  バックナンバーもご覧になれます。

 

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JS技術開発情報メール

 発 行:JS技術戦略部 

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